「復讐」の意味が分からなくなるアニメ『回復術士のやり直し』第12話感想

2021年冬のなろうアニメ『回復術士のやり直し』最終回(12話)の感想です。

最終回なのに雑な展開でしたね。突っ込みどころが多い。

それに尺の配分も不思議な感じでした。

超速で鷹眼を始末し、ノルンを拉致監禁。姉妹丼をした後、記憶を消してハーレム要員に。その後はどうでもいいシーンで尺を稼いでおしまいです。

この内容の薄さなら全12話も要らなかったような気がします。10話か11話にまとめたほうがテンポが良く見やすかったかもしれません。

前回、第11話感想はこちら

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第12話「回復術士は、新たなる旅に出る!」感想

本編を冒頭から見ていきます。

フレイアの服装

前話ラストシーンの続きから始まりました。街の上空にフレア王女の巨大な映像が現れ、演説をしています。

これはおそらく魔術によって作り出された立体映像なのでしょう。フレア王女の格好をしたフレイアが魔法陣の上で喋っています。その様子を拡大し屋外に投影しているようです。

ここで気になったことが一つ。

7話のコロシアムの場面でもフレア王女の立体映像を出していましたが、その時フレイア本体は普段の服のままだったんですよね。なぜ今回はフレア王女の服に着替えているんでしょうね?

そっくりそのまま映すのではなく、好きな映像を出せる魔術だと思っていたのですが違ったのかな?今回使っているのは別の魔術なのか?

もしかすると、前は結界の水晶を利用していたので、投影する映像を好きなように変えられたのでしょうか?何か設定があるんですかね?アニメ本編を見ただけではよく分からなかったです。

洗脳演説?

フレアは演説で、魔族は敵ではないし、街の人間も洗脳されているわけではないと言います。すると、王国兵たちはあっさり武器を捨てました…。

えっ、そんな簡単に!?なんでそれだけで戦意喪失しちゃうのよ……。

兵士たちは本当に「この街の人間たちは邪悪な魔族によって洗脳され利用されている」と信じていたわけ?

あれって、ノルンが虐殺を正当化するために使った方便じゃなかったの?

建前だと分かった上で殺しているのだと思っていたけど、兵士たちは本当に正義の戦いだと信じてやってたんですかね?意外です。

あと、兵士という立場である以上、たとえ自分たちが正義じゃなかったとしても命令に従い攻撃を続けるものじゃないの?王国軍では敵前逃亡は死刑のようですし。

良心に目覚めた一部の兵士が離反するのなら分かるけど、一瞬で全員が戦意を失ったのは不思議で仕方ないですよ。

そもそも王国兵は、魔族に洗脳されているという理由付けさえあれば、同胞である人類を平気で虐殺できるような奴らなんですよね。

上官から「街の人間は洗脳されている」と言われただけで、丸腰の人間を躊躇なく殺せる時点でかなり非情な奴らです。良心を捨て命令に忠実に従うよう訓練されているのかもしれません。

そんな兵士たちがフレアの演説ぐらいで攻撃を止めるのはおかしいと思います。どう考えても道理に合わない場面だと思うのですが…。

整合性を取ろうと思ったら、フレアの演説に洗脳効果があると考えるしかないのでは?そう考えると7話の観客が突然暴動を起こした件にも納得できますし。

いやぁ、フレア様ってすごいですね。さすが術の勇者だ!チートすぎ…。

主人公アゲ?

フレアの演説を聞いたノルンは、「何が平等よ!魔族や亜人なんて虫けらとしか思ってないくせに!」と吐き捨てます。

それを聞いた鷹眼は「フレア様はそんなお方ではありませんでしたよ」と発言。

えっ!?どういうこと?鷹眼はフレアの善人演技にまんまと騙されていたってこと?

フレアってケヤルを薬漬けにして利用するようなクズだったじゃん。フレイアになってからはともかく、フレア時代は紛れもなく外道で差別主義者だったでしょ…。

鷹眼はなんでノルンの真っ当な意見を否定するんでしょうね?フレアとの接点が少なくて本性を見抜けなかったってこと?この人洞察力が高そうなのにね。

これってもしかして間接的な主人公アゲなのかな?なろう系作品では主人公を接待してナンボなので、主人公の所有物であるフレアも褒めなきゃいけないということなんでしょうか?

過程を省略

扉に張り付いて会話に聞き耳を立てるケヤルガ。なんと既にノルンの部屋の前まで入り込んでいました…。

ええっ!ウッソだろお前!そんな簡単に侵入しちゃっていいのかよ!

展開が急すぎるので呆気にとられました。ギャグなんですかねこれ?

あと1話でどうやってケリをつけるのかな?尺は足りるのかな?と思っていたけど、いきなり本陣に押し入ってレ○プするだけなら尺は不要ですね。

万能ヒール持ちのケヤルガは元からチートでしたが、神装武具を手に入れさらに強くなっています。確かに警備兵なんて簡単に蹴散らせるわな…。

主人公に行き過ぎたチート能力を与えると、まともなストーリーが作れませんね。どうやっても茶番にしかならない。

超スピード

この後、ケヤルガと鷹眼の一騎打ちに。結構見ごたえのある戦闘をしてくれます。

このアニメは演出のセンスがいいですね。ヌルヌル動いたりはしないけど、スピード感と迫力があっていい感じの戦闘シーンでした。

「鷹眼も結構強いじゃん」と一瞬思いましたが、チート主人公に勝てるわけがありません。
改悪のヒールであっさり粉砕され肉片になってしまいました…。

目ン玉コロコロ~。グロシーンはイラネ…。地上波版では黒塗りだったけど、規制解除されて喜ぶ人は少なそう。

鷹眼は強キャラっぽかったのに簡単に退場させられてしまいましたね。やっぱりこれもなろう系。主人公を苦戦させるキャラが出るわけないですよね。

なお、ケヤルガは神装武具のおかげで直接相手に触れなくても改悪のヒールが使えます。その上、即死でない限り死なないんですって…。

いや、そこまで強くしてしまうと話が盛り上がらないでしょ…。緊迫感のあるシーンはまず作れない。もう話は終わっているも同然。まぁ、2話でフレアに復讐した時点で終わっていたとも言えますけどね…。

護衛の始末が完了したケヤルガは丸腰のノルンに腹パン。気を失わせて拉致します。

12話が始まってから7分少々しか経っていないのですが、早々と目的を達成してしまいましたね…。ここまで超スピードで話を進めるとは予想外ですよ。

王国軍撤退

ノルンが目を覚ますと、服を脱がされた状態で拘束されていました。地下室なので助けを呼んでも無駄だそうです。

しかも、王国軍は撤退したんですって…。フレアの演説効きすぎ!

しかしこれ、敵前逃亡にならないんでしょうか?一体誰が撤退の命令を下したんですかね?本部が襲撃され鷹眼は死亡、ノルンは行方不明。現在指揮を取っているのは誰なんでしょう?

指揮権が下の人に移ったのだと思いますが、撤退を決めた責任者は後々大変そうですね。

ノコノコ撤退した上、娘のノルンが行方不明になっているので、王様は激怒するでしょう。指揮官は処刑されてしまうかも…。

お前がそれを言うのか?

この後、ケヤルガはノルンに説教をかますのですが、視聴者からするとブーメランにしか聞こえないんですよね…ギャグなのかな?

「命をなんだと思っているんだ」と言うケヤルガですが、お前もさっきまで兵士や鷹眼を無慈悲に破裂させて殺してたじゃん…。

それに、今までの話を振り返ると、美学とか言っておきながら直接危害を加えてこなかったモブ達まで殺してたよね…。説教する資格ないでしょ。

しかも、アンナさんや村人の件はケヤルガの不始末が原因であって、ノルンが先に手を出してきたわけではないですし、復讐と言いつつただの八つ当たりなのでは?

芝居がかった手振りをしながら変顔で喋っているケヤルガは、本当に異常者にしか見えないです。自分に酔っている感じがすごい。

原作ではどう書かれているのか知りませんが、アニメスタッフは明らかに異常者として演出してますよねコレ。声優さんの演技も迫真。ケヤルガのイカれっぷりが表現されていて素晴らしいです。

復讐(?)シーン

軽く首絞めプレイなどをした後、ノルンにゲームを提案するケヤルガ。目がハートになった犬フレアの攻めに耐え、朝まで果てなければ開放してくれるようです。

なにそれ、ぬるい…。ブレイドの時も思ったけど、そんな復讐でいいのか!?ケヤルガの思考回路が理解不能ですよ。

まぁ、ブレイドの時はゾンビ(?)に食い殺させていたので、まだ分からんでもないです。しかし今回は苦痛を与えることさえしません。ただの快楽責めですよ。ちょっと甘すぎませんかね?

ノルンは親友と育ての親の仇じゃなかったのかよ!こんな生ぬるい復讐でいいんですか!?もうわけがわからない…。

コイツ可愛い女には甘いですね。「性欲 > 復讐」ということなのかな?

あと、姉妹プレイ中のノルンに対しケヤルガが「本当はフレアのことが好きだったんだろ?」みたいなことを言ってますが、本当なんでしょうか?

ノルンは今までフレアのことを散々馬鹿にしていたけど、実は愛情の裏返しという設定なんですかね?ケヤルガは異常者なので、マジで言ってるのかテキトーなことを抜かしてるのか分からず、見ていて混乱しますよ……。

ちなみに今回のエロシーンは規制がキツめ。何をやっているのかよく分かりませんでした。

そんなこんなでゲームに負けたノルンは、「ケヤルガおにいさまだいしゅき~」な妹キャラ、エレンにされてしまいましたとさ。おしまい。

ところで、ヒールは記憶を消すだけでなく洗脳までできるんですかね?その辺の設定をはっきりさせてほしいです。

尺余り?

場面が変わり、久しぶりに剣聖が登場。ケヤルガはキスをした後ハーレム要員たちと5Pをします。イヴはまだ加わらず見てるだけ。

なんかこの辺りから尺余り感が強いんですよね…。砲の勇者ブレットがちょっと出たり、カルマンの墓参りをしたり、酒場で相席した二人からお礼の品を貰ったり。

それにしても、カルマンはいつの間に親友になってたんですかね?親友だという設定を聞かされているだけで、そのことを納得させてくれる描写が不足してるんですよね。

商人といえばゴルドマンの方も突然仲間になってましたし、色々描写が省略されてませんか?

ところで、ブレットはキャラが立ってますね。全話通しても短い時間しか出ていない割にインパクトが強すぎる。今回は、手配書のケヤルを見て「早く会いたいなぁ」と言いハァハァするシーンがヤバかった。声優さんの演技力が凄いです。

この後、ケヤルガがハーレム要員を一人ひとり紹介していくシーンが入ります。最終回にそれ要る?やっぱ尺余ってんじゃないの?

ケヤルガがモノローグで色々妙なことを言い、不気味な笑い声を上げ、このアニメは終わります。

ケヤルガは「正しい行いを続けている俺に、神様が頑張れと言ってくれているのだ」という狂った発言を残しましたが、後半部分はある意味真実ですね。

多くのなろう主人公に共通することですが、神様(作者)が贔屓してくれているからいい思いができる。しかし、こんな異常者に肩入れするなんてとんでもない邪神ですね。

おわりに

ストーリーは微妙だったけど、ノルンは可愛かった。

どうせリョナシーンは無いのだろうと諦めていたのですが、腹パン、ビンタ、首絞めが見れたので満足です。命乞いする所とかたまらないですね。津田ネキの演技も良かった。

犬フレアはうーん…。あれ何だったんでしょうね?媚薬か何かを使ったのかな?

本物ですよね?犬耳の亜人をヒールしてフレアの姿にしたわけじゃないよね?ゾンビ(?)の時も思ったけど、何の説明もなく謎の人物出すのやめて。

あと犬フレアの瞳がずっとハートのままなんですけど、発情演出ではなく、ヒールでそういう形にしたということなんですかね?『おちフル』のへもちゃんかな?

全話視聴後の感想

このアニメは危険です。興味本位で視聴したせいで日常生活に悪影響が及んでいます。

「復讐」の意味が分からなくなったし、「ヒール」というワードを聞いただけで吹き出してしまうようになりました。

なんて恐ろしいアニメなのでしょう。こんなものを青少年に見せてはいけません…というのは冗談ですが、正直他人におすすめできるアニメではなかったですね。

別にエロシーンがあるからダメだと言っているわけではないです。主人公の言動がブレブレなのと、内容が薄くて盛り上がりに欠けるのが問題。はっきり言って話の構造は『スマホ太郎』と大差ありません。

ハーレム要員を増やしつつ、大した目的もなくフラフラと異世界を徘徊するだけ。たまに向こうから事件がやってくるけど、チートで楽々解決。よくあるなろうです。

復讐ものだと思って見ないほうがいいですね。「復讐」という言葉に執着する異常者が、異世界でハーレムを作る話です。

あと、設定とかストーリー展開は支離滅裂ですよね。ご都合主義まみれなので整合性を期待しても無駄です。

話はメチャクチャですが、映像作品としては悪くなかったと思います。作画が崩れることはなかったですし、構図にこだわりを感じます。艶のあるいい感じの絵も多かった。

ヒロインのキャラデザは魅力的だし、声優さんたちの演技も良かったですね。

ストーリーが足を引っ張ってさえいなければ名作になっていたと思うのですが……。

 

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