【全話視聴】TVアニメ『スーパーカブ』感想:雰囲気は最高だが…

2021年春アニメ『スーパーカブ』を最終回まで見たので感想を書きます。

楽しめた点だけでなく、気になった点についても長々と書いているので作品のファンの方はご注意ください。批判意見なんて見たくないという方は、ブログトップページへ飛び、他の記事を読んでいただけると幸いです。

反対に、「まあまあ楽しく見れたけど気になる点も多かった」という方や、「未視聴で興味はあるけど妙な噂があるので心配」という方には、ぜひ読んでもらいたいです。

また、ネタバレは極力控えていますが、本編の展開について言及している部分があります。予備知識なしでアニメを見たい方は気をつけてください。

作品概要

両親がおらず、お金も、趣味も、将来の目標もなく、友達もいない女子高校生「小熊」は、坂道の自転車通学に嫌気が差し、バイク屋を訪れます。しかし、どのバイクも高価で手が出せません。

そのことを店主に伝えると、奥からホンダの原付バイク「スーパーカブ」を出してきました。人を三人死なせた呪いのバイクなので、たった1万円で売ってくれるそうです。小熊は迷わず購入します。

カブに乗り始めたことで世界が広がり、味気なかった日常が少しだけ楽しくなったという話です。お金持ちでカブ好きのオタク「礼子」や、小柄なカフェの娘「椎」との交流も描かれます。

全体的な感想

序盤はかなり期待して見ていました。第1話の完成度が非常に高く、上質な実写映画を見終えたような満足感があったからです。

しかし、最終回まで見終えた今振り返ってみると、期待していたのとは全然違う内容でした。

4話までは概ね予想通りの方向性だったのですが、5話の富士山回で違和感を覚え、その辺りから少しずつ思っていたのと違う方向へ行ってしまったという印象です。

『ゆるキャン△』のような日常系のノリを予想していたけど、実際には「ほのぼの」や「優しい世界」という雰囲気ではなかった。

むしろ、多数派に馴染めない「はぐれ者」の主人公たちが、世間に背を向け、わが道を行くという世界観でした。

ネット上に「原作はハードボイルド小説である」という感じのレビューがあり、数ヶ月前の自分はそれを読んで「何言ってんだ?意味わかんねぇ…」と思ったのですが、最終回まで見てみると確かにそんな雰囲気のある話でした。

意外と棘のある内容で、若干荒んだ世界観です。暗く殺伐とした描写もあります。

また、あくまで筆者の感想ですが、面白い回とそうでない回の落差が大きかった。起承転結に乏しく、イマイチ盛り上がらない回もありました。

初回と最終回は文句なしに最高でしたし、話題になった二人乗りの回(6話)も結構好きだったのですが、礼子が富士山で無茶をする回(5話)、雪原を走る回(10話)、冷たい川から知人を救出し前カゴに積む回(11話)は正直「うーん…」という感じでした。

とはいえ、悪い作品ではなかったです。映像や音響は素晴らしく、雰囲気がかなり良かったので、それだけでも最後まで見る価値はあったと思います。

気になった点

ここから本格的に不満点に言及するので、『スーパーカブ』ファンの方はご注意ください。引き返すなら今です。

また、原作小説や漫画版の内容は考慮せず、アニメ版の内容のみについて感想を述べていきます。

まずは見ていて引っかかった所から。

主人公の性格について

個人的に、主人公の小熊があまり好きになれませんでした。正直、何を考えているのかよく分からないキャラクターでした。

序盤はまだ可愛げがあったのですけど、中盤以降、性格が豹変したように見え、ギョッとしました。

内気で大人しい人物だと思っていたので、突然クラスメート相手にマウントを取ったり、上から目線でポエムみたいなことを語り出したのは違和感が凄かった。

小熊が買ったのは本当に呪われたカブで、悪いものが彼女に取り憑いたんじゃないかと邪推してしまうほどの変貌っぷりでしたよ。

無愛想なだけなら許容できますが、途中から妙にリアルな小物っぽさを見せ始めたのが残念でした。

小熊の性格に対し、キャラクターデザインが可愛らしすぎるのも違和感の原因かもしれません。目つきが悪く、やさぐれた感じのデザインだったら、横柄な態度を取っても違和感はなかったと思います。

ご都合主義的な展開

ところどころ強引な展開があり、見ていて気になりました。

作者のやりたい展開が先にあって、それを実現させるため、物語世界のあり方やキャラの行動が捻じ曲げられているような印象を受けました。

やりたいことはよく分かるんですけど、そこまでの持って行き方が雑で説得力に欠けると思います。

以下、具体例を挙げます。

カブが安すぎる

ネット上で散々指摘されていたことで、いまさら突っ込むのも野暮なのですが、通常は走行距離500km程度のカブを1万円で買うことはできません。話の導入部分から多少のご都合感があります。

とはいえ、小熊を哀れんだ店主が呪いのカブだと嘘をついて、破格の値段で売ってくれたと考えれば矛盾はないんですけどね。この件に関しては、擁護の余地が十分ありそうです。

修学旅行の謎

6話の内容。修学旅行の朝に発熱し、休まなければならなくなった小熊。ところが、しばらくしたら熱が下がったので、カブに乗って目的地の鎌倉へ向かうことにします。

カブでクラスメートを追いかける展開そのものは問題ないのですけど、いきなり熱が下がり元気になるのはちょっと不自然でした。

あと、遠足ではなく高校生の修学旅行なのに行き先が隣県というのも変な感じ。

カブで追いかける展開をやるためには、飛行機を使うような遠方に行かれるのはマズいですし、離島みたいに陸路で行けない場所だと困ります。そのため、お手軽に行ける鎌倉にしたんだろうなと勘ぐってしまいますよ。

さらに、カブで乗り付けたことは教師にバレていたのに、キーが没収されなかったのは不思議です。許可なくバイクでやってきたという前科があるのだから、簡単に乗れないよう対策しそうなものなんですけどね。

とはいえ、6話のツーリングシーンは旅情たっぷりで楽しかったですし、その後の二人乗りシーンも法的な問題さえ気にしなければ爽快感のある場面でした。その結果、「面白かったから整合性に突っ込んでも仕方ないよな」と思わされ、ご都合主義的展開に目をつぶることができました。

また、文化祭の道具をカブで運ぶ展開(7話)も、結論ありきでお膳立てされている印象こそ受けましたが、そこまで気にはならなかった。

問題は11話ですね。この回の謎展開は流石に見過ごせません。

川に落ちた後の対応のおかしさ

11話冒頭、小熊の所に椎から電話がかかってきます。彼女は泣きそうな声で、川に落ちたので助けてと言います。そこで小熊が単身カブで救出に向かい、前カゴに積んで家に帰るという展開に。

冬の夜間に自転車ごと川に落ちるという生命に関わる危険な状況。自力で陸に上がれないので電話で助けを求めるのは分かりますが、なぜ小熊なのか。まずは消防(救急隊)に電話しなよと言いたい。

また、椎は小熊と違って両親ともに健在です。普通なら先に親の方に連絡しますよね…。

百歩譲ってパニック状態で冷静な判断が出来なかったとしましょう。しかし、電話を受けた小熊の方も大人(救急等)に一切助けを求めなかったのは謎です。川から引き上げた後も悠長にカブで輸送し、家の風呂に入らせるだけ。

椎は自力で立ち上がることさえできない状態でした。低体温症になっているかもしれないですし、骨が折れていたり、内臓が損傷していたりするおそれもあります。すぐに救急車を呼ぶべきですし、カブで運ぶ場合でも病院に直行すべきだと思いました。

しかも、冷たい水で濡れ弱っている人間を、乾いた防寒着も着せずバイクの前カゴに乗せ、寒風にさらすのはヤバいでしょ…。

これまで散々冬のバイクは寒いという描写を見せておきながら、それをやるのは流石におかしい。助けたいのか、低体温症でとどめを刺したいのか分からないです。

ちょっと突っ込みどころが多すぎる。「椎を前カゴに積んで運ぶシーンをやりたい」というストーリー上の都合で、キャラの思考や作品世界内の整合性が狂わされています。ご都合主義の典型例を見た感じ。

リアルに描くのなら、連れ帰る途中にお亡くなりになっていてもおかしくない状況です。この展開を擁護するのは流石に難しい。

親や消防ではなく、あえて小熊に電話をした理由を考察してみたのですが、もしや椎は、小熊に構ってもらいたいがために狂言自殺みたいなことをしたんですかね?

つれない態度を続ける小熊の気を引くために、わざと冷たい冬の川に落ちたのかも?椎はメンヘラだったってことなのかな?そういえば妙に小熊のことを気にしてましたよね。もしかすると恋に近い感情を持っていたのかもしれません。

あるいは椎は自転車だけを上から落として、自分は後から川に入ったのかもしれません。自転車がボロボロなのに、本人が怪我していなかったのはそういうことなのかも…。

また、小熊の方は、自分を見捨てた大人や社会を恨んでいて、そんな奴らの助けなんて借りたくないという強い意志があったのかもしれません。

もしこの展開がご都合主義でないのなら、上記のような強引な解釈(深読み)をするか、キャラの頭がおかしいと考えるしかなくなります。

脇役の扱い

椎は、なろう系によくいる主人公称賛ヒロイン的なポジションでした。なぜか分からないけど小熊に憧れ、家族ぐるみで貢いで奉仕するという展開には若干の違和感が…。

可愛らしく好感の持てるキャラだっただけに、心の動きがよく分からなかったのが残念です。物語の都合で動かされている印象でした。もう少し心理描写があればよかったんですけど。

もしかすると椎は、体格のことでいじられたりして、クラスで疎外感を抱いていたのかもしれません。クラスメートとうまくやっているように見えたけど、実は友達と呼べる人がいなかったのかな?

はみ出し者の二人にわざわざ接近したのには何か深い理由がありそう。それが知りたかったです。

リアルとファンタジーがごちゃまぜ

ご都合展開にも関連する内容です。

リアル重視の話がある一方で、地に足がついていないファンタジー的な話もあって、一つの作品の中で調和が取れていないのが気になりました。

無茶な展開をやりたいのなら、最初からファンタジーにしておけばよかったんですけどね…。

ホンダが監修に入っているだけあって、カブの3Dモデルや音はやたらとリアルですし、メンテナンスシーンや、排気量と最高速度の件など現実に即した描写も多かっただけに、一部の現実味に欠ける展開がどうしても目立ってしまいます。

冷たい川に転落した後、走行風で冷却されたのに無事だった椎の強靭な生命力には驚かされましたが、5話(富士山回)の礼子も頑丈すぎましたね。プロテクターを身に付けていない状態で、石がゴロゴロしている山肌に何度も叩きつけられたのに、ほぼ無傷だったのは人間離れしています。

また、10話(雪原回)で、何度も転倒していたのにレバーやミラーが曲がっていなかったのも不自然でした。

そもそも、いくらタイヤチェーンを装備していると言っても、バイクで柔らかい新雪の上を走り回るのは困難です。普通に走れるならしっかり固められているはずで、そういう雪の上で転けたら、身体にもバイクにもそれなりのダメージが入るはず。

例えば、転倒のリスクが高いジムカーナをする人は、愛車にエンジンガードを装着していることが多いです。ノーマル状態でガンガン転倒させても無傷なのはリアルではありません。いくら丈夫なカブでも、どこかが壊れますよ。

笑いながら転倒させている小熊を見て、「この子はカブが大事じゃなかったのか?」と一瞬思いましたが、どんなに倒しても壊れない「ファンタジー雪」だったので、別に粗末に扱っているわけではなかったんでしょうね。

雪原回では、バイクで大ジャンプするシーンにも突っ込みが入っていましたが、それ以前に、雪上であんな速度を出し安定して走れている時点でものすごくファンタジーなんですよね。

圧雪済みのゲレンデじゃないんだから、普通なら雪に埋もれて動けなくなります。(※バイクで雪の上を走る動画はYouTubeに沢山あるので気になった方は見てみてください。)

別に、「現実離れした描写を入れるな」と言っているわけではありません。リアル路線でやりたいのか、ファンタジーを見せたいのか、はっきりしない所が問題なのです。

繰り返しになりますが、ファンタジーをやりたいのなら、最初から荒唐無稽な世界観だと提示しておくべきでした。

序盤の数話はシナリオも含めリアル路線で作られていましたし、その後も背景や道具はリアルで、実写のような演出がなされていました。マンガ・アニメ的なコミカル表現もありません。

視聴者が現実的な世界観だと認識してもおかしくない作りなのに、一部のストーリーだけ極端に現実離れした内容だったので、チグハグ感が生じているのですよね。

もし元からファンタジーな世界観だったら、突っ込みを入れる人はいないと思います。

バイク考証が怪しい

4話のエンジンオイル交換に関するセリフに疑問があります。

バイク屋の店主は、初回は100kmでオイルを交換し、次は500km、以後は1000kmごとに交換すると言っていましたが、流石に距離が短すぎると思います。

早めの交換がエンジンに良いのは分かりますが、いくらなんでも短すぎる。こんな短距離で交換しろだなんて、どの整備書にも書いていないと思います。謎知識です。新車の慣らし期間でも1000kmまたは1か月が普通。

念のため、小熊の乗っている型式のスーパーカブ50(BA-AA01)の説明書を読んでみましたが、

初回:1,000kmまたは1か月
以後:3,000kmまたは1年ごと

と書かれていました。ホンダ公式サイトの該当ページリンクを貼っておきます。69ページ(pdfでは71ページ)に記載があります。

https://www.honda.co.jp/ownersmanual/pdf/motor/supercub50/30GBJ650_web.pdf

サーキットでスポーツ走行をした場合や、エンジンを改造している場合なら、短距離で交換するのも分かります。しかし、小熊のカブは公道しか走っておらず、4話時点ではエンジンもノーマルのままです。

しかも、小熊はバイク屋の店主から「丁寧に乗っている」と言われてるんですよね。

それなのに1000kmで交換しろと言うのは、どう考えても不合理です。たとえシビアコンディションでも、そこまで頻繁に変える必要はありません。

そもそもとして、シビアコンディションで交換する距離が変わるのなら、説明書にそう書かれているはずです。実際、ホンダのクルマ(四輪)の場合、通常とシビアコンディションで別々に交換距離が記載されています。

バイクの場合、別々に書かれていないということは、シビアコンディションも想定して設定された距離が3000kmなのだと考えられます。

また、お金に余裕があり、こまめに変えたいという場合でも初回500km、以後1500~2000kmあたりが限度でしょう。

元々カブはエンジンの耐久性に定評がある実用車です。初回100km、二回目500km、三回目以降も1000kmというのは流石に短すぎる。これではお金と資源の無駄です。

監修のホンダはこの点に突っ込まなかったんでしょうか?

作画ミス

3話のオドメーターの作画ミスが気になりました。礼子は「走行は7万超えかー」と言ったけど、メーターの表示は7200kmでしたよ。礼子の発言が正しいと仮定すると一桁ズレてますね。

あと、3話の冒頭では1カットだけ、小熊のカブにまだ入手していない前カゴが付いてます。

なお、他の話数にも作画ミスはありますが、軽微なものばかりですしイチイチ突っ込んでいたらキリがないので省略します。

カブである必要性が薄い

細かいことですが、カブでなくても成立する話が多かったと思います。バイクに乗ることの楽しさは十分感じられる内容でしたが、カブならではの魅力はあまり伝わってこなかった。

カブと一般的なビジネスバイクの違いや、独特な変速システムの解説、耐久性にまつわるウンチクが聞けると思っていたのですが、その手の話はほとんどありませんでした。

それならいっそカブ縛りにせず、ホンダの他のバイクも活躍させてほしかったなぁ…。タイトルが『スーパーカブ』である以上、仕方ないのでしょうかね?

体力がすごい

最終回(12話)のツーリングペースがやたらと速いです。高速道路や自動車専用道路を走れない125cc以下のバイクにも関わらず、1日にかなりの距離を移動しています。

もちろん物理的には可能なのですが、体力が続くのがすごいですね。

1日目は、山梨県北杜市を出発し、名古屋経由で滋賀県大津市まで370kmくらい。

2日目は、琵琶湖沿いに北上し、日本海側を通って鳥取県境港市まで430kmくらい。

3日目は、宍道湖を見ながら西へ進み、山口県萩市を経由し、関門トンネルを通って九州に上陸。福岡県福岡市博多区のネットカフェまで430kmくらい。

4日目は、九州を縦断し佐多岬まで400kmくらい走ってます。

(※ルートは正確に検証したわけではありません。ざっくりとした距離とお考えください。)

下道で1日400km走るというのはすごいですね。

一般道は最高速度が低いだけでなく、信号があるので平均速度も低下します。400kmを走り切ろうと思ったら相当な時間が必要。休憩時間も要りますし、日の出とともに出発し、日の入りまで走り続ける感じだったのかな?

下道でこの距離を走るのはクルマでもキツい…。JAFによると、1日の総走行距離の目安は、高速道路なら500km、一般道なら250kmだそうです。

参考リンク:[Q]渋滞を避けるポイントとは? | JAF

バイクに比べ体力を使わないクルマでもその距離ですからね…。しかも4日連続で、計1600km以上走っているのだから大したもの。やっぱりこの作品の女の子たちは人間離れしています。その体力が羨ましい。

筆者(私)はクソザコ体力なので、50ccで200km、125ccで330kmくらいが1日の限界でした。クタクタでやばかったです。体力のない人は無理しちゃダメですね。

ちなみに朝6時から夜10時まで走ってようやく330kmでした。途中何回か休憩はしたけど観光する余裕はなく、ただひたすら走るだけ。

あと、嘘みたいな本当の話ですが、疲労のあまり運転中に眠ってしまい事故を起こすライダーもいるようです。現実世界では無理をせず、しっかり休憩しながら走りましょう。疲れたら健康ランド等で仮眠を取りましょう。

本編の話に戻ってエンジンオイルの件ですが、律儀に1000kmごとの交換を守るのなら、途中どこかでやらないといけませんね。旅先でも、ディーラーやバイク用品店があれば交換可能ですが、小熊は節約のため自分でやったのかな?

また、アニメでは往路しか描かれていませんでしたが、帰りはどうしたんでしょうかね?フェリーで北九州から東京までショートカットするのが楽そうですが、小熊にとっては金銭的に厳しいか…。

ちなみに最近(2021年7月1日)、北九州~横須賀航路が新設されたらしいです。例の疫病が終息したら乗ってみたいですね。

良かった点

気になった点は一通り書いたので、良かった点を書きます。

良き変人の礼子

富士山回を見れば分かりますが、礼子は相当イカれたキャラでした。コミュ力が高く頼りになる姉御キャラというのが第一印象でしたが、話が進むにつれ本性が明らかになりました。

表面的には陽キャに見えるけど、中身はオタク気質の変わり者。

椎の親が経営するカフェを訪れた際には失礼な発言を連発しており、空気読めない系の子なのかなと思いました。本人に悪気はないのでしょうけど、配慮に欠ける言動が目立ちます。

また、軍手にメチャクチャ執着する一方で、ハンドルカバーはかっこ悪いから嫌という、常人には理解できない謎のこだわりを持っています。

「椎ちゃんをハンターカブのリアボックスに押し込んでおけば、私はいつでも温かいコーヒーやミルクティーが飲める」という発言も、礼子が言うと冗談に聞こえないのが怖いです。

ただ、変人だけど何故か嫌いになれないキャラでした。主人公より可愛げがありますね。聞かれてもいないウンチクを得意げに語る痛い子なのに、時々子供のように無邪気に笑うギャップが良かったです。

バイクの楽しさが伝わる描写

上で書いたように、カブの販促になるかどうかは微妙ですが、バイクという乗り物の魅力は描けていたと思います。このアニメを見て自動二輪免許を取りたくなった人もいるでしょう。

特に序盤の描写が良かったですね。初めてバイクに乗った小熊の期待と不安がひしひしと伝わってきます。世界が広がるワクワク感もありました。カブを磨いてニヤニヤする小熊は良かった。

派手で無謀なアクションシーンを入れなくても、バイクの魅力を伝えることはできたと思います。日常的なバイクあるあるネタを見せてくれるだけで、十分楽しめるんですけどね。

個人的には、序盤の静かな感じをずっと続けてくれたほうが嬉しかったです。

演出と雰囲気の良さ

極力セリフを減らし、映像でキャラの心情や置かれた状況を伝えるという演出は、深夜アニメでは珍しく、新鮮に感じました。実写的な見せ方なのだと思います。

小熊の気分が上がると色あせていた画面の彩度が上がる演出も印象的でした。多用された結果、後半に進むにつれ有難みが減っていったようにも感じますが、初回のインパクトは凄かった。

背景も綺麗で、非常に雰囲気が良かったです。季節ごとの空気感が映像から伝わってくるのは見事でした。ツーリングシーンの旅情をそそる描写も素晴らしい。

おわりに

このアニメは雰囲気が最高なのですが、同時に違和感のある描写も多く、足を引っ張っているのが残念です。

キャラの奇行、イキリ、超展開を一切見たくない方や、平和な日常系を見たい方、全話見る時間がない方は、5~11話を飛ばすのがベターかもしれません。

1~4話を見てから12話(最終回)を見れば、「上質なアニメを見たな~」「小熊ちゃん、カブのおかげで成長したし仲間もできて良かったね~」という感想で終われると思います。

個人的にガッカリ度の高い話数を並べると、11話(冷たい川から救出回)>5話(富士山回)>10話(雪原回)といった感じ。この3回はかなり狂った内容で人を選ぶので注意。

また、7話は大筋こそ悪くないのですが、主人公が他人を見下すシーンが入るので気をつけてください。

序盤の数話と最終回はメチャクチャ面白いのでおすすめです。さらに、二人乗り違反やご都合展開が気にならないのであれば、6話も楽しめると思います。

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