アニメ『百錬の覇王と聖約の戦乙女』第5話、第6話の面白シーンを紹介していく。
ネタとして楽しめるシーンを取り上げるので、真面目な解説を読みたい方は注意。
※ネタバレあります。
第5話「虎を食う獅子」
4話までは日常パートが多く退屈なシーンも多かったが、5話でやっと面白くなる。今回は全12話中でも一二を争う面白さだった。
アバンの謎回想以外はほぼ合戦シーンなのだが、ツッコミどころ満載。普通に見ても面白いしツッコミを入れても楽しめる傑作回。
低予算だけど動かそうと苦労しているのが伝わってくるので馬鹿にできない。絵はかなり崩れているものの、ちゃんとアニメーションしていて、紙芝居シーンが少ないのが素晴らしい。
シュールな合戦
合戦シーンの映像は本当にシュール。見ているとどうしてもニヤついてしまう……。
可能な限り動きをつけようとスタッフが頑張っているのは分かるけど、やっぱり絵面が可笑しい。モブ兵士の顔が落書きみたいだったりするので草生える。
予算が少ないとカッコいい戦闘シーンを作るのが難しいのでしょう。深夜アニメに日常系が増えるのも理解できる。あまり動かさなくても良いから、低予算でも割と見られるものが完成する。
一方、予算がないのに大規模な戦闘シーンを入れると今回みたいな出来になるよなぁ…。
遠くの馬や兵士はCGで動かして作画節約してるけど、手描きの部分は崩れまくりで無理してる感じが伝わってきますよ…。日常パートだけアニメ化したらここまで崩れなかったと思うぞ。
見どころシーン
以下再生時間を表示し、面白シーンにコメントしていく。
再生時間(3:20)
ステインソール(画像右)に瓜二つの2Pカラーがいる。兄という設定なのだが色以外ほぼ同じ見た目。後半で話に関わってくるので覚えておきましょう。

©鷹山誠一・ホビージャパン/ユグドラシル・パートナーズ(以下の画像も同様) 第5話より引用
(4:45)
ステインソール軍との合戦。主人公が「ファランクス、前進!」と命令したのだが、前進したのは敵軍だけでファランクス隊は棒立ち。
画像の左側が敵のステインソール軍。右側が主人公のファランクス隊。
左の敵兵がたたーっと右へ駆け出しているのだけど、主人公サイドは止まったまま。
そのため、敵兵が自分から槍ぶすまに突っ込んで串刺しになるという、意味不明な映像になっている。
俯瞰のカットでは兵士が3DCGで描かれてるけど、動きの指示を間違えたせいでこうなったのかな?ファランクス隊も動かさないと流石におかしい。
(6:15)
ヤク中しぶりんことスカーヴィズの馬の色が変わる。
(8:10)
普通に見ていても気づかなかったけどニコ動コメのおかげで分かった。影の関係で色が変わったのかなとも思ったけど、位置が変わってないしただのミスでしょうね。
こういうツッコミどころの多いアニメはニコ動で見ると楽しめる。コメントしてる人達の観察力に感心しますよ。ネタとして笑いながら見てる割に細部にまで目が行き届いてるなと。
スカーヴィズさん
このスカーヴィズさんはネット上で「ヤク中しぶりん」とか「ダークエルフVTuber」とか言われていて笑える。それに、カットごとにコロコロ顔が変わって面白い。
大体崩れた感じの変な顔なんだけど稀にイケメンになるのが興味深い。一部だけ上手い人が描いてるな。
(8:50)HIP
金髪ちゃん(フェリシア)の「そのHIP(匹夫)が突っ込んできます」というセリフが原因で、ステインソールは視聴者からHIP呼びされることになった。
主人公はステインソールの活躍を匹夫の勇(思慮も分別もない腕力に頼るだけのつまらない勇気)扱いして馬鹿にしている。自分は安全な後方にいて戦わないのにね…。
(Bパート開始)
CMが終了し、本編が始まると同時にステインソール兄(2Pカラー)死亡の報せが…。CMの間にスカーヴィズに討たれた模様。ショックを受けたステインソールは変な形の骨付き肉を落とす。
さらに八つ当たりで蹴り飛ばされた参謀がゴロゴロっと転がる(絵は崩れていても動きに手を抜いていないことが分かる)。
すぐ感情的になって暴力を振るうなんて、これはやっぱりHIPですわ…。でもすぐ正気に戻ってごめんなさいできる偉い子。ふっとばされて血を吐いたのに文句を言わない参謀も人間が出来ている。
(15:10)
ステインソール1人を7人で囲んで攻撃するシーンがほんとシュールで笑いが止まらない。
「エインヘリアル7人掛りだ。これでも笑っていられるか!」と勿体ぶっているけど、そのうち4人は地味な外見で弱そうなモブ。能力者なのに存在感薄すぎ!
しかも止まっているステインソールの背後から矢を射ったのに何故か外す。相手が気付いて避けたわけでもないのに…。弓兵はエインヘリアルなのにクソエイムだな。
メタな見方をするとシナリオ上ここで矢が当たったらまずい。ステインソールが死だら話が終わっちゃうから、どうやっても当たらないんだよね。別に弓の腕が悪いわけじゃないのだ!
(16:05)
やる気もなく、だらーっと川を渡ってくる敵兵。矢に射られた時の気の抜けた声がツボ。
「うわっ」は、ないでしょ…
おまえ、痛いだろうになんでそんな他人事みたいな声出すんだよ!
(16:30)
7人掛かりなのに、わざわざ同じ方向から攻撃。囲んで別々の方向から武器を振り下ろせばよかったのにね。
それ以前にステインソールがこの角度からの攻撃を防げているのが謎(下の画像参照)。普通なら剣は凌げても槍が刺さってるはず。はっきり言っておかしい。
3人で攻撃するカット(上の画像)の次がハンマーの柄で防いでいるカット(下の画像)だから、一瞬で槍の動きが変わったことになる。刺すモーションが叩くモーションに変化。
槍の持ち方的に、この画像みたいに防ぐことは不可能。突き刺す動きを画像のように防いだのならモブ2人の手首がすごい角度に曲がっていることになるんだよなぁ…。
(16:40)
ステインソールは特殊能力を使い筋肉モリモリのマッチョマンになるが、次のシーンで筋肉は元に戻っている。ゲームの技エフェクトみたいなもので実際に筋肉が増えてるわけじゃなのかな…?
不可解な戦闘
このステインソール戦は、まるでゲームの「負けイベント」。どうやっても勝てないように作られている感じ。色々と不自然な戦闘シーンですな。
普通に7人掛かりで攻撃したら楽に勝ってしまい、主人公の「秘策」を見せる機会が無くなってしまう。そうならないように、キャラが不可解な行動を取らされているように思えてしまう。
同時に攻撃せずわざわざ順番に襲いかかったり、標的が止まっているのに矢を外したり、槍が刺さらなかったり。そのせいで違和感だらけのシーンになる。
このシーンに関しては、作画が悪いから間が抜けているように見えるわけではないと思う。作画以前の工程で既におかしくなっていたのでは…?
脚本あるいは絵コンテの段階で修正しないと、どんな綺麗に作画しても違和感が消せない気がする。
オチは本編で
この後主人公がトンデモな策を使い赤髪を倒すのだけど、話の核心に関わるのでネタバレしません。未視聴の方はアニメ本編で確認してね。
個人的に「その策はちょっと無いだろ!?」と思いましたね。準備が大変なうえ、一人を潰すために使うにはデメリットが大きすぎる。
とりあえず知識チートによる派手な見せ場を入れたいから、大掛かりかつ回りくどい方法を使ったのだろうなという印象。
第6話「戦乙女の休日」
今回は5話から打って変わって、非常にしょーもない話。全12話中で一二を争う酷さだった。「妖怪足舐め」まで出る。
YOU君がヒロインズと温泉に行くサービス回なのだけど、下品すぎて見るのが辛い。出来の悪いアダルトアニメかよ…。一言でいうと、ヒロインたちがソーププレイ的なご奉仕をする話。
本筋と関係がない内容だし円盤の特典にすべきだと思った。深夜とはいえ公共の電波に乗せないほうがいい。
それになんだか世界観もおかしい。温泉施設が現代日本っぽいのはともかく、生えてる木まで日本っぽい。もっと荒涼としてませんでしたっけこの世界?

第6話より引用
みどころシーン
(3:30)部下のモブおっさんによる主人公上げが激しい。なぜそこまで褒める?気付いてないだけで主人公は洗脳チート持ってるんじゃないかと思ってしまう。
そういえば前回スカーヴィズが主人公のことを「天地自然の理を操る山海の覇王」と称していた。過大評価にも程がある。スマホ使えるだけのガキだろ?
(14:05)『名探偵コナン』のアイキャッチかな? オレンジ髪(イングリット)ちゃんの工房入り口の扉。
このイングリットちゃんというのは、主人公がスマホで得た知識を元に、古代世界に存在しない武器や道具を作ってくれる便利キャラ。
紙やガラスを作ることによって、軍事だけでなく経済面からも主人公の氏族を支えている重要人物なのだ。
それなのに主人公は彼女に全然感謝していないように見える。現代の幼馴染以外に興味がないのかもしれないが、もっと大事にしたほうがいいと思うよ。
働きの割に出番が少なかったりと色々不憫な子。今回は銀髪(ジークルーネ)に「お前の刀はイラネ」みたい態度を取られてしまう(14:21)。こんな扱いじゃストレスも溜まるわな…。
温泉パート長すぎ
本筋は説明不足で駆け足なのに、どうでもいいお色気シーンにはしっかり尺を取るという謎采配。Aパート全部使って温泉ってどうなのよ…。
一応、ガラスのおかげで経済が潤っているとか、無償で教育を受けられる仕組みを作ろうとかの内政描写があったけど、ソープシーンの後にこれを持ってくるから重みがなくなる。イングリットちゃん登場シーン以外は面白みのない回だった。
『百錬の覇王』はネット上じゃクソアニメ扱いされているし、6話はかなり酷かったけど、キャラに魅力がある分まだマシな部類だと思う。少なくとも『スマホ太郎』よりは見れる。