アニメ『百錬の覇王と聖約の戦乙女』全話視聴後の感想&キャラのあだ名解説

記事内に広告が含まれています。

2018年夏アニメ『百錬の覇王と聖約の戦乙女』全話視聴後の感想です。ネタバレがありますので未視聴の方はご注意ください。

スマホ兄弟

ネット上では、スマホ太郎の兄弟として話題になっていた本作。デスマ次郎に続く百錬三郎とも呼ばれている。作画をはじめ色々酷いアニメだと言われていたので、ぜひ見てみたいと思った。

ジャンルは異世界戦記ものという感じ。古代世界に召喚された主人公が、不思議な力を持った美少女たちに支えられながら氏族の長として他氏族と合戦を繰り広げる話。

確かに粗が多く完成度が高いとは言えないが、キャラクターは魅力的だし妙にテンポが良いのでネタとして見るなら十分に楽しめるアニメだった。盛り上がりも見どころも無く虚無としか言いようのない『異世界スマホ』とは違う。

正直日常シーンの大半は退屈だが、合戦シーンは非常に面白いのでそこだけでも見る価値がある。いろんな意味で楽しめるぞ。合戦があるのは2話前半、5話、7話、10話終盤、11話。

ちなみに飛ばさず真面目に全話見ても理解不能なシーンが多い。原作ストーリーの極端なまでの省略と、設定の説明不足が原因。

初のアニメ化なのに、冗談で「2期」と言われるほど何の説明もなく話が進んでいく。原作を読んでいないと世界観や設定の理解が困難な構成になっている。

能力ドーピング無し

『百錬の覇王』の主人公勇斗はスマホ太郎と違い、神様などによって能力が底上げされているわけではない。ただのガキである。

魔法のような特殊能力が存在する世界観だが主人公は使えない。ただ一つのアドバンテージが現代から持ってきたスマートフォン。

本作は知識チートの作品で、現代と通信可能なスマートフォンで調べた戦術を使って敵軍と戦う。『百錬』のほうがよっぽど『異世界はスマートフォンとともに。』をしている。スマホを全然活用していないスマホ太郎とタイトルを交換してもいいくらい。

太郎との共通点

『百錬の覇王』の原作はHJ文庫から出ている同名のライトノベル。よく間違えられるが「小説家になろう」産ではない。設定はなろうっぽいけど初めから一般ラノベ。なろうの書籍化とは違う。

とはいえ、異世界でスマホを使う所以外にもスマホ太郎との共通点がある。それは原作がホビージャパンから出版されていること(百錬はHJ文庫、太郎はHJノベルズ)。そしてアニメのシリーズ構成・脚本が一部で評判の悪い高橋ナツコ氏という点。

アニメ『ゆゆ式』が良作だったので個人的には高橋ナツコ氏に悪いイメージを持っていなかったが、一部作品で原作を適当につなぎ合わせただけの雑な脚本を書いたり謎改変を行ったりしたらしく、目の敵にしてる人も少なくないようだ。

なおヒットさせるつもりのない低予算作品でも引き受けてくれる敗戦処理人だという説もある。そのせいで汚名を着せられてしまっているとか。真偽は不明。

何はともあれ『百錬の覇王』もホビージャパンと高橋ナツコ氏という組み合わせ。『異世界スマホ』のように「原作の宣伝になれば十分」という考えで作られていそう。予算が少なくクオリティに期待できない作品だろうと容易に推測できる。

案の定「極端な説明不足に起因する視聴者置いてけぼり展開」&「笑える作画崩壊連発」で、とても味わい深いアニメに仕上がっていた。

CM前後のアイキャッチに大量の文字を詰め込み、設定などを伝えようとしていたが、数秒しか表示されないので常人には解読不能。そういう滅茶苦茶な部分も楽しい。

異世界ヒロイン敗北確定

ちょっと気になったのは主人公が現代に残した幼馴染一筋で浮気しない点。異世界には主人公を好いている美少女達がいるのに全員負けヒロインになることが決定している。

商業上の理由で仕方なくハーレム要素を入れただけで、作者が本当に書きたかったのは主人公と幼馴染の関係だけなんじゃないかと勘ぐってしまう。作者の好きなように書けるなろう作品と違いこれは商業だから色々事情がありそう。

金髪ちゃん(フェリシア)はいつも主人公の隣りにいてメインヒロイン感があったのに単なる腹心としてしか見られていなかった。本人がそのことを知って悲しむシーンもある。異世界のヒロイン達がどうやっても報われない設定にするのはどうなのかな。

スマホ太郎みたいに全員嫁にしろとは言わないけど、一部を男性キャラに変えるとか主人公に恋心を持たないようにするとかしたほうが良いのかもしれない。なんかスッキリしない。

登場人物のあだ名解説

クソアニメ愛好家など本作をネタとして見ている層の間では登場人物があだ名で呼ばれているが、誰を指しているのかや由来が分かりにくいので解説する。

当然公式なニックネームではないし馬鹿にしているようにも聞こえるので純粋なファンの前で使うのは控えたほうが良さそう。

YOU君

主人公の少年、周防勇斗のこと。後述するステインソールを「匹夫の勇(HIPのYOU)」呼ばわりしたことと名前の「ゆうと」から。現代の幼馴染も「ゆう君」と呼んでいる。

時々イキるYOU君だが威厳が無く視聴者の目には可愛らしく映る。登場人物たちは何故かビビってるけどね……。

里芋、ノーフォークアイドル

降伏して主人公の妹分になった敵氏族のボクっ娘宗主、リネーアのこと。ピンクのショートヘアを短くツインテールにしている小柄な少女。

里芋の由来は主人公の「さっさと妹にしておいてよかったぜ」という心無いセリフ(さっさといもうと)。本人としては妹ではなく主人公の嫁になりたいらしい。

領民たちの前でアイドルのような活動をしてノーフォーク農法を広めたのでノーフォークアイドルとも呼ばれる。

酸欠金魚

主人公の幼馴染、志百家美月(しもやみつき)のこと。茶髪のショートヘアでタレ目の少女。

主人公が異世界に飛ばされる現場に立ち会った女の子で、現代からスマートフォンでサポートしてくれる。主人公とは両思いらしい。

「酸欠金魚」の由来はエンディングの映像で口をパクパクさせている所が酸欠の金魚を連想させるから(動画参照)。ニコ動のコメント由来らしいけど初めに言いだした人のセンスが凄い。

金魚は水中の酸素濃度が低下しエラ呼吸で十分に酸素を取り込めなくなると水面近くで口をパクパクする。

外来種金魚、古代魚

酸欠金魚こと美月に瓜二つの神帝、シグルドリーファのこと。髪の色は美月と異なり2Pカラーという感じ。

外来種というのは美月が日本人であるのに対してリーファは外国人だから。また、古代世界の住人で酸欠金魚にそっくりだから古代魚。それにしてもひでぇあだ名だ……。

OP映像の最後に二人が並んでいる絵が出るので、それを見ると違いが分かりやすい。

HIP

巨大なハンマーで無双する敵氏族の宗主、ステインソールのこと。赤い髪の青年。魔法のような力を二種類持っていて非常に強い。主人公にとって最大のライバル。

YOU君は彼のことを何故かとても嫌っており、しょっちゅう「あの馬鹿」呼ばわりしたり「匹夫の勇(HIPのYOU)」だと見下したりする。

「匹夫の勇(HIPのYOU)」とは思慮も分別も無い、腕力に頼るだけのつまらない勇気の意味。劇中で登場人物が説明してくれる。

ステインソールが主人公の陣に突撃した際の金髪ちゃん(フェリシア)のセリフ「その匹夫(HIP)が突っ込んできます」からHIPと呼ばれるようになった。

一度敗北しても成長して帰ってくるし、自ら先頭に立って戦うのでYOU君より主人公らしさがある。一昔前の熱血系主人公みたいで魅力のあるキャラクター。

ヤク中の渋谷凛、しゃぶりん

主人公の部下で頬のこけた長髪の男、スカーヴィズのこと。実は自軍で一番強いらしい。主人公を影から支える有能な人物。ただロクに紹介もなく突然登場するので視聴者は困惑する。「誰この人?」。

あだ名の由来は、顔や髪型が『アイドルマスターシンデレラガールズ』の渋谷凛に似ており、頬がこけている所が薬物中毒者を思わせるから。

その他

逆恨みで主人公に襲いかかってくるフヴェズルング(ロプト)は、仮面を付けた義理の兄だから仮面兄貴。彼の妻シギュンは、褐色とか暗黒盆踊りおばさんと言われている。肌の色と術を使うときの奇妙な踊りが由来。

他のキャラは大体髪の色で呼ばれる。金髪、銀髪、オレンジ等。

おわりに

なんとも酷いあだ名ばかり。あくまで紹介しただけで筆者に本作品やキャラクターを誹謗中傷する意図はありません。

次からは各話の見どころと感想を書きます。

次の記事:【序盤は微妙】アニメ『百錬の覇王と聖約の戦乙女』1話から4話の面白シーン紹介&感想

『百錬の覇王』関連記事一覧はこちら

タイトルとURLをコピーしました