なろう系アニメ『失格紋の最強賢者』第3話の感想

2022年冬のなろう系アニメ『失格紋の最強賢者』第3話「最強賢者、竜(イリス)と出会う。」の感想です。

今回もかなり突っ込みどころが多い内容でした。

第2話の感想はこちら

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いつもの

なろう系ファンタジーではおなじみの冒険者ギルドから始まりました。

主人公は失格紋ということで、ギルドの受付嬢から荷物持ち扱いされます。これもなろうあるある。主人公は差別されがち。

被害者の立場になることができれば、過剰な暴力の行使を正当化出来ますし、実力を見せつけて「ざまぁ」する展開に持っていくこともできます。作り手にとっては、なにかと便利な設定なんでしょうね。

さて、バカにされた本作主人公がどうしたのかと言えば、ダンジョンで狩ったボスモンスターを何もない空間から取り出し、受付嬢を震え上がらせました。

これもテンプレですね。巨大モンスターの死体を出してギルドの人を驚かす展開は今まで何回見たことか……。

マシーン

ヒロインちゃん(金髪のほう)は、巨大な魔石を簡単に調達できる主人公を見て「まるで国宝量産マシーン」と言いました。それならヒロインは「主人公称賛マシーン」ってことになるのでは?

大金持ち

モンスターと魔石の買取額は金貨750枚でした。すごい額ですね。小型金貨だとしても一生遊んで暮らせる額じゃないの?

金の価値が低い世界とか、金の含有量が少ないという可能性はありますけどね。ただ、受付嬢やヒロイン(緑)のセリフから判断すると、とんでもない額であることは間違いないようです。

なろうでは物語序盤で大金持ちになりがち。例えば去年(2021)の冬アニメ『俺だけ入れる隠しダンジョン』もそうだったよね。公爵令嬢からたんまり貰ってた。

同じく『回復術士のやり直し』(原作)には、奇病を治す薬でかなりの額を稼いだことが書かれてましたね。贅沢しなければ一生暮らせる額だったかな?

なんでしょうね。主人公をお金持ちにするとなろう読者は喜ぶんかね?

弱い者(魔族)いじめ

街の上空にやってきた魔族二人組を主人公が発見。バトルが始まります。

それにしても魔族はやることが大胆ですね。 空飛んできたら目立つやろ……。人間になりすまして、不意打ちしたほうが効率的じゃないか?

主人公が言うように、「人間を見くびっている」から大胆な行動を取るのかな?

魔族たちは学園に向かっていたらしい。1話で主人公に殺されたデビリスの敵討ちが目的なのでしょう。

しかし、たった二人で襲って勝てるつもりだったのかな? 人間側は軽く数倍以上の戦力があるはずなのにね。なんか判断が甘すぎない?

魔族であるデビリスが殺されているのだから、人間を侮るのは危険だと思わないのでしょうか?

あと肝心のバトルですが、主人公が強すぎて緊張感がないです。正直言って弱い者いじめにしか見えず、一方的にボコられる魔族が可哀想に思えてしまった…。魔族ってそんな悪いことしたっけ?

このアニメでは魔族の邪悪さが描写されていないので、倒しても爽快感はないです。

それに、相手を見下すようなセリフを吐きながら戦う主人公は、嫌なヤツにしか見えません。この主人公は見た目と声こそ可愛らしいですが、性格悪すぎでしょ、少しも応援したいと思えないのが辛い。

無能国王再び

主人公は魔族をいとも簡単に始末した後、ヒロインとともに国王に謁見。今回は褒美としてダンジョンをたくさん要求します。国王いわく「できるだけ確保する」そうです。

いやいや、いくら主人公の活躍がすごいと言っても、ポンポン国有財産を譲り渡すのはマズいでしょ!?マジで国を奪われるぞ。

資源利用権だけでは満足せず、ダンジョンそのものを手に入れた主人公ですが、一体何のために使いたいんでしょうね? 資源はすでに自分のものなのにね。地下核実験場にでもするんかね?

ちなみに3話後半で明かされた事実ですが、この世界では過去に原子炉的なもの(魔力融合炉)が、連鎖的に爆発し一度文明が滅びているみたいです。主人公イキることができるよう、地ならしが行われていたんですね。

盗聴

なんと国王の部屋は魔族に覗かれていたようです。褒美の話なども全部見られてました。情報筒抜けです。

前魔法師団長エルハルト(正体は魔族)が、逃亡する前に監視魔法を仕込んでいたとのこと。

これはひどい!

そこまでできるのに、何故魔族は今まで人間に手を出さなかったのでしょう? わけがわからない。

人間に擬態して魔法師団長になって、国王の部屋に入れる状態だったんですよ。要人暗殺も簡単でしょ。王国の中枢に入り込んでいた魔族が、今まで何もしなかった理由が知りたいですよ。

正体を悟られず国王に近づくことができるのだから、暴力的な手段を取らなくても、国を内部から崩壊させるのは容易だったと思うのですが……。

違和感だらけの設定ですね。正体を隠して人間社会に入り込み、高い地位につくことができる知能はあるのに、攻撃を仕掛ける知能はないのか????

魔族が有能なのか無能なのか分からない。設定・世界観が滅茶苦茶で、考えれば考えるほど頭が痛くなります。

本作もなろう系にありがちな、設定を十分練らずライブ感で書いた物語なのでしょうか?

なろうでは質より量が重視されると聞きます。たとえ内容がガバガバだったとしても、更新頻度が高ければランキングに乗りやすく、書籍化しやすいらしい。不思議な世界ですな。

そういう環境だと、イチイチ設定や整合性なんか考えず、流行りの要素・展開を模倣し、スピード重視で書きまくる作家のほうが生き残りやすい。

結果として、ワンパターンかつ矛盾まみれの作品ばかりがメディアミックスされることになると。

よく言われることですが、諸悪の根源はなろうそのものではなく、出版社ですね。作家の発掘や育成を放棄し、思考停止でランキング上位から書籍化を進めるからこんなことになる。

まあ、それで商売になっているのだから資本主義的にはOKなのでしょう。いずれ破綻する気はしますけどね。

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王国広すぎ問題

主人公いわく、盗聴していた魔族エルハルトは、王都から

西に348km
北に4425km

の場所にいるそうです。1km単位で話すとは、やけに細かいですね。

王様は地図を見て「過去に魔族に滅ぼされた村があるな」と言ってるけど、明らかにその縮尺の地図には入り切らないでしょ……。

そもそもとして、4000km超は遠すぎやろ!どんだけ広いんだよこの王国!!

中世風異世界ですし、小国という雰囲気なのにやたら支配範囲が広くない?? 4425kmって、アメリカ合衆国の東海岸から西海岸までの距離より長いですよ。

しかも地図を見るに、村と王都がちょうど国の両端というわけではなさそう。おそらく南東にも広がりがあるのでしょう。

したがってこの国は、端から端までだと、長いところで5000kmを軽く超えていると思われます。相当な広さがありますねぇ!そんな広大な領土、この無能な王によく支配できたな……。

村遠すぎ問題

ヒロイン(緑)によると、魔族のいる村へ普通に行ったら半年も掛かるそうです。そこで主人公は前世で因縁のあるドラゴンに乗って行くことにしました。

それはいいのですが、約4500kmも離れた村に行くには、ドラゴンに乗ってもかなりの時間が掛かるのでは?

また現実世界の話になってしまい恐縮ですが、アメリカ東海岸から西海岸までの所要時間を例に出します。

飛行機だと、ニューヨーク(JFK空港)からサンフランシスコまでの約4150kmが、約6時間30分掛かるようです(逆ルートは偏西風の関係で1時間ほど短い)。

伝説のドラゴンなので、ジェット旅客機並の速度(800~900km/h)で飛び続けることが可能かもしれません。それなら6~8時間で到着が可能。

しかしながら、ドラゴンが全力で飛ぶと、乗っているヒロインたちが耐えられないことが作中で言及されているんですよね。

「生身の人間が耐えられる速度で飛ぶ」という制約があるので、約4500km向こうにある目的地に移動するためには、やはり相当な時間が掛かると思われます。

ドラゴンの速度と所要時間

時速何キロで飛べば安全か考えてみましょう。

1930年代まで主流だった開放式風防(コックピットの正面のみ保護)の飛行機の場合、最高速度は300km/h以下だそうですよ。

ドラゴンには前面の風防さえないので、200km/h程度でもキツいのでは?

仮に200km/hで休憩無しで飛び続けるとしても、約4500km離れた魔族のすみかへ行くには、22時間30分かかりますね。なんとか1日を切ることは可能です。

ただ、食事とトイレ、睡眠時間があるので、2~3日くらいは見ておいたほうがいいかも。

もし100km/hを出し休憩無しで飛び続けると目的地まで45時間。

自動車の一般道における最高速度60km/hで飛ぶなら、75時間ですね。結構掛かるね。

徒歩や馬車に比べれば圧倒的にドラゴンの方が速いのは分かりますが、短いとは言い難い時間が掛かることが分かります。

500分の1の謎

一つ疑問があります。

主人公は、全力で飛ぼうとするドラゴンに「さっきの速さの500分の1でいい」と言いました。

ドラゴンの最高速度が、ジェット機同等の900km/hだと仮定した場合、その500分の1は「1.8km/h」になるので歩くより遅いんですよね。

そこまで遅いのはありえないですね。ということは、最高速度が軽く音速を超えているということ。

主人公たちを乗せ60km/hで飛んでいると仮定し、その500倍まで出せると考えると、最高速度は30000km/hとなります。

流石に異常な速度。音速の24倍はやばすぎる。ファンタジー世界でもありえんでしょ……。ドラゴン自身は不思議な力で燃え尽きなかったとしても、衝撃波でとんでもない被害が出そう。

現在、原付並みの30km/hで飛んでいるとしても、最高速度は15000km/hになりますから、軽く音速の10倍を超えてるんですよねぇ。どうなってんのよ一体!?

ドラゴンは伝説の生き物だから物理法則を超越してんのかな?

そもそも本作は魔法のあるファンタジー世界でしたね。割となんでもありか……。だとすると、魔法(魔石?)でシールドを張ってヒロインたちを保護しつつ、最高速で飛ぶという展開でもいいんじゃないですかね?

主人公がシールドみたいなのを張ってるシーンはありましたし、世界観的に不可能ではないように見えるのですが。

そうすれば1時間も掛からず魔族の村へ到達できますし、超スピードで飛ぶシーンは絵的にも映えると思います。ファンタジーなのだから、それくらいのことをやっても怒られないのでは?

中途半端にリアル志向にして、ゆっくり飛ばなくてもいいじゃんね。

具体的な数値要る?

そもそも、具体的な数値を提示する必要は無かったと思います。村の距離はぼかし、「さっきの速さの500分の1」というセリフは数字を用いないものに変えたほうがよかったのでは?

具体的な数値を出しても矛盾とツッコミどころが増えるだけで、話の面白さにつながらないと思うのですが…。

というかメタ的に見ると、魔族が異様に遠い所にいるのは、ドラゴン娘を登場させるためのお膳立てに過ぎないように思えます。

やりたいストーリーありきで、後からそれに合わせて設定を付け足したせいで、世界設定が奇妙なことになったのかもしれません。

「ドラゴン娘をハーレムに加えたい」→「ドラゴン娘に乗せてもらうエピソードを作ろう」→「遠くて移動が大変な所に魔族が潜んでいることにしよう」という流れなのでは?

そのせいで王国がやたらと広くなってしまったのかもしれません。

それにしても、魔族はどうやって短期間で遠方の村まで避難したんでしょうね? エルハルトって、この前まで王都で人間に化けてたやつなのになぁ…。普通に行ったら半年ですよ。

魔族は転移魔法が使えるんですかね? それとも超高速飛行が可能なのか?

そんなハイスペックだとすると、未だに人類を滅ぼせていないのが謎すぎる。ワープまたは超スピードで、いきなり目標の背後に現れて攻撃すれば簡単に勝てるじゃん。

おわりに

「こんなアニメにマジになっちゃってどうするの?」とか「頭を空っぽにして見るアニメだから突っ込むのは野暮」と言われそうですが、どうしても気になっちゃうんですよ。

具体的な数字を出されると色々ツッコミを入れたくなるので、もっと抽象的に、曖昧に描写してくれると嬉しいです。

別に「頭を空っぽにして見れるアニメ」を否定するつもりはありません。美少女動物園は大好きです。でも、矛盾だらけで「頭を空っぽにしないと見れないアニメ」は勘弁してほしいですよ。

テキトーな世界観でやるなら、終始一貫してテキトーにやってほしいと思った回でした。1km刻みで距離を言ってくれなくていいから……。

次回はドラゴンが幼女化するみたいです。楽しみですね。

第4話の感想はこちら

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