アニメ『えんどろ~!』感想:日常系+異世界+考察要素【全話まとめ】

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2019年冬アニメ『えんどろ~』の感想です。各話視聴後に書いた感想をまとめました。

※ネタバレと少々批判的な感想が含まれます。ご注意ください

『えんどろ~!』とは

『えんどろ~!』は原作マンガ等の存在しないオリジナルアニメ。物語の舞台は、近年流行りの異世界転生もの的ファンタジー世界です。

ドラクエ的な剣と魔法の世界、和製ファンタジーRPGの世界観と言うこともできそう。視聴者がお約束を分かっているので、緻密な世界観構築をしなくていいというメリットがあるようです。

ただし、本作は単なる異世界ものではなく、2000年代中盤あたりから定番化した日常系作品の要素がプラスされています。

つまり、メインキャラクターは全員女の子で、男性キャラが極端に少なく、恋愛要素が希薄で、主人公たちの日常を淡々と描く内容になっています。

従来の日常系は現代が舞台であることが多いですが、あえて異世界にしたのが本作の特徴でしょう。実際、公式サイトでは「日常系ファンタジー」と呼ばれています。

ゆるい内容に見えますが、意外にも考察要素があります。これは、深読みしながらアニメを見るのが好きな人が楽しめるポイントかもしれません。

ただし考察要素は各話に少しずつ散りばめられている感じで、あくまでメインは日常系。大きな事件が起こらない日常系のノリが苦手な人には視聴継続が厳しいかもしれません。

全話視聴した感想ですが、当たり回と外れ回の差が大きいと感じました。本当に内容が薄く眠気を誘われる回もあれば、考察が捗る刺激的な回もありました。

各話の面白さにはムラがあるものの、メインストーリーはよく出来ていると思います。終わり方も綺麗で、不覚にも感動してしまいました。

スタッフ

日常系作品に強いスタッフが集まっているという印象を受けます。

監督は『ゆゆ式』で監督を務めた「かおり」氏。

キャラクター原案は『ゆるゆり』原作者の「なもり」氏。

シリーズ構成の「あおしまたかし」氏も『ゆるゆり』に縁がある方で、アニメ1期、2期のシリーズ構成・脚本でした。

この方は、『干物妹!うまるちゃん』や『ガヴリール・ドロップアウト』のシリーズ構成・脚本も担当されています。

制作スタジオのStudio五組は、『Aチャンネル』や『きんいろモザイク』を作った会社です。

ろ~る1(第1話)「エンドロールにはまだ早い~!」

日常系に強いメンバーが集まって作られたオリジナルアニメということで、日常系好きの筆者はちょっと期待をして視聴を始めました。

しかし、第1話の前半はとても退屈に感じてしまいました。残念なことに、つかみが弱くて眠気が……。

ふんわりした絵柄の女の子たちが可愛いのでなんとか見られましたが、内容は非常に淡白。なんというか、刺激の少ないテンプレ異世界ファンタジーという印象を受けました。

内容がないと言われがちな日常系ですが、1話は内容が濃く刺激的で、引き込まれることが多いんですけどねぇ。

このスタッフでどうしてこうなったのか不思議です。

1話前半のあらすじ&感想

冒頭、主人公のユーシャ(ユーリア・シャルデット)のパーティーが魔王と戦っているのですが、緊張感がなく、あまり盛り上がりません。

「シリアスな作風じゃないよ」というアピールなのかもしれないですが。

ユーシャたちは魔王に対し、よくある感じのファンタジーな攻撃を仕掛けますが、歯が立たちません。仕方なく禁断の魔法を使い魔王を別次元(?)へ追い出して勝利。ゲームのようなエンドロールが流れます。

「ゲームのような」と言うより、ゲーム世界が舞台なのかコレ?

『えんどろ~』というタイトルはエンドロールから来ているようです。

その後日常パートがスタート。

寝坊した主人公を友達が起こしに来て一緒に学校へ行くというプロットは、『ゆるゆり』1話と同じですが、『えんどろ~』のほうは妙に眠気を誘います。

どうしてなんでしょうかね?

少し考えてみましたが、キャラが立っていないからのような気も……。

『えんどろ~』のメインキャラ4人はどちらかと言えば大人しいタイプ。今のところ押しの強い子がいないように見えます。

『ゆるゆり』の京子みたいに、場を引っ掻き回すタイプを1人入れとくべきだったのかも?

1話を見た限り、天然な元気キャラが2人、天然入ってる学者タイプが1人、ツッコミ役の真面目ちゃんが1人という印象です。

性格という面から見ると、あまりバランスの良くない4人組に見えました。似たようなタイプが重複していて差別化が十分できていないような……。

さて、あらすじに戻ります。

冒険者学校の教室に着いたユーシャたちですが、突然担任の爺さんが学校を辞めると宣言、新担任として「マオ」が現れます。「のじゃのじゃ」という語尾で喋る悪魔みたいな外見のロリっ子です。

ユーシャのことを気にしているようでなにやら裏がありそう。「近所の遺跡にて冒険学習をするのじゃ」で前半は終わりです。

1話後半

後半は前半ほど眠くなかったです。

担任のマオに率いられ冒険実習として遺跡を訪れる主人公たち。実習の内容は簡単なものの、合格できなかった者は退学させられてしまいます。

マオがモノローグでネタバレ。実はこいつが冒頭で倒された魔王でした。異次元に送られたわけではなかった模様。

ユーシャたちの魔法は失敗し暴走していたらしく、魔王は記憶を残したまま幼女の姿で過去に送られてしまったそうです。

マオという名前からしてそうなんだろうなとは思っていましたが、バラすのが早いですね。あと、以前の邪悪な外見と比べ、やけに可愛くなりましたね。性別まで変わってるし。

というわけで、ここまでの日常パートは冒頭の戦いより以前の出来事だったということが判明しました。

マオが実習を行ったのはユーシャたちをハメて冒険者学校を退学させるため。彼女は過去を改変して自分を倒した勇者が誕生しないようにしようと企んでいます。

なお、命までは取らんらしいです。魔王のくせに優しいですね。日常系だしね。

マオの策略によって、ユーシャ達だけ他の生徒と違う高難易度ダンジョンへ進まされるのですが、なんだかんだでクリア。

ユーシャはダンジョンの奥で台座に刺さった勇者の剣を発見。抜くとモンスターが現れましたが倒して無事帰還。マオの企ては失敗に終わります。

ちなみにアニメ『ゆるゆり』1話ではあかりが伝説の剣を拾ってましたね。剣を持った絵面もなんとなく似ていました。これは意図的なパロディなのかな?

1話まとめ

前半を見て虚無アニメに近いなと感じたものの、後半はまあまあ楽しめました。この後どうなるんでしょうね。絵柄がとても可愛らしいので視聴を継続しようと思います。

ただ一つ心配事が。ドッキリ系アニメじゃないですよねコレ?

平和な日常系アニメだと油断させておいて突然、残酷描写や鬱展開を入れてきた前例がいくつもあるので身構えてしまいます。

『えんどろ~』もオリジナルアニメなので何をしてくるか読めないのが怖い。唐突に鬱アニメ化しなけりゃいいのですけど。

ろ~る2「魔王、夕陽に散る~!」

正直なところ第1話は微妙だった『えんどろ~』ですが、面白くなることに期待して2話を視聴。

魔王が過去に飛ばされた経緯について改めて語られ、謎と考察要素が出てきました。

ボケ役ばかり

2話はメインの4人が夜部屋で変な会話をしてるとこから始まります。まずキャラについて思ったことを書きます。

このパーティは頭のゆるい子ばっかり。4人中3人がボケ役ってのはどうなのかなぁと思いました、メタ的な意味で。

掛け合いシーンが作りにくそうです。

今まで見てきた日常系の4人組と比べてみてもちょっと偏っている気がします。4人組の例を挙げると『らき☆すた』『けいおん!(梓加入前)』『ゆるゆり』など。

4人組の場合大抵は「ツッコミ役の真面目キャラ」の他にも「準ツッコミ役」がいると思うんですよ。たまにボケることはあるけど普段は常識的なキャラのことです。ボケばっかりの4人組というのは記憶にありません。

1人で3人のボケにツッコミを入れるのは大変。話も作りにくいからツッコミ役を複数配置していると思うのですが、『えんどろ~』は1人だけ。

もしかすると『えんどろ~』制作陣は、4人組ではなくマオを入れて5人組で考えているのかもしれません。近年の日常系は5人組が多いですし。

『ごちうさ』も『きんモザ』も5人だし、さっき挙げた『けいおん!』も後から一人が加わって5人になります。詳しい理由を書くと長くなるので省略しますが、とにかく5人組だと話が作りやすいようです。

確かにマオを加えた5人組で考えるとバランスいいんですよね。マオは明らかにツッコミ役です。

また前話の感想で、場を引っ掻き回すタイプ(≒物語の牽引役)がいないバランスの悪いパーティと書きましたが、マオがその役割だと考えればしっくり来ます。ツッコミ役&牽引役になってるんですよね。

パーティとしては4人組なのですが、物語制作上の単位として見るとマオを加えた5人組なんでしょうね多分。納得しました。

2話前半のあらすじ&感想

2話前半は授業を受ける話。

エルフの子(セイラ)が、委員長っぽい顔をしているという理由で委員長呼びされるのがちょっと面白い。

各キャラの紹介みたいなシーンもありました。

黄髪の子(ファイ)は見かけによらずモンスター相手の戦闘が得意でなかなかの強さ。

水色髪(メイ)はカルタード(魔法のカードみたいやつ)で竜巻を起こします。

ユーシャは幸運値が異常に高いようで宝箱をいくつ開けてもトラップを引きません。

それにしても、元魔王のマオ先生はどうやって学校に転がり込んだんでしょうね。

あと、マオが同僚の先生とバーでお酒飲んで酔っているシーンが面白かったですね。魔王でも体は子供だからマズいでしょと思ったけど、飲んでいたのはなんとオレンジジュース。

ジュースで酔うのかこの可愛い生き物は!

2話後半

後半はパーティのリーダーを決める話。これはマオの企てでユーシャパーティの内部分裂を狙っています。

現にユーシャパーティの4人はみんな自分がリーダーだと思ってたみたい。

やっぱりこの4人組はバランス悪いですよ。話し合いをするけどボケ役ばっかりで一人じゃ暴走を抑えきれてない。

それどころかツッコミ役のセイラも3人の空気に流されておかしくなってます。ボケ役しかいない狂気の空間ですよ。

最終的に、マスコットキャラのチビちゃんをリーダーにしようという結論に至るのですが、マオに却下されました。そりゃそうだ。

仕方ないのでリーダー体験。それぞれが順番にリーダーをやってみます。

紆余曲折ありましたが、結局4人がそれぞれ得意なことでリーダーを務めることになって一件落着。

考察要素:マオはどこから来た?

最後に考察要素が出てきました。マオが、魔王対ユーシャの最終決戦を回想するのですが1話冒頭で描かれていた戦いとは違うみたいです。

戦うまでの流れからして全く違うので、このマオは1話冒頭のアレとは別の世界線から来たのかもしれないと思わされます。

マオは、このままでは魔王になっても歴史が再び繰り返されると言いますが、勝つまでずっとループしているのかも。負けたら幼女の姿で過去に戻されやり直し。ループものでよくあるやつなのかもしれません。

もしかするとユーシャの魔法が原因で戻されたわけではない可能性も。

また「しょうもないミスで我らの時間は巻き戻ってしまった…」いうマオ発言がありますが我「ら」って誰なんでしょう。複数系。

そういえば今回はユーシャパーティも魔王と一緒に謎の渦に飲み込まれていたけど、どこに行ったんでしょうね。一緒に過去に戻ったのならもう一組ユーシャパーティがいるはず。

さらに過去に戻ったのが魔王だけだとしても同じ時間軸にもうひとりマオ(魔王)がいるということになります。2人の魔王でユーシャパーティと戦うのか?

マオ以外の魔王がいないのなら、過去ではなく別世界に飛ばされたってことになりますよね。分からないことが多いです。

2話まとめ

今回は1話みたいに眠くなりませんでした。結構面白い。前回よりギャグが笑えるし、時間遡行の謎も気になりますねぇ。

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