TVアニメ「荒野のコトブキ飛行隊」5話まで見た感想と不満な点

『ガルパン』水島努監督の新作アニメ『荒野のコトブキ飛行隊』を見てみました。西部劇風の世界で、大戦時の日本国製戦闘機に乗った美少女たちが戦うアニメみたいです。

スポンサーリンク

3DCGアニメに思うこと

このアニメを見て真っ先に驚いたことがあります。なんとキャラクターが3DCGなんです。ええっ!そういうアニメだったのかよこれ!と意表を突かれました。

戦闘機がCGならまだ分かるけどキャラまで3Dモデルとは。しかもおっさんたちは普通に手描きだったのに女の子はCG。混在させてるのは意外でした。

おっさんは手描きで、女の子はCGなのにはしっかり理由があると思います。手描きと3Dモデルを作る手間を比較して使い分けてるのではないでしょうか。

出番が少ないキャラや一回きりのモブなら作画したほうが楽、何話も登場するキャラはモデルを作って動かしたほうが楽ってことなのかも。

冒頭の噛ませっぽいおっさん方(手描き)はもう出ないんだろうなと思っていたら案の定しんでしまいました。可哀想に…。

違和感

それにしても、いくら手描き風、線画風の3Dモデルと言ってもやっぱりなにか違和感がありますよね。本当の手描きとは根本的に違う。

でもこれから確実に増えていくんでしょうねCGアニメは。今期(2019年冬アニメ)を見ても結構あります。

『けものフレンズ2』や『ケムリクサ』『revisions』『バンドリ!(2期)』など。また、純粋なアニメとは違う気はするけど『バーチャルさんはみている』や『Dimensionハイスクール』もCGです。

このような現状を見る限り、やはり手描きアニメ終わりかかっている気がします。少なくとも過渡期に入ってる感じ。

従来の手描きアニメーションを作るのには膨大な資金と時間と人手が必要ですが、3DCGならばリソースを節約できます。お手軽に作ろうと思ったらそっちに行っちゃいますよね。

また、日本のアニメ制作現場は過酷な労働環境なので多くが辞めていくそうです。業界に入ろうとする人も減っているらしい。

アニメに関わりたい人でもアニメーターではなく声優を目指す人が多いとか。後継者不足になれば今までと同じような本数は作り続けられません。

その一方、3DCGアニメなら個人でもある程度勉強すれば作れる状況になっています。さらにバーチャルYouTuberを見れば分かるように、人間の動きに3Dモデルをシンクロさせるモーションキャプチャの技術も進歩しています。

手描きアニメがだんだん3DCGアニメ取って代わられるのは自然な流れなのでしょう。手描きには手描きならではの味があるので、無くなってしまうのはかなり寂しいですけどね。

ゲームを眺める感覚

ふっるいプロペラ機同士で機関銃を撃ち合う空戦をやるのですが、これも全部CGなので他人がやってるゲームをひたすら見せつけられてる感じでちっとも乗れません。絵面も地味なんですよねなんか。

ここでもアニメってなんだろうって考えさせられます。ゲーム的な世界観&映像もCGばかりでゲーム画面そのもの。それならはじめからゲームでいいじゃんと。

押井守監督が何かのインタビューで「僕ならロードショーに3回行くんだったらゲームを買う」と発言していたのが頭をよぎりました。

3DCG化してしまうことでアニメが劣化版ゲームになりやしないでしょうか?ストーリーが一本道で視聴者(プレイヤー)が介入できないゲーム。映像が手描きだったら差別化できるのですが、3DCGにしてしまうとアニメがゲームに勝っている点がなくなっちゃうかも。

アニメでしかできないことってなんでしょうね。

2話の時点で不満がいっぱい

本題に戻ります。『荒野のコトブキ飛行隊』ですが、2話まで見た時点でかなりモヤモヤした気分にさせられました。なんじゃこれ。不満は映像面だけではありません。

なぜ女の子が戦うのか、誰と戦ってるのか、世界観が良く分かりません。美少女とミリタリーという人気の組み合わせをやりたいというのが先にあって、それに合わせて設定をテキトーにあと付けしてる感じがします。

なんか衰退した感じの世界だけど食料や物資はたっぷりあるみたいなのが不思議。

それになんで女の子たちがボロ飛行機に乗って殺し合いをしているのか謎。しかも国産機ばっか。なぜそうなっているのか不明。全く説明をしないスタイルで、キャラがひたすら意味深なセリフを言うだけです。

ゲーム感覚でコロシアイ

そもそもなんでコトブキ飛行隊の女の子たちはゲーム感覚で戦えるのか分からないんですよね。この子たちには死の恐怖が無いのでしょうか。人を殺めることに対してなんの感傷もなさそうだし、いっぱいころしたぜすごいだろー的な軽いノリ。

敵は凶暴モンスターとか極悪宇宙人とかじゃなくて人間ですよね。戦わなきゃいけない事情があるとしても、殺した相手に対して少しでも思うことがなきゃおかしいです。

それ以前に自分の命を危険に晒しているという緊張感が一切ない。撃たれたら自分も死ぬかもしれないのに変です。生命や死という概念をはじめから持ち合わせていない、何か大切なものが欠落した人間を見ているようで怖いですよ。

キャラの不自然なCGがその印象を強めています(正直CGアニメの中でも出来が悪い方の気が…)。姿形は人間の少女に似ているけど、実は殺人マシンとして生み出された人造人間 or 改造人間ですって言われたほうが納得できます。無駄に好戦的だし。

3話感想:雷電って強いの?

3話のタイトルは「ラハマの長い日」。エリート興行なる胡散臭い連中が、ラハマという町に保管されている戦闘機・雷電を奪いに来る話です。

エリート興行とかいう連中は戦闘機1機奪うために損害をいっぱい出すバカに見えました。彼らの意図が良く分かりません。

保有機を何機も失ってまで手に入れる価値があるんでしょうかね雷電って。自分はミリオタでは無いので性能とか一切分からんのですが、さぞ強力な戦闘機なんでしょうね。でないとしたらエリート興行はただの愚か者だと思います。

いや、それ以前に世界観が説明されていないため、どういうふうに見ればいいのか判断がつかないアニメなんですよね。もしかすると戦闘以外にも使いみちがあるのかもしれません。

前提条件が分からないのでそれぞれの行動の是非を判断しようがないのです。あたまが混乱してきます。

治安いいの?

雷電が置いてあるラハマには自警団があるものの、有名無実化しているらしいです。長い間、自分たちで町を守ってこなかったようですが、エリート興行が来るまでは誰も襲ってこなかったってことなのでしょうか?

意外に治安がいいのかこの世界?それなのに用心棒という職業が成り立つ?意味が分からないです。ここでも世界観が謎。

雷電を引き渡すか、戦うかなかなか決められない町長。町民たちと話し合いをしてもやっぱり決まらない。なんか既視感あります。『シン・ゴジラ』でもこんな下りがあったような。

3話のサブタイトルが「ラハマの長い日」なので、むしろ『日本のいちばん長い日』のオマージュなのかな。

思考がもう…

それにしてもコトブキ飛行隊の子はすごく好戦的だなぁと思いました。知恵を使ってうまいこと話を収めようとは考えず、とにかく敵は武力でやっつけろ。完全にゴロツキですよ、一切知性を感じさせません。

金髪の子は「舐められたら負け」というヤンキー的な理屈で戦うべきと主張しますが、冷静に考えると、コトブキ飛行隊6機+自警団11機(練度低い)で敵の40機と戦うというのは無茶じゃないの、流石に…。

それ以前に不利な状況で戦う以上、下手すれば自分も死ぬという所に考えが及んでないようで怖いです。いや、むしろコトブキの女の子たちは、自分たちは絶対死なないという根拠のない自信を持ってるように見えます。クレイジーな奴らだ…。やっぱり普通の人間じゃないのかも。

結局金髪に扇動された町民たちはヤル気満々になり戦うことが決定。町長も雷電に乗ってコトブキを助けに行きますが、そのせいで機体を取られちゃいました。

負けはしたものの、町が戦う意志を示したから当分は襲ってこないだろうと、いい話みたいになって終了。そんなもんですかね。

4話感想:結局空戦か

サブタイトルは「エリート砦」。エリート興行に奪われた雷電を取り返しに行く話です。コトブキの1人が踊り子に化けてアジトに潜入。

なんか話があるようで無いですよこのアニメ。内容がすごく薄い。作品を通しての目的らしきものが見えてきません。ほぼ一話完結。日常系なんでしょうかねこれ。

空戦と音に力を入れているのは分かりますが、他はゆるーく作ってるという印象を受けました。

ミリオタ(レシプロ機好き)以外の人が見て楽しめるのか微妙。見る人が見れば楽しいであろう空戦シーンも、そっちのジャンルに興味が無い自分のようなのにとっては、なんかやってるなぁっていう感想しか持てないです。

そもそもどれに誰が乗って戦ってるのかよく分からんし、絵面も地味だし。

今回は頭を使って雷電を取り返すのかと思いきや、結局一人が潜入して乗って逃げるだけ。残りのコトブキ隊員はいつもどおり戦闘機でカチコミ。やっぱりそうなのね。

そもそも空戦を見せるアニメだから、忍び込んで停めてある敵の飛行機に爆弾仕掛けて壊しましょう、とか細工して飛べないようにしておきましょうという流れにはできないのでしょうね。

潜入した子の服装がえちえちだったという印象しか残らない回でした。いつもと服が違うせいか3Dモデルではなく手描きだったのは良かったです。しかしキャラの名前は未だ覚えられず。性格やバックグラウンドもよくわからないまま4話も終了です。

5話感想:キャラ説明ない

この世界には海がないらしい。相変わらず世界観がよくわかりませんね。そのうち説明してくれるのでしょうか。

サブタイトルは「華麗なるアレシマ」。大都会アレシマを訪れたコトブキ飛行隊は、金持ちで手品好きの変なおっさんに出会います。この人と怖いオバサンとの対談を護衛する話です。

5話まで見ても登場人物に一切感情移入できないのが辛いですね。そもそもどんな人物なのか全然分からないのでキャラの魅力も何もあったもんじゃないです。

コトブキ飛行隊には6人もいるのに誰一人掘り下げしません。各キャラの印象に残るシーンが無いので誰がいたのかさえ分からなくなりそうです。メインキャラのはずなのにみんな印象が薄い。ヤバいアニメの臭いがします。

もうこれアニメ作品として破綻寸前だと思うのですが大丈夫なんですかね。空戦映像集ではなくアニメなのだから、キャラも立てていかなきゃマズいでしょ。空戦をやりたいだけで他はどうでも良さそうな雰囲気が伝わってきて心配になるのですが。

それとも、スマホゲームの宣伝アニメらしいので、何か厳しい制約があって好きに作れないということなんですかね?キャラを掘り下げるとマズい?ゲームの設定と齟齬が生じないよう世界観とキャラに焦点をあてず、あえてぼかしてる?

誰の機体?

今回の空戦シーンはまあ退屈ではなかったですけど、相変わらずどれに誰が乗ってるのか分かりにくかったです。カットのつなげ方が不親切なんじゃないかなと。

カットが切り替わって、次に映ったのが誰の機体かよくわからないまま戦闘が進行してしまうので、置いてけぼりにされたような気分になります。

公式サイトの戦闘機紹介を見てみましたが、コトブキ側は一応機体の塗り分けがあるようです。でも細かすぎて見分けがつきにくい。機種も全員同じですし。ひと目で分かるようにしてくれたら見やすかったのになぁと思います。

このアニメは空戦シーンに限らず全体的に説明不足。消化不良のまま話数だけが進んでいくので頭が混乱してきました。

2018年夏の(クソ)アニメ『百錬の覇王と聖約の戦乙女』は、極端なまでの説明不足と支離滅裂な展開で話題になりましたが、『コトブキ飛行隊』もそれを笑えないレベルの意味不明さです。

ここから持ち直してくれるのでしょうか。最後まで見届けたいです。