前の巻より分かりやすい – 漫画『ゆゆ式』9巻感想

実は9巻を買うかどうか悩みました。前の巻があまりにも理解を超えていて置いてけぼりにされた気分になったからです。

『ゆゆ式』はもとから人を選ぶ作品でしたが、巻が進むに連れどんどんネタ分かりにくくなり、狂気の一歩手前まで行ってしまった印象。

意味がわからず異星人の会話を眺めているような不思議な感覚を味わうことに。「この子達何を言ってるんだろう…。」

アニメ化された4巻あたりまでは癖があるものの理解でき楽しく読めましたが、その後はだんだん難解さを増し理解の及ばない所へ。

それでも絵とキャラクターが大好きなのでコミックを買っていました。けれどこの巻も難解だったらもう買うのやめようかなと。

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思ったより良かった

そんな感じであんまり期待せずに読んだのですが面白い!なんか分かりやすくなってる気がします。ギャグがちゃんと笑えるゾ、クスッと。前は真顔で読んでいたけどニヤニヤできます。

面白かった頃のノリに戻っている感じです。作者は相変わらずハイセンスで常人離れしてるけど、この巻には凡人にも分かる範囲のネタが多い。

言葉遊びが楽しかったです。優しく殺すヤサシンとか。連想ゲームのごとくエアメールの話題がヘルメールになり青がキレイなフェルメールというオチが付いたり。

そしてやっぱり絵が可愛い!顔はデフォルメが強いけど表情豊か、体は肉感的でエロさがある。表紙や途中の描き下ろし一枚絵がもうたまらんですよ。額に入れて飾っておきたい。

ただこの巻にも一部理解できないネタがありました。分かる人には分かるネタなのかそもそも意味がなく、フィーリングで楽しむものなのか区別出来ないところが辛いです。

ゆゆ式はやっぱり凄い

久しぶりに読んでみてやっぱり『ゆゆ式』は凄いなーと再認識。一部で「哲学」と呼ばれているだけのことはあります。

まずオリジナリティが凄い。日常系萌え4コマは数多くありますが『ゆゆ式』は異彩を放ってます。他の作者には描けないですねこの独特のノリは。

『ゆゆ式』は究極の日常系。イベントはごく稀にしか描かれません。ほぼ会話シーンだけで9巻まで続けてるんだから尋常じゃないです。ネタ切れしないのが凄い。

この巻の迷子になりに行く話はちょっと特殊かなと思いました。外へ出かける話は少ないので。

でも実際には基本のスタイルを踏襲していて会話する場所が外になっているだけ。特に何かイベントが発生することもなく3人の他愛ない会話が続きます。ブレないなあ。

万人受けしないのは仕方がないです。好きになるかどうかは、会話が面白いと思えるかどうかにかかっていると思います。キャラクターが好きでも会話シーンが禅問答のように思えてしまうと魅力半減です。

キャラクターの関係性

メイン3人組(ゆずこ、唯、縁)は本当に仲のいい感じが伝わってきて最高です。お互いのことがよくわかってるんだな~って。分かった上でボケてみたりいたずらしてみたり。

百合疑惑もありますが個人的にメイン3人は違うと思ってます。

ゆずこと縁の「唯ちゃんすきすき~」ってのは気心の知れた友達との馴れ合い。ネタでやってる感があり、一線を越えていません。お互いマジじゃないのが分かった上でやってる感じなのですよね。

一方でサブ3人組の佳と千穂はガチっぽいです。真性であることを仄めかす描写があちこちに見られます。読者が勝手に百合認定したわけじゃなくほぼ公式設定かなと。

佳の千穂に対する愛と独占欲は生々しすぎ。どろどろしてます。直接的な描写が無いだけで裏では『桜Trick』より過激なことをしてそう。(ちょっと見てみたい)

千穂のほうは唯を見る目がもう完全に恋する乙女。また、可愛らしい感じのキャラであると同時に隠れた変態性も描かれてます。9巻では唯を縛るところを妄想して興奮してましたね。

百合描写にこれ以上踏み込むと成人向けになってしまうんだろうなあ。でもガチ百合シーン見てみたい…。

そういえば9巻には初期のようなシモネタが登場。「唯ちゃん穴」ってなんだよ…。みかんやお豆ネタに匹敵する際どいネタですね。

感想には個人差があります

自分には9巻が久々に面白く感じられました。5巻以降では一番楽しめたと思います。

でも他の人のレビューを見ると「相変わらず面白い」という風に書いてあることが多いんですよね。前の巻のレビューを見ても否定的な意見は皆無です。

9巻まで来ると読者も選抜されてる気が。波長がピッタリ合った人間しか買わないんですよ多分。おそらく合わなかった人は途中の巻で脱落していて、単行本を手に取ろうとも思わない。結果好意的なコメントしかつかないと。

選ばれし読者の方々は難解な7巻、8巻も理解できたのだと思います。自分はまだまだ修行が足りないようです。理解できるまで読み返したいと思います。