ラストが最高 – 『スター・ウォーズ エピソード8/最後のジェダイ』感想

『スター・ウォーズ エピソード8/最後のジェダイ』の感想です。公開2日目に字幕版を視聴。

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ネタバレ注意

ネタバレそのものが目的の記事ではありませんが、物語の核心に関わるネタバレがふくまれていますまだ見ていない方はご注意ください。

期待してなかったけど良かった

『スター・ウォーズ』を見て涙ぐむことになるとは思っていませんでした。

『エピソード7/フォースの覚醒』が期待はずれの焼き直し映画だったので、ルーカスの手を離れた新しい『スター・ウォーズ』シリーズに対する期待は低かったんです。

しかし見事に作ったものです。どうせEP8も『帝国の逆襲』の劣化コピーだろうとバカにしてすみませんと言いたい。過去の『スター・ウォーズ』へのオマージュを随所に入れつつ、オリジナリティーある新しい物語を描いていました。

終盤が素晴らしい

見どころは映画の終盤ですね。最後が良すぎて途中ちょこちょこあった不満点も一気に吹き飛んでしまいました。エンドロール直前にああいうシーンを持ってくるとはなかなかの冒険です。

ライアン・ジョンソン監督凄い!上っ面をなぞるだけのEP7の監督にはできなかったでしょう。いや、偉大なるルーカスでさえやらないであろう表現で、新しい『スター・ウォーズ』の始まりを予見させる終わり方でしたよ。

ジェダイの歴史を負の側面も含めて俯瞰した上で、新しいジェダイの定義を打ち立てました。『最後のジェダイ』というタイトルにした意味がよく分かります。これほどまでピッタリのタイトルは他に無いなと。

終盤のあらすじ&感想

ここから終盤の具体的な内容に触れます。ネタバレ注意。

ファースト・オーダー軍の攻撃により壊滅寸前になったレジスタンス残党。ある惑星に避難するのですが、すぐに発見されカイロ・レン達の襲撃を受けます。

レジスタンスは多くの仲間を失っており生存者は僅か。銀河に散らばる賛同者達の助けを期待して籠城するも、ファースト・オーダーの強力な兵器によって壁を破られ絶体絶命。

そこにどこからともなく現れるルーク。隠遁生活を送っていた彼は、レイに求められても戦いに加わるのを断固拒絶していましたが、最後の最後で考えを改め助けに来たのです。

この後ラストまで怒涛の展開で感動的なシーンも多いです。

ルークとレイアの再会

まず印象に残ったのが、ルークとレイアの再会する場面。

レイアはルークにとって唯一の肉親ですが、彼の失踪以来長いこと離れ離れになっていました。

再会した時の2人の表情が本当に良かった。懐かしさや嬉しさ、様々な感情が混ざった何とも言えない顔をしていてまさに名演でした。見ているこちらの胸にも熱いものが湧き上がり涙が出そう。

この2人の再会(SWでの共演)は現実でも数十年ぶり。『スター・ウォーズ』の古くからのファンにとって懐かしく感動的なシーンで、演者の2人にとっても感慨深いものだったでしょう。

ルークとカイロ・レンの一騎打ち

ルークはファースト・オーダー軍の前に単身で登場し集中砲火を浴びますが無傷。いくらルークのフォースが強くてもそれはないだろうと困惑しましたが、後でカラクリが分かると納得。

自ら手を下すべくウォーカーから降りてきたカイロ・レンとライトセーバーで一騎打ち。

ここでルークが青色のライトセーバー(元アナキンの)を使っていたのが不思議だったんですよ。青色のはレイが持っていて映画中盤で破壊されたはず、緑色のセーバーを使うはずなのにどうしてだろうと。

憎しみを込めて襲いかかるレンの攻撃を悠々とかわすルーク。しかし一通り回避した後は戦闘態勢を解き、わざとレンの攻撃を受けます。

胴を真っ二つに切り裂かれたかと思いきや無傷。EP4でベイダーに切られたオビ=ワンのように服だけ残して消えると思っていたので予想外の展開。あれれ~!?

レンは懲りずルークに「突き」を入れますがセイバーが素通り。彼が無傷だった理由が分かります。

始めからそこにいなかったんです。隠遁している島からフォースを使い、まるで本物のような幻影を作り出していたのです。

これは驚きの展開でした。フォースでこんなことまでできるとは!

宇宙船無しでどこからともなく出てきたのも、セイバーが青かったのも幻影だったから。フォースで作り出されたビジョンなので何でもありです。そういえば着ている服もそれまでとは違ってました。

ルークが敵をひきつけている間に生き残りのレジスタンスメンバーは脱出に成功、希望をつなぎます。EP4におけるオビ=ワンと同じ役回りですね。

役目を終えたルークが力尽きる

役目を果たしルークの幻影は消えます。しかし、島にいる本物のルークは力を使い果たし倒れます。フォースを使って遠く離れた惑星に本物そっくりの幻影を作り出すというのは前代未聞です。相当の負担が掛かったのでしょう。

意識が遠のく中、雲の切れ間から二つの太陽を目にするルーク。そこに「フォースのテーマ」が流れます。

ルークの肉体は消滅しフォースと一つに…。

この曲をバックに二つの太陽が沈むシーンは過去の作品にもあって、ルークという人物の象徴なんですよね。

SWの原点第一作(EP4)では、若き日の彼が故郷の星タトゥイーンで沈みゆく二つの太陽を見つめます。

ルーカスが手がけた最後のSWであるEP3のラストも、赤ん坊のルークを抱いたラーズ夫妻が二つの夕日を眺めるシーンなんです。

この演出は本当に素晴らしく鳥肌が立ち目頭が熱くなりました。ルークの一生、生から死まで描き切ったんだなあという感慨もあります。

それにしてもSWはテーマソングが素晴らしいですね。特に「フォースのテーマ」は何とも言えない郷愁があって心に残ります。

ラストシーン

ルークの最期が映画のラストシーンかと思いきやまだ別のシーンが入ります。

カジノ惑星の場面で少しだけ登場した少年たちが、ルークやレジスタンスについて目を輝かせて語り合っているんです。明言されてはいませんがおそらく彼らは奴隷です。

主に追い立てられた少年が外に出て星空を見上げると流れ星が横切りエンドロールへ。

希望に満ち溢れた表情をしているんですよこの少年が。奴隷という辛く苦しい立場に置かれているのに希望を失っていない。

そもそも、これまでラストシーンに名もなき人物を持ってきた『スター・ウォーズ』があったでしょうか。この少年、言い方は悪いですがモブキャラですよ。ジェダイどころかレジスタンスの一兵卒でさえありません。

でもそれが良いんです。最高の終わり方だと思います。

『スター・ウォーズ』は単に超能力者が活躍する戦争の話ではなく、希望の物語なのだと、テーマは希望なのだと思わせる終わり方です。

どんな困難な状況でも希望を失わず、前を向いて歩き続ける名も無き人々こそ主役なのだというメッセージを感じます。

少年はフォースを使える?

ただし、あの少年はフォースを使ったような描写があるんですよね。箒がひとりでに少年の手の所に来ましたから。でもこれ、フォースなのか、たまたま倒れてきただけなのかはっきりしない表現になってます。視聴者の想像に任せているのでしょう。

これで少年が次回作でライトセーバーを振り回していたら興ざめです。全くストーリーに関わらず忘れられていてこそ意味があるんです。モブだからこそいいんです。

希望をつなぐ物語

レジスタンスはほぼ壊滅しましたが銀河には希望があるという清々しい終わり方でした。

『最後のジェダイ』はかつての「新たなる希望」ルーク再生の物語でもありました。一度は絶望していたルークが希望を取り戻し次の世代につないだのです。

ルーク自身はこの世を去りましたが、希望は生き続けます。「希望は死なない」という『ローグ・ワン』のキャッチコピーが思い出されます。

最後のジェダイ

ルークはカイロ・レンに「自分が死んでもジェダイは終わるものでない」というようなことを言っていました(正確に覚えてはいません)。

古い意味でのジェダイはルークで最後になりましたが、新しい意味のジェダイはいなくなりません。ジェダイの定義が変わったのです。

古いジェダイの本を燃やすシーンが象徴的です。厳しい戒律や師弟関係で成り立つ古くて硬直したジェダイというあり方、腐敗しダース・シディアスの台頭を許したジェダイ・オーダー的な考え方を葬り去ったのです。

これからのジェダイとは、フォースを使いこなせる人だけを指す言葉ではないのかもしれません。ラストシーンの少年のように、どんなに苦しくても希望を持ち続け、正しいことのために立ち上がる銀河中の名も無き人々こそジェダイなのではないでしょうか。

フォースと共にあれ。

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冷静になって悪い点を振り返ってみました。