なろう系アニメ『賢者の弟子を名乗る賢者』感想【9~12話】

2022年冬のなろう系アニメ『わしかわ』こと、『賢者の弟子を名乗る賢者』の第9話から12話(最終回)までの各話感想と、全話視聴後の振り返りです。

1~4話の感想はこちら

5~8話の感想はこちら

第9話「わし、こういう展開嫌いではないのぅ」

今回は主人公が微妙なCGのペガサスに乗り飛んでいるところから始まりました。前回の白いドラゴンはどうしたんでしょうか?

……と思っていたら、目立ちすぎるから王様から止められているという説明が入りましたね。

前回、持ち帰った資料のおかげで次の目的地が判明。主人公は王様の指示で、聖杯の素材が取れる森へ向かっていたようです。

目的は2つあり、1つ目は聖杯を探していたソウルハウルの痕跡を見つけること。2つ目は、森の近くのダンジョンで、最高機密兵器の材料を探すことだそうです。

ただ、三時間飛行しても目印の大木までたどり着けません。あまりにも大きい木なので、遠くから目視することが可能だけど、実際にはかなり距離が離れており到達するのが大変なようです。

ここの描写は、同季の『失格紋の最強賢者』よりマトモですねぇ! 『失格紋』では、4000kmを超える距離をドラゴンに乗ってほぼ一瞬で移動したかのように描いていました。

距離や飛行速度から考えると、実際には相当時間が掛かるはずなのに、あっという間に着いたようにしか見えないで違和感が……。まあ、『失格紋』は本作と違いテンポ重視の構成だったので仕方ない面があるとは思いますが。

回復

主人公は休憩のために立ち寄った砦で人助けをします。魔物の襲撃によって多くの怪我人が出ており、中には特殊な毒によって弱っている人もいたので、蛇の召喚獣でヒール!

こういう、重病人をヒールして感謝されるシーンも「なろうあるある」だよなぁ……。同季の『失格紋』『ありふれ』にもありましたし、なろうアニメの原点『異世界はスマートフォンとともに。』にもありましたね。

あと、現代では衰退した技術でドヤるというのもよくあるやつ。『失格紋』なんて、まさにそれでしたね。

本作の場合は召喚術が衰退しているので、若者たちは召喚術の何たるかを知りません。主人公が実演して強さや便利さを見せつけると、驚愕し賞賛してくれます。

魔物討伐

この後は砦の兵士たちと森の魔物を倒す話になります。今回は割と普通にストーリがあるような気がしますね。面白いかどうかは別問題ですが。

ただこれ、「主人公だけで行けばいいのでは?」と思ってしまう。軍勢のダンブルフの二つ名通り、召喚術で大軍を作れるわけですし、毎晩襲撃を受けて疲弊しているモブ兵士を連れて行かなくてもいいのでは?

まあ主人公としては、実戦で若い兵士を鍛えたいみたいなので、おかしくはないのかな。

戦闘シーンは相変わらず静止画ばかり。盛り上がらんなぁ~。魔物と召喚獣は3DCGだから動いてはいるけど、モデルのクオリティは高くないですし……。

動きを見て楽しむことができないアニメって、もはやアニメである意味があるのか疑問です。アニメ化するなら、最低限動かせる程度の予算は用意してほしい。

大樹に到着

目的地(巨大な木)に到着する主人公。木の精霊(?)たちにソウルハウルのことを尋ね、多少の情報を聞き出せました。しかし精霊さんいっぱいいるんスね。

最後に突然スカトロネタが来ました。精霊たちは主人公の排泄物がほしいようです。肥料になるってことなんでしょうか?

そういえば、前にもおしっこネタがありましたね。排泄行為にこだわりがあるのかな?

第10話「わしっ、全裸っ!」

プライマルフォレストというダンジョン(?)へと向かう主人公。これ、前回(9話)の冒頭にあった説明を覚えていないと、意味が分からないよな……。確か、そこには秘密兵器の材料があるとか言ってました。

到着すると、主人公とペガサスは小動物にたかられ、懐かれます。このまま付いてこられると困るので、通訳として例の猫型召喚獣を出し、意思を伝えました。

この猫人間、途中から喋るようになりましたよね。もともと喋れたけど、あえて喋れないフリをしていた感じなのか? アニメ内では説明がなかったと思うけど、原作には書いてあるのかな?

ところで今回は比較的絵が動いてる気がします。

主人公は木の実みたいなものを集めているらしい。10個集めるのが王様の依頼(要求)だそうですよ。つまり、これが兵器の材料ってことなの?

このへんも分かりにくいよなぁ……。とにかく主人公が何を目的に動いているのか分かりづらいので、先の展開が気にならないし、置いてけぼり感があります。

脱出

目的のアイテムを集め終えた主人公は、木の魔物を倒して手に入れた赤っぽい玉を花の魔物に渡してダンジョンの出口まで送ってもらいます。

その後、川を下るので服が濡れないよう主人公は全裸になりました。これがサブタイトル(エピソードタイトル)の「わしっ、全裸っ!」ですね。まあ、全裸と言っても大事な部分は髪の毛などで隠されているので健全です。

サービスシーンをしっかり入れてきたけど、こいつ中身オッサンですからね。これで抜けるかどうかは議論の余地がありそう。女体なら魂が男でも関係ないという派閥が存在するかも。

忍者風暗殺者(?)登場

水辺で体を乾かしている主人公は、森の方から殺気を感じます。

声をかけると、忍者か暗殺者みたいな怪しい格好の男が現れ「精霊のように美しかったので勘違いしてしまった」と発言。

このセリフ、若干ナンパっぽくないですかね?

男は、以前精霊に追い回されたことがあったので、精霊のような主人公を警戒したのだと弁明。ナンパ師やロ○コンの覗き魔ではなかったようですが、主人公はその説明を怪しく思い、男を尾行することに。

すると、男が精霊に襲いかかるところを目撃。そこへ、突然陰陽師みたいな格好の人が登場し精霊を守ります。

(なお、この人は作中で「陰陽術士」と呼ばれていました。)

ここから初見キャラ同士の熱い(?)戦闘シーンになるよ! 誰やねんこいつら……。でも陰陽術士は負けそう! 毒攻撃で動きを封じられてしまいました。そこへ主人公が助けに入り、暗殺者を捕縛しましたしたよ!

なんなんでしょうねこの展開。やっぱり視聴者置いてけぼり。あとまた固有名詞(国名、組織名)が色々出てたけど分からんちん。

最後に伏線回収がありました。第6話で馬車の前に飛び出してきた精霊も、この忍者のいる組織に狙われてたかもしれないとのこと。

正直筆者にとってはどうでもいい伏線回収でした……。断片的なエピソードを並べてるだけで、話の大筋みたいなものが見えてこないので視聴が辛い。この精霊のくだりが今後の話にどうつながるのか全く想像できないのが問題です。

 

第11話「わし……褒められてなくないか?」

前回の陰陽術士たちと別れ、ペガサスで移動中の主人公。キャラバンを見つけたので下りてみると、例の冒険者たちがいました。以前主人公と一緒に地下ダンジョンに潜ったり、ゾンビと戦ったりした冒険者です。

一緒に食事することになりますが、今回はしっかり取り皿がしっかり描かれていました。めしの絵もうまそうに描かれていていい感じ。

団長は耳寄りな話があると言いますが、その話の具体的な内容は描かれません。冒険をイメージしたと思しき背景画と、二人の顔が出てBGMが流れるだけ。セリフがないので会話内容は不明でした。

謎の演出でお茶を濁されましたね。このシーン必要だったのか? ただ、魔族に襲われた街を救った人(主人公の昔の知り合い)の話だけはセリフで語られました。

森の魔物を討伐

後続のキャラバンが魔物に襲われたという連絡が入ったので、主人公たちは現場に急行。積荷を奪った魔物を追って森の奥へ進みます。

森の雰囲気を不審に思った主人公は、召喚術で美少女型の精霊を二人呼び出しました。コロポックルだそうですよ。

茶髪で背の低い子と、金髪で背が高い子の姉妹です。ただし、前回の召喚から30年経っているので、妹のほうはチャラいギャルになってました……。

これも視聴者にとっては初めて見るキャラだから「フーン」って感じなんだよなぁ。

あと、主人公の回想で「ソンチョサマー」と言っていた茶髪の子が、妹(金髪ギャル)の30年前の姿ってことらしいのですが、現在の姉(茶髪)の外見にそっくりだから分かりづらい。姉はタレ目で、回想の子はツリ目なので、よく見れば過去の姿だと分かるのですけどね……。

ただ現在も姉の方は一切成長せず、30年前の妹とほぼ変わらない姿なのは不思議。背も伸びていないですし、どういうことなんでしょう?

さらに茶髪の姉は「ウネコ」、金髪の妹が「エテノア」というらしいのですが、姉妹にしては名前の雰囲気がずいぶん違いますね。和風と洋風。確かに現在の外見だとしっくり来るけど、名前を付けられたのは30年以上前で、当時はどちらも似たような見た目だったはずなので違和感が。

さて、その二人の調査によると、この森には精霊がいないらしい。例の組織による精霊狩りのせいで森がおかしくなっているようです。前回の話は無駄じゃなかったんですね。一応伏線になっていました。

モンスター狩り

この後はクオリティの低い3DCGの獅子型モンスターと戦います。相変わらず質感がひどいなぁ~。手描き部分と質感が違いすぎて画面から浮きまくってる。あと、毎度おなじみ静止画戦闘も見られるよ!

ボス級の強いモンスターは主人公と団長が担当し、あっさり討伐完了。しかし、団長は残りの雑魚を他の冒険者に任せ、主人公はなるべく手を貸さないように言います。団長も第9話の主人公と同じく、実戦で若い冒険者たちを鍛えたいようです。

戦闘終了後、回収した石版に触った主人公は過去の世界に飛ばされ、白ずくめの謎の男と会話を始めます。

唐突になんなんでしょうね……。マナがどうのこうのという話になるけど、内容が頭に入ってこないし、ちょっと話についていけん。相変わらず世界観がよく分からないです。この辺は原作に詳しく書かれてるんですかね?

謎の男に、これから何かが起きるかもしれないと警告された後、主人公は元の時代に戻ります。

男の予言は的中。王国各地に魔物の大軍が現れたいう報告を受けた主人公が、召喚獣を出したところで次回(最終回)へ続きました。

第12話「わし、参上!」

完成度の低い3DCGのゴブリンなど1万の魔物が王国を襲います。前回、謎の男が語っていたマナ云々が関係しているらしい。

王様は、周辺国との休戦協定の関係で軍を出せないと言っていますが、主人公一人で数千~数万人分の戦力があるでしょ? 周辺国にとっては、普通の軍が出てくるより主人公一人が出てくるほうがマズくないですかね?

また、王様は「魔物たちの目的はここか」と言って地図を見ているけど、トンネルみたいな絵は何を表しているんでしょうね? 説明がないからよく分からない。

それと、緊迫した状況のはずなのに、所々変なギャグが挟まれるせいで緊張感が削がれるのはいただけません。しかも魔物は数が多いだけで、味方に犠牲が出ているようには描かれていないので、ピンチという感じがしないんですよね。

実際ピンチではなかったようで、主人公が戦闘に加わった直後に場面が変わり、王様に全魔物の殲滅完了が報告されるシーンになりました。

魔物の大軍との戦いはこれで終わりなんですね。なにこれ拍子抜け……。

ラスボス(?)との戦い

流石にまだ終わりません。魔物の殲滅後、空から巨大な魔物が現れました。

主人公は第1話と同じような感じで召喚獣をいっぱい出しつつ、元プレイヤーの女性や王様と協力して戦います。

しかしこいつらゲーム感覚で戦うのは変だよなぁ……。主人公たちは、NPCが生身の人間と同じように生きていることを認識しているのに、相変わらずゲーム感覚が抜けていないみたい。

これって、ゲームを遊んでいると思っていたら、ゲーム世界にそっくりな異世界に入り込んでしまった系の話でしたよね? ゲームではなく現実になっているわけだから、遊び感覚で戦って致命傷を負ったらどうするつもりなんでしょうか?

舐めプして万一強力な一撃を食らったら、本当に死んでしまうかもしれないんですよ。ゲームオーバーで元の世界に帰れる保証はないわけですし、もう少し緊張感を持って戦ってほしい。

最終決戦も消化試合感が強かったです。勝つべくして勝ったので面白みに欠けます。全く苦戦しないもんね。

全話視聴後の振り返り

何も解決しないまま終わりましたね。主人公の目的や物語の終着地点が曖昧なまま、なんとなく異世界を放浪し、目の前に現れた敵を倒すだけの展開に終始していたように思います。正直全く続きが気にならないアニメでした。

かろうじて九賢者を探し出すという目的はあったようですが、調査という名目であちこちを巡っただけで、結局誰にも会えてないですよね。

全12話もあったのに主人公は何も成し遂げず、変化や成長の描写もなかった。最終決戦も、第1話で描かれたダンブルフ時代の戦いをなぞっただけで目新しさがありません。

本作は酷さをネタとして楽しめるタイプのアニメではなく、どちらかと言えば虚無寄りのアニメだと思います。最初から最後まで盛り上がりに欠け、断片的かつ淡々としたシーンを見せられるので、眠くなりましたよ。

ただまあ、女性キャラのデザインは良かったと思います。主人公の女体化した姿であるミラからモブのコロポックルまで、みんな可愛らしい見た目でした。メイド妖精も良かったですね。

良かった点・悪かった点は、第4話の時点でまとめたものからあまり変わっていません。話の途中で作風が変わることはなく、一定のスタイルで最後まで突っ走った感じ。

手短にまとめてみます。

良かった点

  • 女性キャラ全般のデザイン
  • 動きは少ないものの崩れていない作画
  • 作品タイトル
  • イキりが少なく平和
  • 「ざまぁ」がない
  • 明るい色遣い

悪かった点

  • 静止画の多用(紙芝居系アニメ)
  • 3Dモデルの出来が悪い
  • 物語の本筋や主人公の目的がはっきりしない
  • 展開が遅い
  • 設定・世界観の説明不足(原作既読前提?)
  • 一回出ただけで何もせず消えるキャラが多すぎる
  • 十分に生かされないTS要素
  • ギャグが少々滑り気味
  • 主人公が強すぎて戦闘が盛り上がらない(チート系あるある)

おわりに

なんとも言えないアニメでした。不快感はないけど、面白みもなかったです。キャラデザは悪くなかったんですけどね。

もう少しキャラの掘り下げが欲しかったかな……。主人公のことさえよく分からないまま終わりましたからね。

「現実世界に帰りたいのか、それとも異世界でずっと暮らしたいのか」という点が、はっきりと描かれていなかったのでモヤモヤが残ります。そこって結構重要なポイントだと思うのですが。

脇役たちも存在感がなかった。キャラの数こそ多いけど、ただ出るだけで深掘りされない人物が多かったのは残念。平和な雰囲気のアニメなので、各キャラの魅力を出すことができていれば、日常系的な楽しみ方が可能だったかもしれません。

 

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賢者の弟子を名乗る賢者〜マリアナの遠き日〜 1

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