自称復讐者が大暴れ!『回復術士のやり直し』1期後半の感想&ストーリー紹介(※アニメ版)

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この記事は、2021年冬アニメ『回復術士のやり直し』第一期の後半(第七話~第十二話)のあらすじと感想をまとめたものです。

以前公開していた各話感想記事の後半6話分を、AIの力を借りながら一つの記事として再構成しました。

ネタバレがあるので未視聴の方はご注意ください。

前半の感想:復讐よりハーレム!『回復術士のやり直し』1期前半の感想&ストーリー紹介(※アニメ版)

第六話までの振り返り

このアニメは、主人公ケヤル(後にケヤルガと改名)が、一周目の人生で彼を虐待した勇者たちに復讐するため、時間を巻き戻して二周目の人生を始める物語です。

精霊から全てを見通す力を得て、一周目の記憶を取り戻した主人公は、他人の能力をコピーし自身を強化。フレア王女に対する復讐を果たします。

その後、記憶が消去され別人となった王女(フレイアと改名)を連れ旅に出た主人公は、獣耳の少女セツナを奴隷として購入。

彼女の復讐心を利用して王国軍に復讐を計画し実行します。さらに、剣聖クレハを仲間に加えた主人公でしたが、故郷の村が王国軍に襲われ、育ての親アンナが殺害されてしまいます。

襲撃を指揮していた近衛騎士隊長レナードを始末した主人公は、生き残った村人を救出するため、コロシアムに乗り込むのでした。

第七話「回復術士は、正義を執行する!」

今回は謎展開でしたね。考えれば考えるほど理解から遠ざかっていきます。

あらすじ

ケヤルの顔でコロシアムに現れた主人公ケヤルガは、王国軍兵士を容赦なく倒していき、一面を血の海に変えます。

王国軍の指揮官は、主人公が動いたら人質の村人を殺害すると警告しますが、主人公は無視。その結果、多くの村人が殺されてしまいました。

主人公は村人が犠牲になったのは王国のせいだと責任転嫁。村人の救出より兵士の殺害を優先します。

主人公の異常な様子に恐れをなした指揮官は結界を発動。しかし、結界は主人公たちによって改変されていました。主人公ではなく兵士に影響を及ぼし、彼らの命を奪っていきます。

主人公が生き残りを始末しようとした時、村人たちが苦しみ始め、息絶えていきます。事前に毒を飲まされていたことを悟った主人公は怒りに震えるのでした。

そのあと、フレア王女の巨大立体映像がコロシアム上空に現れ、王国の悪行を暴露。彼女の演説に熱狂した観客たちは暴動を起こし兵士に襲いかかります。

結局、少年一人しか助けられなかった主人公は、ヒロインたちと次の街へ旅立ちます。ノルン姫のパートと、官能シーン(規制済み)が入って第七話は終了です。

気になった点

村人を助ける意思があるのか

主人公が警告を無視して動き回ったため、人質の村人が殺されてしまいました。さらに、直接手を下したのは兵士だから自分は悪くないと責任転嫁します。

確かに人質を簡単に殺める王国側が悪いのは事実ですが、動くなと言われて動いた主人公にも責任はあります。

それ以前に、村人の犠牲をなんとも思っていない主人公の姿勢に違和感がありました。助けに来たんじゃなかったんですかね?

今回のコロシアムでの描写を見るに、主人公は王国軍兵士を殺害したかっただけで、村人の救出なんて端から考えていなかったのかもしれません。そう解釈したほうが納得がいきます。

前回、国を良くしたいなどと殊勝なことを言っていましたが、それは本心ではなく、結局のところ殺しを楽しんでいるだけの異常者だったのかもしれません。

責任回避のための設定?

人質の村人たちは遅効性の毒を飲まされており、もしコロシアムから救出できていても命は助からなかったことが示されます。

これは、主人公を悪者にしないよう作られた設定かもしれません。

主人公が警告を無視し大暴れしたせいで村人が犠牲になったものの、どっちみち毒で命を落とすのだからノーカウントと言いたいのかも。

なろう系の読者はストレスフリーを好むと言われています。作者は主人公を好き放題暴れさせつつも、悪者というか加害者にならないよう気を遣っている可能性があります。

まあ、結果はどうあれ、主人公の無責任な行動で村人が犠牲になったのは事実ですし、個人的には悪い印象しか持ちませんでしたが。

能力の限界がわからない

主人公の能力の万能さは序盤から嫌というほど見せられています。

ただし、能力の限界については説明されていません。つまり視聴者は、主人公の能力でどこまで出来るのか知らない状態で話を追うことになります。

そのせいで、特定の状況が主人公にとってピンチなのか余裕なのか判断がつかず、感情移入が難しいんですよね。

今回の結界の改変もそうですが、後から「実は~でした」って言われても白けるんだよなぁ……。

限界が設定されているからこそ緊迫感が生まれるし、制約の中で工夫して戦うから面白いのだと思います。

今のところ知らされているヒールの制約と言えば、死者蘇生ができないことと、若干リーチが短いことくらいです。

チート系作品全般に思うことですが、チートで何でもできちゃったら話が盛り上がらんよね……。

なろう界隈では、話の盛り上がりよりストレスフリーが重視されるってことなのかな?

突然暴動を起こす観客

巨大フレア王女の演説を聞いた結果、直前まで公開処刑を楽しんでいた観客が唐突に正義感に目覚め、王国軍兵士に襲いかかります。

「……え、そんな簡単に暴動が起こっちゃうの!?」というのが初見時の率直な感想でした。

王国に対する不満が相当溜まっていたのでしょうかね? あるいは、巨大フレアが歌っていたのは洗脳ソングだったのかも?

あと、フレアの演説がここまで効果的なら最初からやっておけばよかったと思います。

主人公の雑な介入によって村人が何人も殺されてから演説を始めたけど、もっと早く始められなかったのかな?

フレイアは自分の正体に気づいている?

演説シーンを見て気になったのですが、フレイアは自分が元はフレアだったことに気づいているのでしょうか。

これまではフレアになりすまし、お芝居しているだけだと思っていたのですが、今回の描写を見て疑問に思いました。

普通なら、この世界ではフレアしか使えない魔術を自分(フレイア)が使えるのはおかしいと思うはずですよね。

観客も彼女の魔術を見た時「間違いない!」「こんなことができるのはフレア様しかいない」って言ってたじゃん!

いくら記憶を消したと言っても、「もしや自分はフレア王女だったのでは?」と疑いを持つのが自然だと思うのですが。

主人公が上手いこと情報をコントロールして、強力な魔術は誰でも簡単に撃てるものだと思わせているのかな?

それとも自分の正体に気づいてもなお、ケヤルガ様の所有物ですぅ~って感じなんでしょうかね? 謎です。

商人による主人公ヨイショ

コロシアム脱出後のシーンで例の商人が再登場します。第五話で主人公に使えない薬のレシピを売りつけられた人ですね。

主人公は生き残った少年を商人に託しますが、いつの間に味方になっていたのでしょうか?

さらに商人は主人公のことを、「容赦がないように見えて甘い」と評しました。自分を救ってくれたし、少年を助けるために金貨を払ったからだそうです。

主人公が、村が滅んだのは自分の責任であり商人を救ったのも手駒にするためだと言うと、商人はニコニコ顔で「そういうことにしておきましょう」と返しました。

なにこれ? 主人公ヨイショのために入れたシーンだと思いますが、いまさらいい人アピールされても困りますよ。

コロシアムのシーンで散々狂人のような姿を見せておきながら、直後に善人のように描写されるので、どう反応すればいいのやら……。

単にキャラ設定が定まっていないだけなのか、狂っているけどマトモなフリをしている設定なのかわかりません。本気で混乱してきました。

良かった点

予測不能な展開

村人を助けるつもりがあるとは思えない主人公の謎行動、後出しでの結界改変、突然の暴動発生、商人の再登場など、まったく読めない展開は面白かったと思います。

なろう系ってテンプレを使うことが多いので先を読みやすいのですが、今回は予想の斜め上を行く展開で良かったです。

突然喋りだすM男

以前からノルン姫の踏み台にされていたM男が、突然真顔で喋り出したので笑ってしまいました。このギャグセンスはすごい。

よがり声を上げるだけかと思っていたけど、ちゃんと喋れたんですね。状況分析みたいなこともしてましたし、ノルンの副官か何かなのでしょうか?

第七話まとめ

主人公を復讐ごっこを楽しむ異常者にしたいのか、根は優しいダークヒーローにしたいのかよくわかりませんでした。意外と頭を使うアニメなのかもしれません。

次回は魔王と出会うらしいですよ。またハーレム要員が増えますね。

第八話「回復術士は、魔王と出会う!」

今回は作風がガラッと変わりました。今までのイカれっぷりが嘘みたいですよ。

あらすじ

主人公ケヤルガたちはブラニッカの街に到着。この街は、かつて王国に見捨てられたものの、魔族と人間が助け合うことで互いに利益を得ている平和な場所でした。

地元の魔族や人間と仲良く食事をするなど、前回までの殺伐とした内容とは異なり、ほのぼのとしたシーンが描かれます。

そこへ主人公が一周目の世界で倒した魔王イヴが登場。二周目の彼女はまだ魔王候補であり、現魔王によって命を狙われていました。

主人公たちはイヴを狙う賞金稼ぎの襲撃に巻き込まれるも、反撃しつつ逃走。現魔王の心臓を手に入れたい主人公はイヴを説得し仲間に加えます。

気になった点

作風変わりすぎ

これまでの暴力的で陰惨な作風からは打って変わり、平和で優しい雰囲気になっていました。

第七話までは嘘や騙し合いが当然の腐敗した世界が描かれてきましたが、第八話では他者との融和や協力の素晴らしさが描かれています。

ジャンルで言うと、復讐ものからスローライフものに変わった感じ。

これはこれで見やすいのですが、突然の路線変更だったので驚きました。暗い雰囲気が好きだった層はがっかりしたかもしれませんね。

まあ、今後の胸糞展開への前置きなのかもしれませんけどね。上げて落とすやつ。

本筋が進まない

今回は魔王候補のイヴを仲間に加えたわけですが、肝心の勇者に対する復讐に関しては一切話が進んでいません。

現魔王を倒すという展開に興味はそそられますが、メインストーリー置き去りのままサブストーリーが始まったような印象も受けました。

メイン復讐対象の勇者は残り二人しかいないため、彼らを倒したら話が終わってしまいます。それを回避して話を続けるため、ノルン姫や現魔王を出したのかもしれませんね。

この調子で行くと、一期の範囲では残りの勇者に復讐するところまでたどり着けないかも……。

良かった点

細かな伏線回収

フレイアが前回コロシアムで魔術を使った時、杖の宝石にヒビが入るカットがありました。意味ありげだなと思っていたら今回説明してくれました。

フレイアの魔力が強すぎて普通の杖では耐えられなかったということらしい。一周目でフレアたち勇者が持っていたのは、宝玉から生み出され勇者だけが使いこなせる特殊な武具だったようです。

主人公も勇者を倒して専用の武具がほしいんですって。

親しみの持てる脇役

酒場で主人公と相席したモブのおじさんたちが、賞金稼ぎの攻撃に巻き込まれ、壁際で動かなくなっているところを見て少し悲しくなりました。

初登場の名前もないようなモブだったけど、主人公たちと楽しそうに交流している場面があったので、感情が動かされてしまうのですよね。

主人公の育ての親、アンナさんの死亡シーンとは対照的。アンナさんと主人公の交流はほとんど描かれておらず、視聴者としては知らない人の訃報を聞いた感じで特に何も感じませんでした。

 血税

ブラニッカでは税金の一部を血で払ってもいいという話が語られました。魔物の餌にするからだそうです。これが本当の血税……っていうギャグなのかな?

明治時代初期に、兵役の義務を意味する「血税」という言葉が誤解され、生き血を抜かれるというデマが流れたという現実世界の歴史を踏まえているのかも?

第八話まとめ

ハーレム要員を増やしサブストーリーの伏線を張るような回でした。

次回タイトルは「回復術士は、食べ物の恨みを晴らす!」。次もほのぼの日常回になりそうです。

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