2021年冬のなろうアニメ『回復術士のやり直し』第11話視聴完了。
今回は期待外れでした。
まず肝心のブレイドへの復讐パートが地味。「主人公はそんな復讐で満足なのか」と疑問に思ってしまいましたよ。
さらに、次が最終回だというのに、重要性の低そうな日常パートや合体シーンに尺を使い、本筋が全然進みませんでした。
前から思っていたけど尺の使い方がおかしくないですかこのアニメ?どうでもいい日常シーンは長々と描写する割に、戦闘シーンや肝心の復讐シーンはサラッと流しておしまい。
何を思ってこういう構成にしてるんでしょうね?当初期待していたリョナや暴力描写も鳴りを潜めてますし、この作品の売りが分からない。
復讐はオマケで、日常パートがメインの作品なのでしょうか?
第11話「回復術士は、ノルンの蛮行に心を痛める!」感想
本編を冒頭から見ていきます。ブレイドへの復讐シーンの続きです。
ケヤルガは男の姿に戻らずケアーラのままでした。声も日笠さんのまま。
前回ラストで男声に戻っていたのは単なる演出だったのね……。男の姿に戻って犯すもんだと思ってましたよ。
まあ、二週目のブレイドにとってケヤルはよく知らない人ですし、正体を明かして「ケヤルくんだよぉ~」ってやっても意味はないのでしょうね。
謎の竿役ふたたび
復讐方法も、しょうもない…。自分では手を出さずモブ男にブレイドを襲わせます。近衛騎士隊長レナードにやった方法のアレンジといった感じ。
カーテンを開けると謎の竿役が準備されていました。目が真っ赤でよだれを垂らしている男たちです。ゾンビなのか狂戦士なのか知らんけど、どこから連れてきたのよそれ?
三体もいたけどいつの間に準備したんでしょうね?もしかしてこの前のチンピラをヒールで改造したのかな?
ケアーラによればこれはゲームなんですって。
男たちはポーションで飢餓感を高められており、人間でも食べてしまう。しかし性欲も同時に高められているので、性欲が食欲を上回っている間は食べられずに済む。
ブレイドが男たちを性的に満足させ、朝まで食べられずに済んだらゲームクリアということらしいです。この前の牛男への仕打ちはこれの伏線だったのかな?
なんか回りくどい復讐ですね…。ケヤルガにとって復讐は性的な感じじゃないとダメなの?
もっとシンプルにブレイドを縛って吊るし、棒でボコボコに殴るほうが良かったです。やられたことをやりかえすという意味合いもありますし。
傷だらけになった所で刺激性の液体をかけて苦しませるとか、色々やりようはあったのに、モブに襲わせるだけってどうなのよ…。主人公的にはこんな復讐で満足なの?せめてフレアの時みたいに指の一本でも折っておけばいいのにと思ってしまいました。
ボコったり拷問したりするわけでもなくあっさり復讐シーンは終了。ケアーラは「なかなか楽しい見せ物だったよ」と言ってるけどさぁ…視聴者のこっちとしては全然楽しくなかったんだよなぁ。
これ、規制解除されていたとしても見て楽しい内容ではないやろ…。食人とか誰が見たいんだよ!
話が進まない…
日常パートに戻り、前回盛大に死亡フラグを立てた商人カルマンが登場。ケヤルガのポーションのおかげで儲かっていると感謝の言葉を述べます。
そこへ三英雄の一人、鷹眼トリストが登場。
こいつは、前回ケヤルガが遠くから覗いていたことに気づいていたらしく、探りを入れてきます。うまく言い訳をしてやり過ごせたものの、やはり鷹眼は強キャラのようですね。
宿に戻ったケヤルガは、ブレイドから奪った宝玉と契約して自分用の神装武具を作り出しました。OP映像の最後で腕に付けていたやつですね。ゲオルギウスというらしい。
オリジナル武器を手に入れ上機嫌になったケヤルガはハーレム要員と合体。そんなこんなで特に何も起こらないまま尺が消費されていきます。
どうなってるのこのアニメ?あと1話しかないんですよ!ノルンと戦う尺が残ってるんですかね?
さっきも使い回しの映像で長々と武具の説明をしていましたし、今回は水増し感が強い。それにしても、あまり尺が残っていないのに尺稼ぎをするというのは謎です。
最終回をキリの良いところで終わらせるため時間調整してるんですかね?それなら全11話にして、もう少し全体のテンポを良くしてほしかったです。
ノルン動く
11話も終盤になり、やっとノルンが行動に出ました。住民の前で挑発的な演説を行い、マッチポンプで虐殺を開始します。
前も思ったのですが、ブラニッカの街を守る兵士はいないんでしょうかね?そもそも誰の領地なのでしょう?王国に見捨てられたという情報はありましたが、魔王の支配地域にもなっていないってことなの?どこにも所属していない中立地帯なのでしょうか?
それにしても、ブラニッカ側の兵士が一切存在しないのは不思議です。ここまで警備が手薄だと盗賊団あたりがやってきただけで簡単に蹂躙されちゃうんじゃないかと心配になりますよ…。
死亡フラグ回収
魔族、人間を問わずグサグサと殺していく王国兵たち。その様子を高みで見物するケヤルガですが、ここで例のフラグが回収。
カルマンが兵士にバッサリと斬られてしまいます。ケヤルガが駆け寄った時にはすでに息絶えていました。
「この街でできた初めての友達なのに…いいやつだったのに…なんで死なないといけないんだ…」
と嘆くケヤルガですが、これって本心で言ってるんですよね?
金づるとかではなく、本当にカルマンを友達だと思ってたんですかね?「友達」という言葉がケヤルガの口から出たのが意外だったので疑ってしまいますよ~。
ヒロインたちは「俺の所有物」なのに、出会って間もないカルマンは「友達」なの?この主人公が他者に友情を抱けるなんて意外過ぎます。普段のゲスい言動からは信じられないですね。
カルマンの亡骸に水滴が落ち、その直後に雨が降り出す演出がありましたが、これも意味深です。ケヤルガの涙なのか、雨粒なのか分からないようにしてあります。
実は全然悲しんでおらず、復讐の口実ができたと喜んでおり、泣いていないという可能性も…。どちらにでも解釈できます。次のカットで目に溜まっている液体も雨水かもしれません。
また、少し前のシーンにも違和感があります。窓からカルマンが斬られる所を見たケヤルガは、すぐ外に飛び出したように見えるのですが、よく見ると服が変わってるんですよね。前のカットでは部屋着だったのに、しっかり装備を整えています。
映像的には一瞬で飛び出したように見えるけど、実は結構時間が経っている?カルマンの命が助かってしまったら復讐の口実に使えないので、わざと出るのを遅らせたと邪推することもできます。生きてさえいればヒールで治せてしまうんですよね。だから時間を潰して息絶えるまで待っていたのかも?
まあ、作中のケヤルガは本当にカルマンを友達だと思っていて、心から悲しんでいたのかもしれませんけどね。
一方メタな視点を持つ作者からしてみれば、カルマンは復讐の理由付けに必要だから出しただけ。特に思い入れはないような気がします。男性キャラですしあくまで舞台装置としか考えられてないんじゃないかな?
最終回に続く
ノルンに対する復讐の口実と神装武具を手に入れたケヤルガは上機嫌。スパスパと帝国兵士を斬り捨てていきます。
空に、フレア王女の巨大映像が出現した所で11話は終わりです。
次回、「回復術士は、新たなる旅に出る!」
「俺たちの戦いはこれからだ!」みたいなサブタイトルですが、まさかノルンとの決着はお預けってことはないですよね?
ラスト1話でサラッと記憶を消してハーレムに加えておしまいなのかなぁ…?強キャラ感を醸し出していた鷹眼も簡単にやっつけられちゃうの?それではあまり盛り上がらないですねぇ…。
あるいは王国軍を街から撤退させるだけで、ノルンは健在なまま終わるのかもしれません。
おわりに
予想を一切超えてこない展開でちょっと残念でしたよ。ノルンが虐殺をやるのもカルマンが死ぬのも、これまでの話を見ていた視聴者なら容易に想像できます。
それと、尺稼ぎのようなシーンが多かったのも残念でした。次が最終回なのに内容が薄い。
ただ、8話の酒場で相席した魔族と人間のオッサンが生きていたのは嬉しかったです。賞金稼ぎ襲撃の時、机に挟まれて死んだと思ってましたよ~。無事でよかった。
次で最終回ですが、この流れだと緊迫感のある展開にはなりそうにないです。淡々と終わってしまいそう。どう締めるのか見届けましょう。