『ジョーカー』の元ネタと言われる映画『タクシードライバー』感想

※ネタバレ注意

映画『ジョーカー』に影響を与えたと言われる映画『タクシードライバー』を鑑賞。マーティン・スコセッシ監督の1976年公開作品。

確かにちょくちょくオマージュされてると思えるシーンがありました。でも類似点は思っていたほど多くはなかったです。

それでも舞台となる街の雰囲気やテーマ性は似てると思いました。

社会から疎外されていると感じている男が凶行に及ぶところとか、銃を手に入れたことがきっかけになって人生が変わるとか。

あと主人公がノートに日記をつけてるところとか、手で鉄砲の真似をして、頭に向けてバーンってやる所は『ジョーカー』でそのままオマージュされてましたね。

映画で描かれている内容が実は主人公の妄想だったかもしれないという所も似てる。

主人公トラヴィスを演じているのは、『ジョーカー』でマレー役だったロバート・デ・ニーロ。

ただ『タクシードライバー』の頃のデ・ニーロはとても若くて見た目だけでは同一人物だと分からなかった。すごくイケメン。公開が1976年だから43年も経ってる。そりゃおじいさんにもなるわな。

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救いがある

ただ『ジョーカー』に比べると大分救いのある話でした(主人公の妄想かもしれないけども)。アメリカン・ニューシネマだというから警官に撃たれて死ぬ結末だと思ってましたよ。

戦争が原因で不眠症を患い、退役後はタクシードライバーで日銭を稼ぐ主人公トラヴィス。希望を持てない生活を送っています。

でもお金はそこそこ稼げてるみたいだし、ちょっと感性がずれてるけど差別されることもなく、他のドライバーともそれなりの関係を築けている。『ジョーカー』のアーサーみたいにどん底で後がない状況ではない。

ただしトラヴィス本人にとっては地獄の生活なのでしょう。タクシードライバーをずっと続け、それだけで人生が終わっていいのか。

戦争で大変な思いをしたのに社会から見捨てられている。街はゴミのような人間で溢れかえっている。不眠で苦しい。女には振られる。

さらにトラヴィスは学がなく、政治などの話が理解できない人物として描かれている。たとえ不眠症が治ったとしても高度な仕事に就くのは困難なことが示唆されています。

トラヴィスは絶望感から、腐った世の中に一矢報いてやろう、自分の存在を世の中に見せつけてやろうと大統領候補暗殺を計画。銃をいくつも購入し体も鍛え着実に準備を進めるのですが、決行当日シークレットサービスに目をつけられてしまい逃走。

引っ込みがつかないトラヴィスはターゲットを街のゴロツキに変更し凶行に及びます。その結果、英雄みたいな扱いを受けることになってしまうという不思議な終わり方。人生どうなるかわからないねという印象。

何人も射殺しておきながらお咎めなしで英雄扱いという結末はあまりにも都合が良すぎるので、妄想なのか事実なのか議論の対象になっているらしいです。

見せ方の違い

『タクシードライバー』は主人公の深刻な状況を描きつつも、そこまで深刻に見えないように作っているのが面白いと思いました。トラヴィスは追い詰められて精神的にヤバいのだけど、妙なおかしみがある。

ちょっと変なやつなんですよね。感覚がズレてる。例えばデートで女性をポルノ映画に連れて行ったりとか、襲撃前にわざわざ頭をモヒカン刈りにしてみたりとか。

そういう主人公の滑稽さや可愛らしさのおかげで暗い気持ちにならずに見られるのがいい。

あと、夜タクシーが街を走る映像がとてもきれい。うっとりする。主人公には汚い街と言われていますが、落ち着いた雰囲気のBGMと相まってとてもおしゃれに見える不思議。そういう意図で作ってるわけじゃないかもしれないですけどね。

全編を通し雰囲気がとても良い映画でした。

『ジョーカー』みたいな衝撃や強烈さがある映画ではなかったです。その分陰鬱さや重苦しさも少なめなので身構えずリラックスして見られるのが良い。

鬱屈した主人公が凶行に及ぶ過程を描いても、見せ方によって全然ちがう印象を与えられるんだなと思いました。

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