なろう系アニメ『失格紋の最強賢者』7~12話の感想

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第9話「最強賢者、決闘する。」感想

前回のダンジョンで焚き火をしているシーンから始まります。

第9話あらすじ

他国にある魔族の探知装置を目指して出発した主人公一行。しかし装置のあるエリアに入るためにはAランクの冒険者になる必要がありました。

主人公は、初登場のライバルキャラっぽい雰囲気の男性と決闘することになります。

魔族捜索装置

主人公は探知装置を使って魔族の親玉の居場所を調べたいと言いますが、そんな装置が存在することさえ知らないヒロインたちは、彼が使い方まで知っていることを不思議がります。

毎度のことですが、この装置も前世の主人公が作ったものなので知っていて当然なんですね。

主人公は、そのことをうっかり話してしまいそうになりますが、ドラゴン娘のイリスがいいタイミングで咳き込んでくれたおかげで隠し通せました。

この咳、たまたまですよね? 普段はおバカキャラのイリスが、気を使ってフォローしてくれたわけじゃないよな?

そういえば、人間のヒロイン二人は主人公が転生者であることを知らなかったんですね。正体を知っているのはイリスだけだったか……。

もし主人公の中身オッサンだとバレたらどうなるんでしょう? 金髪ヒロインのルリイは主人公に惚れてるみたいだけど、急に嫌いになったりするんでしょうかね?

なお、ルリイは10代前半だと思われます。中身オッサンの主人公が、そんな年端も行かない娘に好意を持っているというのは冷静に考えると結構ヤバい。ロ●コンおじさんじゃんね。

なお、ヒロインの年齢ははっきり描写されていないものの、第1話にて12歳になった主人公が入学試験に向かったことが語られています。

現代日本の学校のように年齢で入学するシステムかどうかは不明ですが、キャラの見た目の感じでは、主人公とヒロインは同じくらいの年齢でしょうね。つまり12歳の可能性もあると。

【回復】のヒロインも13歳前後だったし、なろうではそれくらいの年齢のヒロインが人気なんかね?

学園建て替え

探知装置は他国にあるので、一度王都に戻って王様の協力を仰ぐことに。OPが終わり、Aパートが始まると、主人公たちは王都に戻っていました。

この前旅立ったばかりなのに、早速戻るんですねぇ! しばらくは冒険を続けると思ってましたよ。

主人公一行が学園を訪れると、何故か校舎がなくなっていました。魔族の襲撃に備えるため、全部壊して新校舎を建設するそうです。

学園を要塞化するという発想も謎ですが、個人的に一番不思議だったのは大工がおらず生徒たちだけで建設を進めていること。

第6話で魔族が攻めてきた際も大人の兵士や戦士はおらず、学生たちだけで迎撃していましたが、この世界には大人が少ないんですかね?

やっぱり大戦争か何かで成人男性の人口が極端に減ってる設定なのかな?

出国許可が下りるまで、主人公たちも建設を手伝うことになります。現場で柱の材質などあれこれと指示を出す主人公。

これ、校長や学生たちはろくな知識もなしに建設を進めていたように見えてしまうんですよね。もし主人公たちが帰ってこなかったら、マトモな建物にならなかったんじゃないの?

まあ校長は大工じゃないですし、工法を知らなくても仕方ないのですけど。でも学園に建築を知ってる教師はいないんですかね? 第一学園にも協力してもらっているのにね。

そもそも素人がDIY感覚で作った校舎や要塞が使い物になるのか疑問です。欠陥住宅不可避では? 床が傾いてそう。

この世界では魔族のせいで、無詠唱魔法だけでなく建築技術も失われてるのかなぁ……。大工という存在がいないのかもしれん。それとも単純に金をケチるためにDIYしてるんでしょうかね?

近世日本風の街並み

建設パートはあっさり終了。すぐに出国許可が下り、外国へ出発します。

例の装置があるのは立ち入り規制区域らしいですよ。そこに入るためには、冒険者ランクを上げないといけないので、まずはその国の冒険者ギルドに行くようです。

道中、ドラゴン娘イリスが道端の花を旨そうに食べており、妙に癒やされました。……いや、草食動物だったのかコイツ? 肉だけかと思っていたけど何でも食えるんですね。

にしても雑草を味わえるイリスが吐いてしまったスープ(第7話参照)というのは、どんだけ不味かったんでしょうね?

そんなこんなで外国の街にたどり着いた主人公一行ですが、そこには異様な風景が広がっていました。

日本風のお城を中心に日本家屋がズラーッと立ち並んでます。なにこれ……?

中世ヨーロッパ風異世界だったのに、突然和風の街並みを出さないでくれよ! 外国という設定とはいえ、歩いてすぐたどり着ける距離なのに文化が違いすぎるやろ!!

そういえば謎の和風世界は『異世界スマホ』にもありました。にしても流石に王都から近すぎないか……。この距離感で文化が一変するのは異常です。

日本からの転生者が作ったとかの裏設定があるのかな? ちなみに『回復術士のやり直し』や『俺だけ入れる隠しダンジョン』の世界には日本から転生者が来てるらしいですよ。

また、なぜか冒険者ギルドの建物だけは普通にヨーロッパ風なんですね。チグハグ感がすごい。

謎の男キャラ登場

主人公は昇格試験として、戦闘狂のSランク冒険者ギルアスと模擬戦をすることになります。この男はデザイン的にモブっぽくないですねぇ。ライバルキャラっぽい。

でも、これはなろう系。男ってことは噛ませ犬なんですかね?

彼はこの辺りでは有名な冒険者で、強大な魔力を秘めているらしいのですが、主人公にとっては格下。手を抜いて戦います。剣で打ち合ってキンキンキンキンキン。

この男は、本作では珍しく有能キャラみたい。主人公の技をすぐに【模倣】して習得しました。まあ、それでも主人公には全く歯がたたないんですけどね。結局主人公が無傷で勝利しましたよ。

やっぱ主人公最強系は盛り上がらんなぁ……。構造的にどうやっても盛り上がらん。

模擬戦終了後、自身の作った教科書を戦闘狂の男に渡し、マウンティング(?)する主人公。その本の内容を覚えて実践しろみたいなことを、上から目線で言い放ちます。

男は「馬鹿にしてんのか?」と言いますがその通りですよね。主人公に悪意はないかもしれないけど、ナチュラルに上から目線で感じが悪い。

主人公に言いくるめられ教科書を読み始める男ですが、頭から湯気を出し頭痛を訴えます。脳筋で本が読めない性分らしい。最初は強キャラっぽかったのですが、情けない所を見せ急に噛ませ犬っぽくなりましたね。

まさか主人公のライバルになるのか? と思ったけど、そんなことはありませんでした。なろう系には主人公より優秀なキャラを出しちゃ駄目という暗黙のルールがありそう。

噂によると一部のなろう読者は、ストレスフリー展開じゃなくなると怒り出し、コメント欄で作者に罵詈雑言を浴びせるみたいですし。

それにしても、この戦闘狂の男は変な立ち位置のキャラですね。ライバルでもなければ、噛ませ犬でもない感じ? その中間の描かれ方でした。

コケにされ続けるわけではなかったですね。旅立つ主人公に行き先の街の情報を教えてくれましたし、別れる時には頼れる仲間感を醸し出していました。

今後はどういう扱いになるんでしょうね? 下手すりゃアニメ化範囲ではもう出ないかもしれんが……。

検問の向こうには…

ランク上げが完了した主人公たちは、街を後にして検問所へ。無事通ることが出来たのですが、渡された通行証に魔族の暗号が刻まれており、チンピラが襲ってきます。

また魔族が糸を引いてるんですね。魔族あちこちに蔓延ってんね! 数少ないんじゃなかったっけ?

主人公の小細工でチンピラを無力化して次回へ続きました。

おわりに

今回はなんとも言えない内容でした。不思議なシーンがたくさんあり、ある意味面白かったかも。

学園を全部壊して建て直す、隣国に江戸風の街並みが広がっている、噛ませ犬になりきれない男性キャラが登場するなど、意外性があったのは良かったです。

あと、第9話も終わりましたが、物語の終盤という感じがしませんね。道中の描写は楽しいけど、序盤~中盤っぽさが漂ってる。なんだかんだ平和なんですよね。

ただ、魔族の親玉を倒すという物語の目的が示されている点は評価できます。なろう系アニメには、特に目的もなく異世界を徘徊する話が多いですからね。本作は終着点が分かりやすい分、見やすいです。

次回、第10話サブタイトルは「最強賢者、連携する。」

誰と連携するんでしょうかね?楽しみです!

第10話「最強賢者、連携する。」感想

前話ラストシーンの直後から始まります。

第10話あらすじ

主人公一行は探知装置のある街にたどり着きますが、この街も魔族の集団に乗っ取られていました。住人を洗脳し恐ろしい兵器の開発を進めていた魔族の集団に攻撃を仕掛け壊滅させるまでの話です。

ラクガキ

前回ラストシーンのチンピラを倒した直後から始まりました。ドラゴン娘イリスが、眠っている銀髪ヒロインアルマの顔にラクガキします。

この子普段は人間なんて眼中にない感じだったけど、何か恨みでもあったんですかね? あのスープの件を根に持ってるのか?? すごく悪い顔してたけど、ただのイタズラだったのかな?

ところでなろう系作品の傾向として、ヒロイン同士が交流する描写が少なくなりがちだと言われます。基本的に主人公中心で物語が構成されているので、主人公と各ヒロインの交流は描かれても、ヒロイン同士が会話したり仲良くなったりする描写は少ないようです。

主人公との交流というのは基本的にヨイショ・称賛になってしまうので、他のキャラとの絡みがないと素の人格が分からない。なろうヒロインは人格が薄いとか、オ○ホとか、トロフィーワイフなどと言われるのも、それが原因なのかもしれません。

そういう観点では、今回のラクガキエピソードは悪くないのではないでしょうか。何を考えてるのか分からず超然としている所がイリスの魅力ですし。

魔族に支配された街

主人公一行が到着した街は魔族だらけでした。

やっぱりな……。前回(第9話)を見た視聴者はみんな予想してたでしょ。

魔族は群れないはずなのに沢山いるのはおかしいと抗議するヒロインたちに、「よく覚えてたな」と上から目線で応じ、講釈を垂れる主人公。

街にいるのは厳密に言うと魔族ではなく、「亜魔族」だそうです。珍しい亜種なんですって。

なお、この場面の背景のイメージ画像(亜魔族の影絵みたいなやつ)は、なんとなく可愛らしい。ポップでファンシーな感じでした。

あと、イリスが主人公の話に一切興味を示さず、呆けたような表情で突っ立っていたのが妙に面白かったです。人間とは別の次元で生きてるな。

ゾンビ化

主人公は秘密の入り口を発見、下水道から街に潜入します。毎度のことですが、主人公はなんでもお見通しですね。説明はなかったけど、もしや転生前の時代からあったから分かったのかな?

下水道のネズミにビックリして、とっさに主人公に抱きつく金髪ヒロインのルリイ。ここ数回はこういうシーンがなかったけど、スキンシップが過剰という設定は忘れられてなかったんですね~。

落ち着きを取り戻し、抱きついたことを平謝りする金髪ちゃんですが、これ演技じゃないんですよね? 演技か素かによって、キャラの評価が変わりますね。

計算でやってるならとんでもないビ○チだぞ。あざといなぁ~。

あと主人公の青臭い反応も気持ち悪い! 中身が中学生なら微笑ましいけど、転生者のオッサンだぞ!

その後、壁に入り込んで見張りを無力化する主人公。壁抜け魔法便利すぎじゃないか……。まさにゲーム的な意味でのチート技ですね。あと、亜魔族は皮膚が青いんですね。

下水道から地上に出ると、街の人達は全員目がイッてました。口を開けて、フラフラとゾンビみたいに徘徊しています。

亜魔族がヤバいお薬でも撒いたんですかね?

主人公たちが調べたところ、街の人達は魔法で洗脳され、人類を滅ぼすための兵器を製造させられているようです。

敵の目的が分かった主人公は亜魔族の殲滅を決意。いつも通りですね。

ところで、洗脳されたフリをして工場に侵入する必要はなかったのでは? さっきの壁抜けを使えばよかったじゃん…。

作戦要る?

わざわざ回りくどい作戦を立て、亜魔族を一体ずつ狩っていく主人公ですが、そんなことをしなくてもゴリ押しで勝てるように見えます。主人公かイリスだけで十分勝てそう。

連携がどうとか、「仲間は頼もしいものだな」とか言ってるけど、そんなもの不要では? 主人公とイリスの負ける所が想像できない。

実際イリスを斬ろうとした亜魔族の剣が砕けてるんですよね……。相手の攻撃が通らないんだから、負ける要素がないでしょ。

正直、主人公側の一方的な虐殺にしか見えませんでした。正面突破でも勝てるのに、壁や地中からニュッと現れ背後から不意打ちするのはセコくないですか?

そもそも圧倒的に強い主人公サイドが奇襲をする意味はあるのか?

あと主人公が魔族を「何人」ではなく、「何匹」と数えているのは感じ悪かった。敵とはいえ、高い知能があり言葉の通じる相手を動物扱いするのはヤバい。サイコな感じで一切好感が持てないです。

無意味な助っ人

主人公たちが亜魔族の大半を倒した後、前回の戦闘狂男ギルアスがやってきて、残った敵をバサバサと斬っていきます。サブタイトルの「連携する」ってこういうことか~。

しかし、なぜここで加勢……? 作劇上の意味がわからない。

圧倒的に優勢だったのに、助っ人が来ても意味がないでしょ? こういうのって、主人公のピンチに現れるから熱い展開になるのであって、圧倒的に有利な状況で現れても茶番にしかならないのでは?

しかもこいつ、呼ばれてもないのにしゃしゃり出ておきながら苦戦してるんですよね。何しに来たんだよ! 全くいらんやろ!

これってもしかすると、設定上の都合で主人公が苦戦する展開を描けないから、別のキャラに苦戦してもらっているということなのでしょうか?

主人公が強すぎる設定である以上苦戦すると矛盾しますし、主人公が追い詰められる展開を書くと、なろう読者から怒られます。

でも、苦戦しながらなんとか勝利する熱い展開も書きたい。だから、サブ主人公みたいなのを出して苦戦させたということなのでしょうか?

まあ、現主人公のマティアスくんには撤退してもらって、ギルアスが主人公になったほうが面白そうではある。

おわりに

今回も変な展開が多かったです。でもアニメとしては悪くない気がします。ヒロインたちの見た目は可愛らしいですし、ポップな演出を入れつつ、話がサクサク進むので見やすい。

ただ、主人公が常にドヤ顔でイキっているのは個人的に不快要素ですね。

しかし、そういう感想を持つのは少数派かもしれません。主人公がイキってる所を見たいという需要があるので、この手の主人公はいなくならないんでしょうね。

次回、第11話は「最強賢者、強敵と相対する。」

「最強」である主人公に、「強敵」などというものが存在するのでしょうか?

とはいえ最終回も近いので、ついに主人公を苦戦させる敵が登場するのかもしれません。楽しみですね!

(第11話感想は次のページへどうぞ)

第11話「最強賢者、強敵と相対する。」感想

前話の戦闘が終了したところから始まりました。

第11話あらすじ

遺跡に到着した主人公は、探知装置を起動させます。魔族の親玉の正体が分かったものの、封印が解け、人類を滅ぼす前段階として主人公を始末しようと襲ってきます。ラストバトルの始まりです。

街を解放

戦闘狂の男ギルアスが倒した亜魔族の体が動き出し、喋り始めます。なんと魔族の親玉が遠くから死体を操っているようです。親玉はもうすぐ封印を破壊して完全に復活するそうですよ。

……あれ? 魔族の親玉ってまだ復活してない設定だったんですね。前世の主人公を知っていると言ってたので、超長生きなのは知っていたけど、普通に部下に司令を出していたので封印されているとは思わなかった。これまで封印について言及されてましたっけ?

亜魔族の支配から脱した街ですが、領主がいません。そこで、ギルアスが特別な権限を使い、街を指揮下に入れました。

この国ではSランク冒険者に強い権限が与えられているみたいですね。社会制度がちょっとおもしろい。ヒロインが驚いている所を見ると、この世界でも珍しい制度ということなのかな?

主人公一行は、探知装置がある区域へ入る許可証を貰い、ギルアスに別れを告げます。ただ主人公は相変わらず上から目線で、

「次に会うときにどれぐらい成長しているか、楽しみにしていよう」

などと抜かしています(本人に直接言ったわけではなくモノローグですが)。

ここまで頻繁にマウント描写を入れないといかんのですかね? 個人的には、主人公の好感度が下がるだけだと思うんだけどな……。なろうファン的には嬉しくなる所なのかな?

遺跡に到着

検問を抜け、山に登り、草をかき分け、目的の装置がある遺跡に到着します。

前世の自分が遺跡を作ったことを、ヒロインたちには秘密にしておこうとする主人公ですが、つい口を滑らせ「(自分が)作った」と言ってしまいます。

一瞬不思議そうな顔をする金髪ヒロインのルリイ。しかし、直後のシーンで、初めて訪れた遺跡なのに隠された入り口を知っている主人公はすごいと、目を輝かせて称賛します。

この調子だと主人公の秘密がバレることはなさそうですね。なろう系作品ではおなじみのヨイショムーブをしてくれたおかげで助かった感じ。ヒロインは思考停止でとりあえず何でも褒めてくれるからね。

ところで、ルリイは上着(ローブ?)を、崩して着ているのですが、すごく動きにくそうに見えます。肩からズレてるけど、動き回ったとき脱げ落ちないのかな? 下の服に縫い付けているのか、それとも魔法か何かで固定しているのか……。

街にいる時はまだしも、冒険時はキチッと着たほうがいいのではないかと思いました。ファンタジー作品に対して無粋な意見ではあるのですが、見ていてなんか不安になるんですよね。スルッと脱げて脚に引っかかって転びそう。

最強の魔族が復活しそう

遺跡に入った主人公は装置を起動。魔族の親玉の正体が分かりました。ザリディアスというメチャクチャ強いヤツで、主人公によると「今の俺達では敵わない」そうです。

不老魔法で数百年修行してやっと倒せる相手。修行している間に人類は壊滅的な被害を受けるので、倒した後、生き残った主人公たちで人類を再建するしかないらしい。

これって、生き残った主人公がヒロインたちと子作りして、人類を再建するってことなんスかね? なんかいやらしい想像をしてしまいますよ。

まあ、全部自分の血筋だけで世界を埋め尽くすというのは、ロマンがあるかもしれん。他の人類が生き残っていない場合、後の人類は全部自分の子孫ってことになりますからねぇ……。

ちなみに、過去の人類は魔族の親玉を倒すことができなかったので封印したようです。

倒せないけど封印はできるのね……。なら主人公が再び封印すれば良いんじゃね? 下等な一般人類でも封印可能なら、偉大な主人公様にもできそうなものですけどね。

封印しておいて、修行して強くなってから倒しに行くというのでは駄目なのでしょうか?

あと、この探知装置は、敵の居場所を特定するために使うんじゃなかったっけ? 居場所は分かってるんでしょうか? 魔族の親玉の名前が分かったという描写しかなかったので、気になってしまいますよ。

それと、主人公はその魔族のことを知っているのに、なぜ前世で倒さなかったんですかね? 主人公が転生した後の時代に現れたってことなのかな?

でも魔族のほうは主人公の前世(ガイアス)を知っていましたし……どういうことなんだろ?

この辺の説明がほぼないので、アニメ版以外をちゃんと見ていない筆者には事情がよく分からんです。

魔剣なら倒せる

主人公にも倒せない最強の魔族が現れた! 人類の危機だ! みたいに煽ってヤバい敵アピールをしていたものの、主人公が前世で作った魔剣があれば勝てるらしいですよ。

なんか、クライマックスに向け盛り上げようとしているのは分かります。ただ、これまで主人公が苦戦するシーンを一切見せられていないので、どうせラスボスも簡単に倒せちゃうんだろうなと、冷めた見方をしてしまいます。

装置で魔剣の場所を探ると、いつの間にか王都に運び込まれてることが判明。一行はドラゴン形態のドラゴン娘に乗って帰ります。

ところでいつの間に翼が治ったんですかね? その辺の描写が一切ないので疑問に思ってしまいました。力が戻ったみたいなことは言ってたけどね。

親玉が来る

早くも王都に魔族の親玉が攻めてくるようです。ヒロイン二人に魔剣を取りに行かせ、主人公とドラゴン娘は魔族を迎え撃ち、時間稼ぎをすることに。

魔剣を簡単にゲットして撃退してしまうと楽勝でつまらないから、あえてこういう流れにしたのでしょうね。しかし魔族の動きは速いですね。探知したらすぐ襲ってくるとはね。

時間がないので、金髪ヒロインルリイは校長に話を通さず、護衛を強行突破して魔剣を回収するつもりらしいですよ。

大丈夫なのかコレ? 「急がば回れ」って言うぞ……。

護衛に止められたヒロイン二人は、緊急事態であることを説明しますが、話を聞き入れてもらえません。いよいよ戦闘が始まるのかと思いきや、突如王様が現れ、魔剣の回収を許可してくれるというよく分からん展開に……。

このくだり要る? 普通にヒロインたちが護衛と戦う話が見たかったなぁ……。もしや、「ヒロインたちは王様に信頼されているんだぞ! 控えおろ~」という権力マウントをしたいがために入れたシーンなのでしょうか?

一方の主人公は魔族の親玉と戦闘していますが、これまでのように瞬殺することはできないようです。

ラスボスだし流石に苦戦するのね。

ところで、本作の魔族のデザインはあんまり怖くないですよね。なんか多少の可愛らしさがあるというか、愛嬌があるというか……。

このままでは魔族に勝てないから、俺の命を使うぜ! というところで次回へ続きました!

おわりに

なんだかんだクライマックスらしくなってきましたね。そこそこ緊迫感のある展開です。

ただこれ、主人公に魔剣が届いたら、一瞬で戦いが終わってしまいそうな気もしますが……。勿体ぶっておいて、実は大したことのない敵だったという展開は勘弁してくださいね。

次回、第12話のサブタイトルは「最強賢者、再び旅立つ。」だそうです。

『回復術士のやり直し』の最終回サブタイを彷彿とさせます。あっちは「回復術士は、新たなる旅に出る!」でしたよ。大体の意味は同じかな?

さあ、どうやって魔族の親玉を始末するのでしょうか。楽しみですね!

第12話「最強賢者、再び旅立つ。」感想

魔族の親玉と対決する最終回です。

謎の説明パート

今回は本編冒頭に説明パートが入っていました。『名探偵コナン』映画の冒頭みたいな感じ。主人公がこれまでの出来事をモノローグ形式で語ってくれます。

なお、これまでに説明パートがあったのは第2話だけでした。最終回から見る人なんていないだろうに、なぜ入れたのか謎です。 尺が余ったからやむなく入れたんでしょうかね?

あと、今回もOPが普通に流れました。アニメの最終回は、OPカットで本編が進み最後にOP曲が流れるパターンが多いですが、本作は違うようです。この点からも尺余りを疑ってしまいます。

余談ですが、本作の一年前に放送された『回復術士のやり直し』の最終回も尺余り感が強かったです。Aパートでメインのストーリーは終了。残りは犠牲になったキャラの墓参りをしたり、いまさら各ヒロインの紹介をしたりと、特に意味のない内容で尺を稼いでいました。

テレビ放送する作品は尺が厳しく決まっているので、構成が難しいのでしょうね。メインのストーリーが終わった後も、尺を使い切るためキャラに何かをさせないといけません。結果として間延びした展開になることがあると。

一方ネット配信限定の作品(例えばネトフリオリジナルのドラマなど)は、各話の長さがかなり違う場合があります。この形式だと物語上区切りの良い部分で終わらせることが可能なので、作り手にとってはやりやすそうですね。

雑魚魔族が復活

魔剣を回収したヒロインたちは、主人公の所を目指しますが、第3話で倒したはずの魔族が襲ってきましたよ。

3話では主人公に翼を切られ地面にめり込んでいたのに生きてたのか……。というか、主人公はトドメを刺さなかったのか? 普通に街中に放置して帰ったってこと? それとも親玉の力で復活したのか? 亜魔族みたいにゾンビ化した感じではないようですけど……。

そんな感じで筆者が不思議に思っていると、魔族の親玉が事情を解説してくれました。王都に保管されていた魔族の死体を蘇生したらしいですよ。

いや、そんなものを何故わざわざ保管してたんですかね……? 火葬しておけば復活しなかったんじゃね?

まあ現実世界でも火葬を忌避する宗教があったり、社会主義国の指導者の遺体が保存されていたりというのはあるので、一概に意味不明とは言い切れませんけどね。

ただ作中では、魔族の死体を何に使う予定だったのか明かされることはありませんでした。

成長描写

以前は魔族とまともに戦えず、主人公に守ってもらうだけだったヒロインたちですが、今回は同じ魔族に圧勝していました。

このような成長が分かるシーンがあるのはいいですね。時間の経過が感じられます。

また、ヒロインたちのピンチに、モブ子ちゃん(第6話に登場)たちが助けに来てくれる所も良かった。最終回らしい王道展開ですね。第10話にあった戦闘狂男の無意味な加勢とは違う。

不死身の男

魔族の親玉に負けそうになった主人公は、再び転生ガチャをしようかと考え始めます。来世では魔族の親玉の力が弱くなっているかもしれないので、勝てるかもしれないとのこと。

そんなことを考えていると、ついに魔剣が届きます。これで勝てると喜んだのも束の間、スキを作った主人公は背中からバッサリと切られてしまいました。

『失格紋の最強賢者』完。

……と思いきや、やっぱり復活するのねこいつ。まあ、簡単に死ぬはずないわな。以前に切れた腕がくっつく描写もあったしね。ちなみに今回の復活は魔剣の効果だそうです。

この後の展開はいつも通り。魔族を一方的に倒して終了です。本作も『回復術士』と同じくAパートでケリが付きましたね……。

おまけパート?

あっさり親玉を討伐したので、Bパートは王様に謁見して褒美を頂くという何度も見たシーンに。やっぱ尺余り感がありますね。

残りはヒロインたちと道具屋に行く平和な話でした。主人公は「文明レベルが低い」とマウントを取ったり平常運転。

次のストーリーの導入らしきものもありました。隣国から木の人形の兵士が襲ってきたようですよ。主人公によればこれも魔族が操ってるようです。

主人公が金髪ヒロインルリイちゃんにプレゼントを渡し、次の冒険に出発して終わりです。めでたしめでたし。意外と綺麗に終わりましたね。

第12話のまとめ

主人公の戦闘シーンだけではなく、魔剣を手に入れるため奮闘するヒロイン二人の描写をしっかり入れたのは良い判断だと思います。

今まで称賛係としてしか描かれず、足手まといにしか見えなかったヒロインたちに活躍の機会が回ってきたのは喜ばしいことですね。成長も見えましたし。

さらに、これまでのように主人公が一瞬で敵を倒して終了という流れではなく、武器が届くまでの時間稼ぎとして戦うという展開だったので、まあまあ盛り上がったかも。

全話振り返っての感想

意外に見やすいアニメという印象でした。

突っ込みどころが多かったものの、テンポは良いし、ヒロインたちのデザインが可愛らしいので、気楽に見れましたよ。

良くも悪くも、ストーリーが駆け足で進むので、退屈で眠くなるということはありませんでした。

これで主人公のイキりさえなければ文句はなかったんですけどねぇ。定期的にイキりを入れないといけないノルマでもあるんでしょうか? マーケティング的に求められているのか?

本作の主人公は、アニメ化されたなろう系主人公の中では、特に好感度の低いキャラでした。常に上から目線でマウントを取るし、薄ら笑いを浮かべながら格下の敵を殺しまくるサイコ野郎。全く良い印象を持てません。

あと、作画は所々怪しい部分がありましたが大きく崩れることはなく、比較的安定していたという印象。メチャクチャよく動く訳ではないけど、極端な手抜きや崩壊はなく、アニメーションとして十分楽しめるレベルになっていました。

個人の意見ですが、アニメ化する作品は最低でもこのくらいは動かして欲しい。同季のアレみたいな紙芝居は勘弁です。

 

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