なろう系アニメ『失格紋の最強賢者』1~6話の感想

記事内に広告が含まれています。

第5話「最強賢者、仲間を得る。」感想

前回の話では、女の子の姿になった竜イリスを学園に編入させることに成功しました。今回は、3人目のヒロインとなったイリスが活躍します。このアニメ、女の子を可愛く描いてるのはいいですね。

第5話あらすじ

イキった第一学園校長に喧嘩を売られ、対抗戦を行うことになりますが、主人公が育成した第二学園生徒は圧倒的な力で勝利。

主人公一行はダンジョンへ向かい、イリスとは別の竜を討伐し魔石を入手。地上に戻った主人公はヒロインたちに特訓をさせるという話です。

それでは、気になった点について。

噛ませ校長

冒頭、主人公の所属する第二学園の生徒たちがダンジョンで結界の材料を採掘していますが、なんで普段の制服のまま鉱山労働してるんですかね? 作業着とか、体操服はないのか? 汚れるでしょ?

さて、採掘が期待通りに進んでいないことを知った主人公は、第一学園に協力を求めることにしますが、第一学園の校長は要請を拒否。第二学園を見下し、上から目線で罵倒してきます。

この第一学園校長、噛ませ犬感が凄いですね。不愉快な言動でヘイトを集めた後、主人公に倒されるためだけに存在する舞台装置、いわゆる「やられ役」としか思えません。

これはなろう系作品なので「ざまぁ対象者」と言ったほうがいいかな? 視聴者・読者をスッキリさせるためだけに登場する哀れなキャラクターですね。

なろう系において主人公に敵対する者は、同情の余地がない悪であり、性格も最悪じゃなきゃ駄目なんですかねぇ? 魅力ある敵が出るなろう系作品って少ない気がします。

主人公はそんな第一学園校長を見て「うわぁ、既視感のあるキャラ」と言い、幼少期を回想していますが、視聴者にとっては初見のシーンなんですよね。

アニメ版では幼少期パートが丸ごとカットされているので、視聴者には既視感がないです。「この人誰だよ?」って感じ。

カットについてアニメスタッフは当然知っているのだから、このセリフは削除するなり差し替えるなりすればいいのにね。原作orコミカライズを読んでいることが前提の、一見さんお断りアニメってわけではないでしょう?

対抗戦ふたたび

校長が前述のような感じなので、第一学園の協力は得られそうにありません。

そこで主人公の提案により、「負けたほうが買ったほうの言うことを聞く」という条件で、第一学園と第二学園が再び対抗戦をすることになります。結果は言うまでもないですね。

戦闘シーンはギャグ調の崩した絵で描かれ、今までとは少々雰囲気が違いました。個人的にこういう絵柄は嫌いじゃない。

第一学園校長は予想通り哀れな結末を迎え、「ざまぁ」されることになりますが、詳細は本編で確認してください。

あと今回も国王が登場するけど相変わらず無能っぽかったです。主人公にとって都合の良い行動しかしないので、洗脳でもされてるんじゃないかと疑ってしまいますよ。

魔石探し

主人公は取り巻きの女の子たちを連れ、結界の核になる魔石を探しにダンジョンへ出発。「前世の俺SUGEEEE」をしつつ、彼女らにモンスターを狩らせます。

主人公自身は戦わず高みの見物なんですよね。運動部の監督みたいな感じで「順調に成長してる……」とか言ってます。主人公がヒロインたちより圧倒的に強いのは分かるけど、上から目線で少々感じが悪いですね。

あと、ヒロイン(金髪)が主人公に手を触られ、戸惑って顔を赤らめるシーンは違和感がありました。自分から主人公に抱きつくようなキャラだったのに、手を触られたくらいでその反応はおかしいやろ??

公式のキャラ紹介に「スキンシップは多め」と書かれているのに、今更恥ずかしがるのは変ですねぇ……。

これって、主人公の好感度を稼ぐため、オーバーなリアクションをしてるんですかね? 清楚な女を演じているのか? だとすると怖いです。まあ、単純に作者がキャラの設定をしっかり定めていないため、場面ごとに性格にブレが出ているだけかもしれないですが。

ドラゴン対ドラゴン

大きな魔石を手に入れるため、魔法陣を組んで魔物の召喚を試みます。ところが、ドラゴン娘イリスが魔力を注ぎすぎたせいで、巨大なドラゴンが召喚されてしまいます。

主人公はイリスに、モブのドラゴンを説得(実際は挑発)するよう命じ、「羽つきトカゲ」というドラゴンに対する最大級の侮辱ワードを言わせます。

いや、イリスって人間に化けてるだけで正体はドラゴンでしょ? その侮辱は本人にも返ってくるんじゃないですかね? この子にはもはやドラゴンとしてのアイデンティティが残っていないのか? しかもこの後、同族殺しをやることになりますからね。

主人公の作戦は大成功。めでたしめでたし。主人公はイリスをパーティの正式なメンバーとして認めます。

サブタイトルの「仲間を得る」というのはイリスのことだったようです。新キャラが出るという予想は外れました。

ということは、まだ仲間扱いしてなかったんですね。地味にひどくね? 主人公とドラゴン娘は前世からの仲なのにね。現世でも魔族の村まで往復したり、入学試験を一緒に受けたりしたのに、他人扱いだったとは。薄情なやつだなぁ……。

また、主人公はイリスの戦闘を観察し、パーティに入るべきか審査していたようです。いやいや、初期ヒロイン二人より彼女のほうが圧倒的に強いのだから、入れない理由がないでしょ? わけがわからない。

人間の少女二人はイリスに比べれば取るに足りない雑魚なんだよなぁ……。主人公に鍛えられ強くなったとはいえ人間の範疇を超えてはいませんし、戦闘で使えるのは曲がる矢と付与と剣のみですよ。

一方のイリスはワンパンで巨大なドラゴン吹き飛ばせるし、踏み潰されても死なない程頑丈な体を持っています。むしろ人間の女二人をリストラしてイリスだけでもいいでしょ?

まあ、そういうことを言い出したら主人公以外必要なくなりますけどね。

特訓

学園に戻った主人公はヒロインたちに特訓をさせます。足場を悪くするため校庭をボコボコにした主人公ですが、これ能力で直せるんでしたっけ?

なおこの特訓シーンでは、金髪ヒロインが自分から主人公の手を握ってますね。顔を赤くしてないです。やっぱ不審ですね。なんか計算づくでかわいこちゃんを演じてるみたいで怖い。腹黒なのか?

某人気ラブコメアニメで、表では主人公に媚びつつ裏では酷いことを言っている腹黒ヒロインを見てしまったので、本作ヒロインも疑ってしまいますよ。

一方、ドラゴン娘はアホっぽいですが、裏表がなさそうなのがいいですね。安心感が違う。

おわりに

ラストシーンで魔族の黒幕みたいなのが登場。波乱を予感させつつ第5話は終了です。

最後に絵についてですが、今回はデフォルメが多めでした。今までとはちょっと雰囲気が違う感じ。あと、コミカルな演出が良かったです。ドラゴン娘イリスがモブドラゴンから逃げてぴょんぴょん跳ぶ所は楽しかった。

静止画を使うシーンもありましたが、イリスの戦闘シーンはそこそこ動いてましたね。モブドラゴンの体を走って登りパンチするシーンはカッコ良かったです。

ストーリーはそこまで面白くなかったのですが、映像として見る分には楽しめたかも。

ただ相変わらず露骨な主人公アゲが続きますね。正直言ってしつこい。この手のサービスはちっとも嬉しくないので止めてほしいです。むしろ不愉快なんだよなぁ。

アニメ媒体のなろう主人公に自己投影して気持ちよくなれる層が存在するってことなんですかね? 主観に近い感じで読める小説版ならまだしも、映像で客観的に主人公を見せられると、自分を投影するのは難しくないですか?

個人的に、薄ら笑いを浮かべながら格下を潰していく主人公は好きになれませんし、彼の視点で見るのは無理です。

でも本作は「dアニメストア」で大人気ですし……。筆者みたいな感想を持つ奴のほうが少数派なのかな?

次回、第6話のサブタイトルは「最強賢者、学園を出る。」

主人公は早くも学園を辞めてしまうのでしょうか!? 楽しみですね!!!

【広告】

失格紋の最強賢者 〜世界最強の賢者が更に強くなるために転生しました〜

第6話「最強賢者、学園を出る。」感想

今回で話に一区切り付きます。学園編(?)はおしまいに。

第6話あらすじ

ついに魔族の軍団が王都に迫る! 主人公はヒロインや学園の生徒と協力して迎え撃ちます。

大きな目標を達成した主人公一行は、冒険の旅に出るという話でした。

今回も気になった点を書いていきます。

魔族に詳しすぎる主人公

冒頭の絵面がシュールでした。第二学園の生徒たちがきれいに間隔を開けて整列しています。ソーシャルディスタンスなのでしょうか? 緊張感があるシーンのはずなのに、間の抜けた画面に笑ってしまいました。

校長は結界の構築を始めることを宣言。一方、ダンジョン内で何やらよくわからない作業をしている主人公は、「魔力装置が異常な動きを感知した」という報告を受けました。魔族が現れたようです。

タイミングが良すぎるので、情報が漏れてるのではないかとヒロインの二人(ルリイとエルマ)は訝ります。しかし主人公は魔族の移動魔法に反応しただけだと語り否定。

いつもながら主人公は魔族の動向に精通していますね。やっぱこれ、主人公が黒幕で魔族をけしかけてるパターンじゃないの?? 自作自演の戦争で利益を得ようとしているような気もします。まあ、なろう系の場合、そういったどんでん返しはないのでしょうけど。

ヨイショ用モブ子?

作業中で手を離せない主人公は、ヒロイン二人に魔族の迎撃を命じます。

魔族の出現地点に到着したヒロインたちは、魔道と呼ばれる異空間(?)から出てきた魔族を矢と剣で瞬殺。

なんかこの子たち急に強くなりましたね。作中では前回からどれだけの時間が経過したのでしょう? 短時間の訓練でここまで強くなれるのかな?

ところで、ヒロイン二人に同行しているモブの女の子が気になりました。この子は何者なのでしょうか?

何の説明もなく登場し、さも以前からいたように振る舞っているけど、視聴者はこんなやつ知らないんだよなぁ……。

モブの女の子は、ヒロイン二人が全力疾走しても息切れせず平然としていることが信じられない様子。さらに、付与魔法と矢のコンボで魔族を瞬殺したことにも驚愕します。

もしかしてこの子は、ヒロインたちをヨイショするために配置されたキャラなんでしょうかね? 主人公のおかげで強くなったヒロインを称賛すると、間接的に主人公を称賛することになりますからねえ。

あと、三人が走っている所を前から映したカットですが、モブの腕の動きが変じゃなかったですか?肘から先しか動いていないので違和感がありました。

ただこれ、運動が苦手な感じを演出するためにあえてそう描いた可能性もありますね。作画クオリティが低いというわけではないのかも?

移動魔法の犠牲大きすぎ

王都から強い魔力を感じ、すぐに引き返すヒロインたち。主人公が言うには、二人が感じた魔力の正体は魔族が使う魔道より高位の魔法なのだそうです。

魔族は仲間を生贄にすることによって長距離移動ができるんですって。なんか、効果に対して犠牲が大きすぎじゃね?

移動するためだけに仲間一体の命が必要というのは割に合わない気が。よっぽど上手に使わない限り、犠牲の方が大きくなると思います。

そもそも魔族って数が少ないという設定でしょ? 貴重な戦力を自ら減らす自滅技にしか見えないんですが。

しかも魔族は、背面から奇襲するわけではなく、バカ正直に真正面から襲ってきてますからね。生贄を使ってまでワープする意味がなさすぎる。マジで魔族はアホですね。

ところで以前登場した、王都から4500km離れた村に逃げた魔族も仲間を生贄にして逃走したのかな?

付与魔法には期限がある?

襲ってきた魔族を迎え撃つ学生たち。しかし今回の魔族は強く、通常の攻撃が通じません。ルリイが魔法を付与した矢で倒すしかないようです。

何回も付与を試しますが失敗が続き、このままでは仲間がやられてしまうと焦るルリイ。緊迫感のある場面ですが、予め付与しておくわけには行かなかったんですかね? 付与の効果は長持ちしないという設定があるのかな?

なんとか魔族一体を倒すことに成功したヒロインたちですが、追加で複数の魔族が現れました。魔族たちは余裕しゃくしゃく。「誰が一番殺せるか競争するか」などと言っています。

余談ですが、なろう系アニメ『賢者の孫』では、主人公サイドの人間が同じようなセリフを吐いていたんですよね。あの作品はところどころ倫理観がおかしかった気がします。

絶体絶命!ここままではみんなやられちゃう!というところで、予想通り主人公が登場。魔族たちは数秒で狩りつくされてしましました。

いや、早く来いよ主人公……。主人公がいれば苦戦することもなかったのにね。結界の準備がそんなに大変だったのかな?

メタ的見ると、ヒロインたちを活躍させるため&緊張感のあるシーンを作るため、主人公にはしばらく引っ込んでいてもらう必要があったのかもしれません。

大人がいない設定?

魔族を撃退したものの、次は大量の魔物が街を目掛けて押し寄せます。

それにしても、街を守るため戦闘してるのは第二学園の生徒と校長だけなんですよね。前から思っていたけど、この国には成人の兵士がいないのでしょうか?

なお、学園生徒の年齢は、現代日本の中学生相当です。第1話は12歳になった主人公が学園に入るという話でしたし。

すなわち中学生を兵士にして国を守らせているってことになります。冷静に考えるとイカれた世界ですね。子供が前線で戦うなんて、もう滅びかけの国なのかなって感じ。

本編では描かれてないけど、何度も戦争があって成人の兵士はみんな戦死したという設定なのでしょうか? 子供と老人しか生き残ってないのか?

というか、第一学園の生徒はどこに行ったんでしょうね? 彼らは生きてるはずでしょ?

まあ、前回の対抗戦を見て分かるように、戦力としては第二学園に及びませんからね。足手まといになるので前線には出ず、どこかに避難でもしてるのかな?

強すぎると盛り上がらない問題

罠と第二学園生徒の奮闘により雑魚を狩った後、主人公一行が参戦。大きな魔物と戦います。

主人公はドラゴン娘イリスを放り投げ、魔物にぶつけて倒しました。イリスが出るとリアリティラインが変わり、急にギャグ調になりますね。

その後、融合によって巨大な魔物が現れますが、主人公にとっては雑魚でしかなく素材と経験値稼ぎの対象としてしか見られていません。

うーん……こいつがいると緊迫感ある戦いが描けなくなるのは事実よな。この作品に限りませんが、主人公を強くしすぎると盛り上がるシーンが作りにくくなりそうです。

毎度のことながら理屈をあれこれ語りながら戦う主人公。魔物の首を切って倒します。

銀髪ヒロインアルマの「たおせたのー?」の言い方がなんか好きでした。声をひそめて尋ねる感じ。声優さんの力は大きい。声が付くだけでキャラに厚みが出るのは良いですね。

サブタイトル回収

主人公は校長に、学園を辞めて旅に出ることを告げました。

校長は主人公の実績を利用したいので、特殊特待生として籍を残すことを提案。さらに、ヒロインたちにも同じ条件を提示し、主人公と旅に出ることを許可してくれました。

そういうわけで、四人は学園を離れ旅に出ることになります。ただ個人的に思うのですが、ヒロインたちはドラゴン娘を除き、学園に残って勉強を続けたほうが良かったんじゃないかと。

主人公は中身オッサンですし、ドラゴン娘は5000年以上生きてるので構わないのですが、残り二人はあくまで(年齢的には)中学生ですよ。戦闘以外にも学ぶべきことがあるはずです。

せっかく学園に入ったのに知識教養を身に付けぬまま出るのはもったいない。

まあ、中世風異世界なので、大多数の庶民は学校なんて行かないのかもしれんけどね。教養など不要で、学校を卒業しなくても問題なく生きていける世界なのかもしれません。

ただ、二人はそれなりにいいとこの娘だと思われます。主人公に付いていくと脳筋のパワー馬鹿になりかねん。親が悲しむかもよ?

銀髪ヒロインのアルマは、親の言いつけで嫁がされるのが嫌で学園に入ったので問題ないかもしれませんが、金髪ヒロインルリイの方はどうなんでしょう。出自は語られていないけど、お嬢様っぽいし多分どこかの偉い貴族の娘なんだと思います。

原作にはヒロインの生い立ちが書かれてるんでしょうかね? なろう作品の場合、作者がキャラの出自・経歴を知らないことがあるので怖いんですよね。この作品がそうなのかは分かりませんが。

おわりに

なんだか相変わらず展開が速かったですね。たった1話で魔族・魔物との決戦があっさり終わり、学園を出るシーンまでやってますからね。

この前学園に入ったばかりのドラゴン娘が、すぐ出ることになったのはちょっと不思議な感じもします。

実際、作中では何ヶ月も経過しているのかもしれませんが、視聴者からすると数日で様々な出来事が起こったようにも見える。

ただまあ、ダラダラやられるよりはよっぽどいいですね。突っ込みどころが多いアニメですが、テンポが良い所は好印象。見ていて眠くなる冗長なシーンが無いのは非常にありがたいです。

なんだかんだ見やすいアニメですよ。

(7話以降はこちら↓)

なろう系アニメ『失格紋の最強賢者』7~12話の感想

【広告(原作小説)】

タイトルとURLをコピーしました