ついに『ご注文はうさぎですか?』のアニメ3期(BLOOM)が始まった。この機会に今までアニメ版に対して思っていたことを書こうと思う。
自分は決して『ごちうさ』アンチではないが、アニメ版に関しては手放しで評価できないと思っている。
3期はまだ見ていないが、これまでのアニメ版には見ていて気になる点が多かった。文句を言いたい部分がいくつかある。
ただ、不満な点が多いにも関わらず見ていて楽しいのは事実だ。何度も見返してしまう不思議さがある。円盤まで買ってしまった。
以下、『ごちうさ』アニメが好きだけど全肯定は出来ないファンが2期までの不満な点について書く。
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キャラデザの問題
個人的にロリっぽいキャラデザはあんまり好きじゃないんだよなぁ。アニメ版のキャラは幼く見える。顔も体格も子供っぽい。
『ごちうさ』1期放送前、どんな作品か知らなかった頃、アニメのキービジュアルを見て「うわー、これはロリ系アニメに違いないわー」と思った。
ロリは好みじゃない。ストライクゾーン外。もう少し大人っぽい外見の方が好きだから、このアニメを見て好きになれるのかなと不安になった。
だけどネット上の前評判は良かった。きららの本命みたいなことが言われていた。
当時から日常系アニメが好きで、『キルミーベイベー』→『ゆゆ式』→『きんいろモザイク』→『のんのんびより』という流れで見ていた。(俗に難民アニメと言われる作品群)
『ごちうさ』はその流れで見ることにしたのだけど、実際に見てみると全然ロリを前面に押し出した内容ではなく安心した。(チマメ隊はロリコン狙いのような気がしたけども。)
ロリというより可愛らしさがウリの作品のようだった。可愛らしさを表現するために幼い感じの顔にしてるのかもしれない。
それにしても成人キャラでさえ幼い感じの顔なんだよな。青山さんとかね。体格は大人でも顔のパーツが下に寄ってて目と口が近いから幼く見える。
『ごちうさ』のキャラは可愛いけどエロくはないと思う。個人的にはシコいキャラがいないんだよなぁ。
露骨なお色気シーンは不要だけど、美少女アニメを見る以上キャラの外見にちょっとエロスが感じられたほうが嬉しい。だけど、『ごちうさ』にはそういうのがなかった。ある意味健全とも言える。
個人的には、もう少し大人っぽい顔で、背がもう少し高くて脚とかがエロかったら嬉しいんだけどなぁ…。『ごちうさ』では抜けない。可愛いけど抜けない。
日常系アニメで言うと『ゆゆ式』は滅茶苦茶シコいね。フェチも感じられるし。
ただ、ネットを見ると『ごちうさ』キャラに性的魅力を感じている人は結構いるらしい。「赤ちゃん部屋」とか「ドクドク」とか……。
あと、原作絵にはあまりロリっぽさを感じないのだよね。アニメの絵になると幼さが目立つ感じ。原作とアニメでそんなに大きくデザインを変えてるわけじゃないと思うのだけど、なぜだろうか。
目が若干大きいからか?あと塗りの関係?
演出がオーバー問題
なんか、バラエティ番組みたいな安い演出がちょっと微妙。例えばキラリーンとかパヒューンとかいう効果音を入れるとチープな感じにならないか?
背景はこだわって上品な感じにしてるのに演出が合ってないと思う。
あと、声優のオーバー気味な演技も気になる。特にココアとリゼ。声優さんが下手なわけではなく演技指導の問題だと思う。他作品では違和感を感じないから。
ギャグ寄りの作品じゃないんだからドタバタにしなくていい。もっと落ち着いた演出、演技のほうが好き。無理矢理盛り上げようとしてるみたいで、ギャグシーンが少々寒く感じてしまう。
1期の最終回まで見てから原作を読んだのだけど、原作はもっと上品な感じだったよ。ギャグの演出も大人し目。正直、原作のほうが作品としての完成度は高いと思った。
作画の問題
1期は作画崩壊までは行かないけど、ぱっとしない絵が多かった。あんまり上手じゃない、ちょっと歪んだ感じの絵が所々に入る。
また、微妙に違和感のある動きをしたりと、アニメーションとしてもそこまでクオリティは高くない。なんというか少々低予算感がある。
近い時期に放送された他の日常系アニメ(『のんのんびより』等)と比べると映像面で見劣りしてしまう。
紙芝居みたいな本当に酷い低予算アニメに比べればマシだけど、あまりお金を掛けていない印象だった。当時はそんなにヒットすると思われてなかったのかね。
人気が出てから作られた2期は、予算が増えたのか作画クオリティが向上。不満なく見られた。キャラデザは相変わらず幼い感じだったけれども。
ところで、1期の第4話だけ絵柄が全然違っていた。
ネットには批判もあったけど、自分はあの絵柄大好き。原作絵に似てるわけではないが、雰囲気というかキラキラしてる感じは共通していると思った。
潤いや瑞々しさを感じる絵。髪の描写も独特で美しかったな。
普段の絵柄はシンプルで良いものの、あまり華がないようにも思う。あくまで個人的な好き嫌いだけどね。
できれば他の話数も1期4話の絵柄でやってほしかったかな……。
今思えばなんであの回だけ絵柄が違ったのか謎。昔のアニメならいざしらず、今どきはアニメーターの個性を抑えてキャラデザ通りに描くのが一般的なのにな。
元のキャラデザから乖離した絵柄でそのまま放送したというのは珍しい。監督が許可したのかな。
もっとやってくれと思う。その話数内で絵柄が統一されていれば、回ごとに絵が変わっても気にならないし、見る方も面白いと思うんだけどな。
毎回絵柄が同じじゃないと叩かれる風潮は良くないと思う。
追記:一人原画回
ちょっと調べてみたけど、4話の絵柄が違うのは一人原画回だからみたい。普通は複数人で手分けして描いている原画をこの回は全部一人で描いている。(エンドクレジットの大島縁さんと大島緑さんは同一人物らしいよ。洒落でやってるとか。)
複数人で原画を描く場合は絵柄を統一するためにキャラデザを参照する必要があるけど、一人で全部描くのでその必要がない(必然的に作画監督=原画になる)。その結果、アニメーターの個性が出た絵柄になるということみたい。
また、絵が上手くて手が早い人にやってもらうので、多少絵柄が違っても監督に許容されるというのもありそう。
一人原画には、上手い人が一人で描くことで浮いた人員を他の話数に回せるというメリットがあるらしい。
本当かどうか分からないけど、ネットには予算不足、人手不足を解消するための苦肉の策だとも書かれていた。予算の関係で十分な人数のスタッフを雇えないので1話分まるごと上手い人に投げる。そうすれば少ない人数でもやりくりできるとか。
やっぱり1期は低予算だったのかなぁ……。
あと、『ごちうさ』の一人原画回は質が高かったけど、作品によっては所々絵が荒くなったりすることがある。よく動いて面白いけど、あからさまにラフな絵が入ったり癖のある映像になりがち。
上手い人がやるとは言っても全部一人で描く以上、一枚一枚に時間を掛けられないから一部手抜きっぽくなるんだろうな。大事なシーンはしっかり描き込むけど、優先度の低い場面はラフで情報量の少ない絵にすると。
『ヤマノススメ サードシーズン』は一人原画回が多かったから興味のある人は見てみるといいと思う。各アニメーターの癖が凄く出ていて見る人によって好き嫌いが分かれると思うよ。個人的には雑な感じがしてなんか嫌だった。
良くも悪くも分業すると癖がなく見やすい映像になるよね。個性がなくてつまらないとも言えるけど。
『ごちうさ』4話の人は『アズールレーン』4話でも一人原画をしていたらしい。今度その回だけ見てみようと思う。
おわりに
『ごちうさ』アニメの大きな不満は以上の3点。
原作と比較して「ここの改変は気に入らん」みたいなことは他の人がやってるのでしない。
文句はあるけど面白いのが『ごちうさ』。3期も早く見たい。今回はアニメ制作会社が変わっているらしいから、どんな変化があるのか楽しみ。
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