『ゆるキャン△』実写化の衝撃、二次元キャラを三次元で演じる問題点

『ゆるキャン△』が実写化されTVドラマになるらしい。

最初見たときは誰かの悪い冗談だと思いましたよ。でもネタじゃなく本当にやるみたいですね。おいおい……実写化の魔の手がきらら系日常作品まで伸びたか。

まぁ、きらら系作品では『がっこうぐらし!』実写映画化という前例はあった。ただあれは日常系に偽装したゾンビものだからまだ実写化の意味が分からんでもなかった。


自分は実写版『がっこうぐらし!』を見ていないし見たいとは思わないけど、そこまで評判は悪くなかった気がする。

一方『ゆるキャン』を実写化して原作漫画やアニメのファンが喜ぶんでしょうかねぇ?

二次元絵だからこそ表現できる世界っていうのがある。そういうものを実写化しようとすると、どこかに無理が生じておかしなことになる気がするんだよなぁ。

スポンサーリンク

漫画実写化の問題点

デフォルメ度の高い二次元キャラを実写化して起こりうる問題の一つ目は、コスプレ学芸会になってしまうこと。

三次元の俳優が奇抜な髪色髪型になり、現実では誰も着ていないような服を着ると珍妙な絵面にしかならない。俳優がコスプレしているようにしか見えず、視聴者が話に入り込む妨げになる。

俳優がどんなに真面目に演技してもシリアスな雰囲気にするのは困難。コスプレみたいな見た目の違和感が拭い去れず、真面目に演じれば演じるほど滑稽さが強くなって茶番になる。

また、二次元キャラは性格や喋り方も独特であることが多い。違和感の少ない見た目を実現できたとしても、キャラクター性を忠実に再現しようとするとやっぱりおかしなことになってしまう。

二次元で魅力的だったキャラクターも、三次元で生身の人間が演じると変な喋り方をする頭のおかしい人物にしか見えなくなる。

別物化するリスク

実写化で起こりうる問題の二つ目は、漫画のタイトルを借りただけのほぼ別物になってしまうということ。

前述の通り原作の髪色髪型や服装を再現しようとすると画面にリアルさが無くなり、まるでコスプレ学芸会のようなバカバカしい見た目になってしまう。そうなるとギャグ作品以外は作りにくい。

それなら見た目の再現はやめようと考える監督もいる。加えてリアルに寄せるため性格のデフォルメも排除。二次元だから許される突拍子もない性格のキャラは改変、現実にいそうな人物に変えてしまう。

カラフルな髪色だったキャラクターたちは黒髪かせいぜい茶髪くらいになり、映像的には視聴に耐えうるものになる。

でもそれはもはや原作の映像化とは言えない状態ですよ。原作ではなく原案と言ったほうが良いレベルまで原作要素が薄まってしまう。

二次元の目が大きかったりするあの見た目のキャラだからこそ成り立つ世界観というものがある。

特にきらら系日常作品は、二次元ならではの外見とキャラクター性によって人気を得ている部分があると思う。そのような作品の価値のコアな部分を残しながら実写化するというのは至難の業。

例えば『ご注文はうさぎですか?』を実写でやったらどう考えても茶番にしかならないでしょう。既に『ごちうさ』のコスプレパロAVは存在していて、衣装やセリフの再現度は高かったけど酷い茶番だった。

でも『ゆるキャン△』の実写化がなにかの間違いで成功してしまった場合、芳文社は他の日常系作品の実写化を初めそうで怖い。

『ごちうさ』を実写化するならジョジョ実写版みたいに海外ロケか?はるばるコルマールまで行ってコスプレ集団が演技するのかね。考えるだけで恐ろしいわ。

二次元を三次元にする時には、見た目の違和感を覚悟の上でコスプレ学芸会にするか、原作の良さが大幅に失われるがリアル寄りに改変するかという難しい選択をしなければならない。これ、実写化する監督も大変ですねぇ。

『ゆるキャン△』の場合どうなるか?

さて、『ゆるキャン△』が実写化されたらどうなるか考えてみる。キャストは既に発表されている。

しまりん役は福原遥さん。この人だけ名前を聞いたことがある。かつてNHKの子供向け料理番組に出演していて「まいんちゃん」として有名になった人ですね。

ネット上でも人気だったような気がする。オタク界隈に媚びた人選なのかね?

他のキャストはよく知らない人ですわ。ドラマとか見ないし女優のことは全然知識がない。調べてみるとモデルの人が多いみたいね。

で、このキャストで実写化するとして気になるのは髪色をどうするかという点。『ゆるキャン△』の場合、非現実的な服装は出てこないからそこは問題ない。問題は髪の色。

福原遥が髪を青く染めるor青髪のカツラを被ってしまりん役をやるのかという問題。想像するだけでヤバい絵面になること請け合い。

しかもなでしこなんてピンク髪だぞ、コスプレ学芸会不可避ですねこれは。

反対に考えるとこの2人の髪色をどうにかすれば残り3人はまだなんとかなりそう。金髪系と黒系だからね。

全員の髪色を自然にするにはしまりんを黒髪、なでしこを明るい茶髪にするとかかな…。

ただのキャンプドラマに?

原作再現を諦めてリアル志向でやるとそれは『ゆるキャン△』の実写化では無くなってしまうおそれがある。

女の子がただキャンプするだけのドラマになって、普通に見れるけど釈然としない感じになりかねない。個人的にはコスプレ学芸会になるよりもそっちを警戒している。『ゆるキャン△』じゃなくていいじゃんってなりそう。

映像の作り手にとっては原作再現するより、ただのキャンプドラマにしたほうが楽だろうしなぁ。

誰が得をするのか?

「漫画を実写化するなんて誰得だよ!」とよく言われるけど、多分出版社とか出資者にとっては得なんでしょうね。決して原作ファンを喜ばせるために作っているわけではない。

駄作になろうが原作レ○プをしようが儲かればよかろうなのだ。

人気の漫画作品は知名度があるからオリジナルの完全新作よりも見てもらいやすい。さらにメディアに露出したり話題になることで、今まで原作を知らなかった人に対する宣伝になる。

加えて原作者には安い原作使用料(成果に応じた報酬ではなく定額)を支払うだけでいいのでコスト面で有利。

実写版そのものでお金が稼げるだけじゃなく、原作の広告にもなって一石二鳥。いやー美味しい商売ですねぇ。創作という観点からは大いに疑問のある行為ですが、商業的には極めて正しい。効果絶大です。

そのせいでこれまで何十本もの実写版クソ映画、クソドラマが乱造されたのは嘆かわしいことだけど、資本主義的には何も間違っていないという…。でも個人的にはそれでいいのかと思ってしまう。

おわりに

『ゆるキャン△』実写化の話が飛び込んできて驚愕したけど、まぁきらら系の中では比較的実写化しやすい感じはしますね。

ファンタジー要素がないし、舞台は現代日本。ロケ地も実在するキャンプ場。アウトドアネタは映像映えする。髪色の問題さえクリアすればそこそこ見れるものになる可能性も。

放送が開始されたらケチを付けるために一回くらいは見てみたいと思います。良いカモですね。こんな記事書いて半分宣伝みたいなことをしている時点で、彼らの目論見に乗せられている。

所詮オタクも金儲けのダシに使われてるだけだと思うと情けなくって涙が出てきます。消費者でいる限りこの構造からは逃れられないのではないかと考える今日このごろでした。