なろう系アニメ『失格紋の最強賢者』7~12話の感想

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※この記事は2022年に投稿した、アニメ版『失格紋の最強賢者』の各話感想(7~12話分)を一つの記事にまとめ、加筆訂正したものです。

ネタバレがあります。また、批判的な感想も含まれますので本作のファンの方はご注意ください。

(6話までの感想はこちら↓)

なろう系アニメ『失格紋の最強賢者』1~6話の感想

第7話「最強賢者、旅路を往く。」感想

2022年冬アニメ『失格紋の最強賢者』も折り返し地点。学園が舞台のエピソードは終わり、冒険が始まります。

第7話のあらすじ

冒険者となった主人公マティアス一行が森を抜け、たどり着いた迷宮都市は、領主の無茶な統治により寂れていました。怪我人の治療や迷宮の攻略を行う主人公たちでしたが、領主に目を付けられてしまいます。

迷宮都市への旅

主人公たちは学園を出て迷宮都市を目指します。

迷宮の上に街があることを聞いたドラゴン娘イリスが、楽しげに「エフフフフン」という風に笑うシーンがなんか良かったです。

人間の姿をしていても普通の人間とはちょっと違う感じ(?)が出ていました。何千年も生きてるドラゴンらしい、超然とした生き様を感じさせる笑い方でした。

それに無表情のことが多いイリスが無邪気に笑うのは単純に可愛らしかった。

さて、主人公は目的地までショートカットするため森を突っ切りたいと言い出します。しかし、ヒロインたちは知能の高い魔物がいるので危険だと反対。

そのことを聞いた主人公は魔物に興味深々の様子ですが、いまさら森で出会えるような魔物に興味持つ理由は謎。主人公にとってはどんな魔物も格下のザコでしょ? 前回、でっかいやつを余裕で倒してたし。

あと、学校を出たのに相も変わらず制服(学生服)を着ているのも謎。第5話で採掘作業をしていた生徒も制服のままでしたし、アニメスタッフが新たに服のデザインを考える手間を省いた結果こうなったのかな?

いやでも、第1話の三人は私服着てたよな……。

飛べないドラゴン

結局危険な森へ入ることになった一行。まあ、主人公とイリスがいるのでどんな魔物が出ても瞬殺できますね……。

そういう意味では危険度は低そう。人間のヒロイン二人も強くなってるし。

「いざとなったら私が皆さんを乗せて飛びますよ」と言うドラゴン娘に対し、主人公は「お前の翼は治療中だろ」と言います。

ここは少々意味が分かりません。この前、平気で約4500km飛んで往復してたじゃん。ちょっとくらい飛べるでしょ? なんか不自然な感じです。あの後、さらに翼が傷んだのかね?

どうもこれ、ドラゴンが飛んでしまうと道中の話が描けなくなるので、作り手の都合で無理やり飛行能力を封じられている気も……。

一瞬で他の街に行けてしまうと、ストーリー進行上都合が悪いのでしょう。

見せたいシーンありきで、以前出した設定や描写をなかったことにするのは感心できません。本作は一話完結型の作品ではなく、各話につながりがあるストーリーものなのだから、その辺の辻褄合わせはしっかりやってほしい。

物語の外側にいる作り手の意図が見えてしまうと、物語に入り込めないですよ。

よく言われることですが、キャラが自分の意志で動いているのではなく、作者の都合によって動かされているように見えると視聴者は白けます。視聴者をもっと上手に騙してくれよな~。

魔物を食べる

森の中でお腹が空いたので魔物を狩って食べることに。

ヒロインたちは魔物が食べられるということを知らず驚いていますが、主人公いわく、全てではないものの食べられる魔物もいるそうです。『失格紋』はそういう世界設定なんですね。

余談ですが【回復】の人の作品では、魔物肉は毒抜きしないと食べられない設定でした。他人に毒抜きしてない肉を食べさせるドン引き描写もあったね。

食材だけではなく、調理器具も現地調達。金髪ヒロインのルリイは足元の土から鉄を精錬して鍋を作成しました。なんというか……やたらと高濃度の鉄分を含んだ土なんですね。

一方、ドラゴン娘のイリスは近くに生えている木をパンチで砕いて薪にします。なんかデフォルメ絵が可愛らしいですね。

ただ生木だと火がつきにくいでしょ? 枯れ木や倒木を利用した方が良いのでは? 焚き火や薪ストーブに使う木は一般的に1~2年乾燥させたものらしいですよ。

とはいえ、火の魔法がある世界なのでなんとかなりそうな気はします。高火力の魔法で着火してしまえば後は燃えそう。最悪、水分が飛ぶまで魔法を当て続ければいいわけですし。

メシマズ

銀髪ヒロインのアルマは激マズ料理しか作れないという設定が明かされました。家で料理を禁止されていたと語ってましたし、あまり作ったことがないからなのかな?

意外とアルマの設定はしっかり考えられているのかもしれません。親の命令で結婚させられるのが嫌で家を飛び出したと第1話で言ってましたし、今回料理を禁止されていたことも判明しました。なんか厳しい家庭だったみたい。

一方、ルリイのバックグラウンドは謎のままです。

爆発する街灯

主人公一行は森を抜け、迷宮都市に到着します。

しかし街は予想外に寂れていました。さらに主人公たちの目の前で街灯が大爆発します。住人によると、街灯の爆発によって今年だけで10人は死んでいるらしいですよ。

危なすぎだろ! 訳わかんねぇ! なんでそんなもん使ってんだよ!

……と思っていたら、金髪ヒロインのルリイが突っ込みを入れてくれました。話によると、領主の命令で危険な街灯しか使えなくされているようです。

理由は分かったけど、バカバカしくてギャグ作品っぽい設定なんだよなぁ~。死人が出ているという設定なのにシリアスさが感じられないです。

あと、街に人が少ないのは領主が冒険者を強制的に迷宮へ送り込んでいるからなんですって。これってやっぱり、魔族が領主に化けてるってパターンかな?

怪我人をヒール

魔物にやられた怪我人が大勢床に横たわっていました。医者は全員を助けるのは無理だと諦めていましたが、主人公の治癒魔法とヒロインたちの協力により全員救いました。

こういうシーンってなんか既視感がありますねぇ~。最近だと『ありふれ』2期で見た。何年か前には『賢者の孫』で見た。なろうテンプレなのかな?

なお主人公が治癒魔法を使うと患者の傷が完全に塞がるようです。主人公は以前、切られた自分の腕をくっつけていたけど、やっぱ他人にも【回復】みたいなことができるんですね!

攻撃だけではなく回復までできるとは! さすがチート主人公!

ベタなラブコメ風

宿屋の同じ部屋で寝ることになった主人公とヒロインたち。金髪ヒロインのルリイは、主人公のことを意識しドキドキします。

ここまではまだわかる。しかし、なんで主人公まで緊張してるんですかねぇ……。こいつ中身(実年齢)オッサンやろ?

これまで主人公がウブなリアクションを見せるシーンが何度かありましたが、若干キモくないですか?

転生設定なのにそれをやるのはヤベェよ! リアル中高生同士がやってるなら微笑ましいけど、中身がオッサンであることを視聴者は知っているのでヒジョーにキツイ!

あと、なんでこんなベタなラブコメみたいなシーンが入ってるんですかね? なろう系でこういうシーンを見たい人がどれだけいるのか? 普通にラブコメ見たほうがいいやろ。

ダンジョンはカット

翌日、主人公一行はダンジョンに向かいますが、内部の様子は描かれませんでした。冒険者ギルドに獲物を持ち帰ったシーンまで飛びます。どうせ一方的な無双でしょうし、同じような場面を繰り返し見てもしょうがないのでカットもやむなしですね。

その夜主人公は、領主の手先が自分たちを付け回していることに気付き「化けの皮を剥いでやる!」とニヤついて次回に続きました。

おわりに

今回は意外と良かったですね。結構好きな話でした。突っ込みどころは相変わらず多めですが、これまでの学園編より面白いと思います。

魔物を食べるシーンのほのぼのとした空気が良かったですし、今までよりヒロインたちの表情が豊かな気がしました。

ただ、相変わらずイキリ要素があったのは残念。

「大人や権力者にナメられたりバカにされたりする」→「上から目線のイキったセリフで反論」→「チートな実力を見せつけ平伏させる」

このパターンがほぼ毎回入るというね……。

毎回イキリと主人公ヨイショを入れないと駄目なんかなぁ? なろう系作品にはその手のノルマがあるんすかねぇ?

次回、第8話サブタイトルは「最強賢者、街を救う。」だそうです。たぶん魔族が化けた領主を倒す話になるんでしょうね。楽しみです。

第8話「最強賢者、街を救う。」感想

前話ラストシーンの直後から始まります。

第8話あらすじ

主人公一行は、迷宮都市の住人を苦しめていた領主の館を襲撃。領主とつながっていた魔族を迷宮で探し出し倒すという話でした。

領主は魔族じゃなかったんですね……。

チンピラと対決

領主の手先のチンピラたちを撒くため、主人公たちは隠蔽魔法で姿を消します。そして別の方向から突然現れ、チンピラを驚かせました。

いや、驚かせるだけなのか……。姿を消したまま背後から攻撃したりはしないのね。

主人公は何食わぬ顔でチンピラに話しかけ、宿への帰り道を尋ねます。なお、これは彼らを引っ掛けるための罠。

一人がうっかり宿の方向を答えてしまい、主人公たちに探りを入れいていたことが証明されました。

チンピラたちは、「バレちゃ仕方ない」といった感じで主人公を人質に取ります。

この後、遠回しな主人公アゲシーンが入るので要注目。

主人公を人質に選んだのは四人の中で「一番弱い」からだと発言したチンピラに対し、ヒロイン一同は「はぁ?」と呆れたような反応をします。

この反応が意味するのは「主人公様が一番強いんだよ!それが常識でしょ!何言ってんだコイツ!?」ってことですよね……。

こんな持って回ったようなやり方までして主人公ヨイショを入れなきゃならんのか? なろう系のファンはそこまで主人公アゲを望んでるんですかね?

なお、チンピラは主人公たちが領主の配下になれば許してくれるそうです。意外に穏健派なんですね。領主に仇なす者たちの命を問答無用で取りに来たのだと思ってましたよ。

主人公は人間のチンピラなんて瞬殺できるはずですが、あえてドラゴン娘イリスに戦わせます。

これって、イリスが暴れる機会を作ってあげてるってことですよね? メタ的な意味ではなく、主人公の配慮でイリスにストレス発散をさせてる感じに見えた。

それにしても、人外のこの子が戦うと強すぎてギャグみたいになりますね。チンピラ程度では格が違いすぎてマトモな戦闘にならない。

領主の館へ

チンピラをボコった翌日、主人公一行は領主の館へ攻め込みます。迎え討つのは前日倒したチンピラとその仲間たち。

数が多いだけのザコなので盛り上がらないんだよなぁ……。いや、主人公にとっては全員ザコ敵だから、盛り上がる展開なんてそもそも作れんか。

案の定、チンピラたちは主人公の魔法一撃で全滅。主人公の実力を目の当たりにした国王の使者は驚愕するのでした。

コイツもヨイショ要員だったのね……。

一方、自分も戦いたかったドラゴン娘イリスは不満顔。意外に好戦的で怖いよねこの子。正体が暗黒竜なだけのことはある。

主人公という歯止めがなかったら無表情で殺戮してそう。何千年も生きる怪物にとっては人間なんて虫ケラみたいなものでしょうし。

このあと主人公はどこからともなく現れた護衛たちを一瞬で片付け、領主の捕縛に成功します。

作画のことですが、領主の猫をなでる動きが微妙に変だったような……。猫に立体感がなく、ペラペラの紙をなでているように見えました。気になる方は本編で確認してみてください。

あと、今回のザコ敵は世紀末的なモヒカン頭をしていたり、中世風ナーロッパ世界には似つかわしくない格好のヤツが多かったです。デザインがギャグっぽい。

『魔王様、リトライ!』のようなシュールな世界観を楽しむ作風なら納得できますが、本作みたいなシリアス寄り作品でやると変になりませんかね?

もしやこの作品って、シリアスじゃなくギャグのつもりで作られてるのかな? 原作者やガチなファンがどう考えているのか気になります。

魔族が動く

手紙を調べた主人公は、領主が魔族とつながっていたのだと推理。

さらに、迷宮の龍脈に魔法を仕込むと世界規模の大災害を起こせるので、魔族はそれを狙っているのだと断言します。

相変わらずこの人は魔族の狙いを熟知してますねぇ。やっぱりこいつが黒幕に見えてしまうなぁ……。あまりにも知りすぎてませんか? 自分が裏から操っているから全てお見通しと考えたほうが自然。

まあ、なろう系無双作品ですし、「主人公が悪だった!」なんて展開にはならないんでしょうけど。

さて、主人公があれこれ語っていると、さっそく魔族が龍脈に干渉を始めました。なんか早いっすね。タイミングも良すぎない?

大発生した魔物が街に押し寄せてくるそうですよ。主人公によれば、魔物はおよそ二時間で到着するそうです。

なんでそんなことが分かるんでしょうね? 毎度毎度、何から何までお見通しなのは流石に不自然。アニメでは説明されていない何らかの能力を使って索敵してるんですかね?

迷宮へ

魔族の龍脈への干渉を止めるため迷宮に向かう一行。主人公は魔族のいる階層に殴り込み、残り三人は龍脈の仕掛けの解除を進めます。

主人公の目の前で倒れている巨大なきのこは魔物なのかな?(静止画のところ)

一通り魔物を狩った後、主人公は魔族を発見。戦闘が始まります。この魔族は、どこか離れたところにいる親玉の指示を受けているようです。

主人公が「久しぶりにマトモな戦闘になりそうだな」と言うだけあり、これまで出た魔族より大分強いですね。失格紋を持つ主人公を攻略するために用意されたとのこと。

強力な攻撃を放つ魔族に対し「食らわなければ何の問題もない」と言う主人公ですが、これは、有名なシャアのセリフ「当たらなければどうということはない」のパロディなのかな?

噂でによれば、なろうで露骨なパロディをやると垢BANされることがあるとか。だから言い回しを変えてるのかも? 真偽は不明です。

あと毎度のことですが、主人公はあれこれどうでもいいことまで解説しながら戦いますね。個人的には説明がしつこく感じます。良くも悪くも早口オタクっぽい主人公だなぁ……。

強すぎて盛り上がらない

さっき、今回の魔族は強いと書きましたが、強そうに見えただけで別に強くはなかったです。主人公を苦戦させることさえできなかった。瞬殺されなかった分これまでのヤツよりはマシですが。

魔族の親玉も、今回の魔族が主人公より格下だと言及してましたし、相変わらずザコ狩りをするだけの話なんですね。一方的に蹂躙される魔族が可哀想に見えてしまうほど主人公は強いです。

やっと盛り上がる戦闘が見れるかも……と期待したのですが駄目でしたね。まあ、前世の段階で最強だった賢者が転生して更に強くなるというスタンスの作品なので、格下しか出ないのは仕方ないのかなぁ?

ちなみに、主人公から魔族討伐完了の報告を受けた金髪ヒロインは「流石です~」と称賛。この主人公アゲセリフはおなじみですね。他作品でもよく聞きます。いつものやつ。

おわりに

相変わらず内容がやたらと濃かったです。1話にどれだけ詰め込んでるんだというね。他のなろうアニメと比べても異様に展開が速い。

まあ、そのおかげで1話ごとに感想が書けるんですけどね。展開が遅かったり突っ込みどころが少なかったりする作品は、各話の感想が数行で終わってしまうため、全話感想にしないと記事として成立しないです。

あとこのアニメ、なんだかんだちゃんと動いているのが良いですね。作画がすごく良いという訳ではないものの、そこそこの労力は掛けられてる感じ。

動きを見て楽しめるレベルにあるのは嬉しいです。今季なろうアニメにはガチ紙芝居のがあるからね……。

それと、戦闘時のBGMは結構カッコイイと思いました。

(第9話感想は次のページへどうぞ)
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失格紋の最強賢者 〜世界最強の賢者が更に強くなるために転生しました〜

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