TVアニメ『100万の命の上に俺は立っている』第1シーズン(全12話)の感想です。
若干なろうっぽいタイトルとキービジュアルですが、原作はWeb小説ではなく『別冊少年マガジン』で連載されている漫画作品です(原作:山川直輝、漫画:奈央晃徳)。
アニメ版の第1シーズンが2020年秋に放送され、現在(2021年夏)第2シーズンが放送中。
アニメーション制作は「MAHO FILM」。
『異世界はスマートフォンとともに。(通称:異世界スマホ)』などを作ったスタッフが2018年に独立して設立された会社です。
この会社はこれまでに『うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。』と『神達に拾われた男』を制作しています。ちなみにこの2作品は『異世界スマホ』と同じく、原作がなろう小説です。
予想以上に面白い
今回取り上げる『100万の命の上に俺は立っている』ですが、「いらすとや」の素材のみで作られた第1話が放送され話題になったものの、ネット上の評判はあまりよろしくない様子。
レビューサイトやアマプラの星も確認しましたが、高く評価している人は少なかったです。
作画が微妙だった『異世界スマホ』のスタッフですし、変な方向にぶっ飛んだ作品かもしれないと予想。ネタアニメとして楽しめるかもと思い視聴することにしました。
でも、実際に見てみると予想に反しメチャクチャ面白かったですよ。傑作と言うのは言い過ぎかもしれせんが、個人的には良作と言っていいと思います。否定意見が多いのが不思議ですよ。
確かにネットの人が言う通り、映像のクオリティは微妙でした。少々低予算感のある絵面で、激しい動きはありません。手を抜ける部分は徹底的に抜いています。アニメーションの面白さを期待して見るとガッカリするでしょうね。
とはいえ作画の崩壊はなく、低予算なりに不満なく視聴できるものにはなっていました。
話の内容が伝わる必要最低限の描写はなされていますし、物語上重要な部分にはそれなりに動いていたと思います。
また、絵のことが気にならなくなるくらい話と設定が面白かったです。先が読めず続きが気になる展開が連続します(※原作漫画は未読)。誇張ではなく、ここ半年で見たアニメの中ではトップクラスに楽しめた作品でした。
まあ、筆者(私)の感性がネットの人たちとズレてるだけかもしれないですけどね…。
ネット上ではケチョンケチョンに腐されている本作ですが、個人的には大好きだったので全力で擁護したいと思います。
「気になる作品だったけどネットの評判が良くないから見るのをやめた」という方に読んでもらい、視聴するきっかけになれたら嬉しいです。
作品概要・あらすじ
わけあって東京を憎む中学3年生の主人公「四谷友助」は、ある日突然異世界に転送されます。そこにはすでに転送されていたクラスメートの女子二人がいました。
突然の出来事に戸惑っていると、ゲームマスターを名乗る青白い身体の人物が出現し、ルールの説明を始めます…。現実世界に戻るためには彼の出した課題をクリアしなければならないようです。
主人公が女子たちと力を合わせ謎のゲームのクリアを目指すというのが本作のストーリ。大雑把に言うと、問題を抱えた少年少女が異世界に召喚され謎のデスゲームをプレイさせられる話ですね。
ただしデスゲームと言っても1回死んだらゲームオーバーではなく、全員同時に死亡しない限り決められた時間で復活が可能というルールです。
また、クエストをクリアする度に現実世界に戻り、新たな仲間を作って次のクエストに参加するという流れになっています。
クエストは全部で10周目まであって、周回ごとに一人ずつ仲間(プレイヤー)が増えていくという設定。第1シーズンでは、4周目をクリアし現実世界に戻り、5周目の準備をする所まで描かれました。
気になった点
擁護すると書きましたが、悪い部分をスルーするのはフェアじゃないので、先に作品の問題点を挙げます。
第1話の「ワケあり版」問題
本編がいらすとや素材で作られた第1話「ワケあり版」が、地上波最速放送とネットの最速配信に使用されました。
(現在はYouTubeで無料公開されています↓)
いらすとや版を作るという試みそのものは悪くないのですが、初回放送で流したのは明らかに悪手だと思います。
原作を読んでいない人はキャラも知らないでしょうし、どんな作品か分からない段階で、いきなり特別バージョンを見せられたら困惑してしまいますよ。
SNS時代の今、バズらせるために奇抜なことをしたくなるのは分かるけど、普通に見たかった人を置いてけぼりにするような企画は流石にマズいのでは?
話題にはなるかもしれませんが、作品に初めて触れた人が続きを見たいと思わないでしょう。1話切りの原因になるだけです。ネット上の評判が異様に悪いのはこの企画が原因なのではないかと疑ってしまいますよ。
まあ、いらすとや版もこれはこれで面白いんですけどね。動くいらすとやは新鮮。ちゃんとアニメになっている。
とはいえ番外編みたいなものなのだから、本来はもっと話数が進んでから放送すべきでした。いくらなんでも初回で流すのはダメでしょ!
また、「作品の面白さで勝負できないから奇策を使った」と捉えられかねないのも問題です。言い方は悪いですが、視聴者にナメられるという結果につながりかねない。
ギャグ作品ならまだしも、比較的シリアスな作風の本作でやるとイメージダウンになりそう。本作を酷評している人の中には、第一印象が悪かったせいで見る目が厳しくなった人もいると思います。
おまけ要素が微妙
ED後のおまけコーナーで声優を映したり、劇中劇の特殊OPを流したり、EDが実写になって歌手が出てきたりというサプライズがありました。
ただそれが面白いかと言われると微妙…。個人的にそういうのは求めてないんですよね。
プリキュア風の特殊OPが流れ、別アニメが始まったように思わせるサプライズですが、この手の演出は他のアニメで何度も見たことがあるので新鮮味がないです。
具体例を挙げると『俗・さよなら絶望先生』とか『ポプテピピック』とか…。
本作は奇を衒わなくても本編のストーリーが十分面白いのに、余計なことをしたせいでイメージが悪化している気が…。これは「ワケあり版」の件と共通していると思います。
おまけ要素がつまらないという理由で本編の内容までクソだと罵倒しているレビュアーにはイラッとしましたが、アンチが突っ込みやすいポイントが存在するのは事実です。
もっと予算があれば奇策に頼らず正攻法でいけたんでしょうかね…?変なおまけ要素にこだわるのではなく、堅実に作ってくれたほうが嬉しかった。
個人的には、おまけを作るリソースを本編のクオリティアップに回してほしかったですよ…。
キャラのトラウマ描写が重い
辛い過去を背負っていたり、現実世界で過酷な境遇に置かれている登場人物が多く、回想シーンがメチャクチャ暗いです。回想と言うより、トラウマ体験のフラッシュバックと言ったほうがいいかもしれません。陰鬱な感じ。
少年少女の心の闇や葛藤は、本作テーマの一つのようです。主人公もだいぶ病的でイカれたやつですしね。
どことなく90年代後半からゼロ年代あたりに作られた鬱アニメや鬱マンガっぽいノリ。当時は『エヴァ』の影響を受けた感じの、少年少女がウジウジ悩む作品が沢山ありましたよね…。
そういうわけで、ギャグ系の軽いノリの作品だと思って見るとびっくりするので注意。ストレスフリーの軽い作品が見たい人にはおすすめできません。
まあ、回想が暗いだけで異世界攻略パートはそこまで暗くないんですけどね。現実世界で問題を抱えた登場人物が、過酷なゲームに挑戦することで少しずつ成長していくという前向きな話です(一部例外があるので後述します)。
良かった点
やっと本題。
ネットの酷評を真に受け、全く期待せずに見始めた本作ですが、3話あたりで「あれ?おかしいな…結構面白いゾこれ。ネットの酷評は何だったんだ?」と感じ、そのまま飽きることなく12話まで完走しました。
この後は楽しめた部分や、本作の優れている部分について説明。ネット上でよく見かける批判に対する反論も行います。
芯の通ったストーリー
本作の異世界には「ステータス」や「職業」が存在し、ゴブリンやトロールのような魔物が登場します。このような「剣と魔法のRPG」的な異世界は、これまで多くの作品で使われてきたものです。
その部分だけを見ると、ありきたりな異世界召喚モノに見えます。しかしながら、本作の見所はゲームのような世界観ではなく、芯の通ったストーリーです。
ありきたりで安っぽい感じのガワ(外見)とは裏腹に、作品の核となる物語は手堅い構成になっています。ストーリーテリングの定石をしっかり押さえているので非常に見やすい。
素人が書いたWeb小説を原作とした異世界アニメが数多く作られていますが、そのような作品では、起承転結が存在せず主人公が目的もなくフラフラする展開になりがち。
一方、本作はストーリーに一本筋が通っています。
第1話の時点で、主人公が最終的に達成すべき大きな目標(物語の終着点=全クエストのクリア)と、すぐに対処しなければならない小さな目標(その周回のクエスト)が提示されます。
そのおかげで視聴者にも登場人物が何を目指しているのか分かり、物語を追いやすくなります。
目的がしっかりと示されているので話が散漫にならず緊張感が持続しますし、次が気になる展開を作ることにも成功しています。
さらに、異世界やデスゲームの全容は謎に包まれており、クエストをクリアするごとに秘密が少しずつ明らかになっていくという構成も興味深い。視聴者の興味を持続させることに一役買っていると思いました。
12話まで見ても解明されていない謎が多く残されているので、これからどうなっていくのか期待してしまいます。
ワンパターンにならない
ゲームマスターが出すクエストのクリア条件は周回ごとに違っています。
また、若干抽象的な指示なので、プレイヤーはゲームマスターの真意が何か推理しつつ、色々と試行錯誤をすることになります。結果として話が単調になりません。
単純な魔物の討伐だけではなく、ロードムービーのような展開もありますし、異世界人との交流や対立、迷宮攻略も描かれます。
各周回クリア後の現実世界パートもいいアクセントになっていました。周回ごとにキャラが増えるという要素も、話がマンネリ化するのを防いでいると思います。
心に闇を抱えたキャラクターたち
先に少し書きましたが、異世界に呼ばれた少年少女たち(プレイヤー)は全員、現実世界で何らかの問題を抱えています。過酷な家庭環境で育っていたり、病弱で満足に体を動かすことが出来なかったり…。
また、強そうな相手にはおべっかを使い、媚びへつらっておきながら、裏では悪口を言うような性根の腐ったクズキャラもいます。
第1シーズンの時点では、恵まれた環境で育ち精神的に充足しているプレイヤーはいないんですよね。表向きは普通だけど、他人には言えない悩みや苦しみ、生きづらさを抱えているキャラばかりです。
そのような登場人物たちが、辛い過去や自分の弱さに苛まれながらも、異世界で生き残るため自分を変えよう、前向きに一歩踏み出そうと頑張る話なので、見ていて応援したくなります。
努力や成長を拒否するような思想の作品も少なくない現在、王道の成長物語は逆に新鮮でいいですね。
あと、クズキャラにも根は純粋なのだと感じさせる描写があって良かったです。最初は負け犬根性に染まったクズにしか見えず、嫌悪感を覚えたのですが、話が進むと良識的な部分が見えてきます。実は熱い心を持っているのが分かり、少し見直しました。
問題を抱えた少年少女ばかりが異世界に呼ばれるのには何か理由がありそうですが、第1シーズンでは明かされませんでした。気になります。
あと、女の子のキャラデザは個人的に超好みでした。
謎の多い主人公
ネットの感想を見ると、主人公四谷の描かれ方に不満を持っている人が結構いるようです。
「主人公の言動が場面ごとにブレている。キャラの作り込みが甘い」といった感じの批判を目にしました。
個人的にはこの手の批判はちょっと的外れかなと思います。なぜなら、作者が意図的にブレのあるキャラとして描いていると考えられるからです。
主人公は、生き残るためなら他のプレイヤーや異世界人の犠牲を気にしません。合理的と言えば聞こえがいいのですが、実際には倫理観が壊れている感じで、サイコパス主人公と呼ばれるようなタイプです。
そうかと思えば、時々優しさを見せ、いい人っぽく振る舞ったりします。確かに一貫性はない感じ。
序盤は私も批判者と同意見で「なんかブレてんな~」と思っていました。しかし話が進むにつれ、意図的に思考や感情の振れ幅が大きい人物として描かれていることが分かってきました。
ブレているのは本人が内面で激しく葛藤しているからでした。善と悪の心が戦っているとも言えますね。
この主人公はおそらく生まれながらのサイコパスや悪人ではなく、過去に何やらショッキングな出来事があって、人格が大きく歪んでしまったキャラなんですね。
具体的に語られることはありませんでしたが、深いトラウマを負っていることを匂わせる回想シーンが何度もありました。
あと、第1シーズンラストの12話は主人公の人間性を理解するため重要な回だと思います。
主人公は自分たちが召喚されたのはゲームのようなバーチャル空間だと思っていました。しかし、実際にはパラレルワールドの異世界だったことが、ゲームマスターによって明かされます。
ゲーム内のNPCだと認識していたので容赦なく人殺しをしていた主人公は、生身の人間を殺していたという事実を突きつけられ、大きなショックを受け、思い悩みます。
そうかと思えばすぐに自己解決して、突然、他人なんて死んでも構わないとか、価値のない人間は死ぬべきみたいなことを言い出します。
この場面を見て、「なるほどこの主人公は自分の心を守るために、強がり悪ぶってるんだなぁ」と思いました。
トラウマが原因で心を閉ざした主人公は、以前から合理主義という言い訳を使い、他人を見下しながら自分が傷つかないように生きてきたんだろうなと推測できます。
忘れがちですが主人公たちは中学生という設定。まだまだ精神的に未熟な部分があって当然だし、こうなるのも仕方ないよねと思いました。
現時点では多少の良心が残っているようですが、異世界におけるデスゲームという過酷な状況に置かれた結果、完全なる悪人になってしまうのか?それとも過去を乗り越え良心を取り戻すのか?続きが楽しみです。
あと、8話で主人公から非情な計画を聞かされたキャラが、こんな酷いことを考えるなんて主人公は「魔王になる予定だったんじゃね?」と発言しました。これは、フラグというか伏線かもしれないんですよね。
心の闇に飲まれた主人公がラスボスになる展開も十分ありえそう。
主人公の異常性について
素人が書いたWeb小説の場合、作者の意図に反して主人公がサイコパスに見えてしまうことがあります。
しかし本作の場合は、作者があえて主人公を異常な人間として描いていることが分かります。なぜなら、作中の人物が主人公の異常性を認識しているからです。
主人公のデリカシーのない発言や冷酷な行動に他のキャラがドン引きするシーンが、何度も描かれます。
ネットのレビューには主人公が好きになれないという意見がありましたが、そう思うのも当然ですね。それが正しい反応だと思います。
どうも本作の主人公は、視聴者が共感できる魅力的な人物として設定されていないようです。おそらく作者は主人公に感情移入させようとは思っていないのでしょう。
本当の主人公
便宜上、四谷が主人公ということになっていますが、本作は群像劇スタイルで、異世界に呼ばれたキャラそれぞれが主人公と捉えることもできます。
実際、四谷以外のキャラは常識的な思考しているので感情移入しやすいと思います。一番最初に召喚された同じクラスの女子、新堂さんのほうが正統派主人公という感じの性格ですね。
過酷な環境で育ったものの性格が歪むことはなく、己の信念に従い不正と戦ってきたという、四谷の対局にいるような人物。一見ヒロイン枠のようですが実質的には主人公枠のキャラだと思います。
マトモなサブキャラの視点からイカれた主人公を眺める作品なのかもしれません。
ついでに書いておきますが、この作品はラブコメとかハーレムモノではないです(第1シーズン時点)。主人公が男性で、彼以外のプレイヤーは全員女性(※4周目まで)なので、その手の作品に見えますが違います。
異世界人の片思いみたいなのがちょっと描かれるだけで、プレイヤー同士の恋愛とかは特にないですね。
それにしても、他のキャラは精神的に成長したり考え方が前向きになったりしているのに、主人公だけは変化がありません。いや、むしろ悪い方向へ成長している気さえします。
やっぱり主人公はいずれ暗黒面に落ちるような気がしますね。デスゲームを生き残るために他のプレイヤーと協力はするけど、最後の最後で裏切って彼らや人類と敵対するんじゃないでしょうか?
主人公に関しては成長物語にならないような雰囲気です。徐々に悪に染まっていく話なのかも…。
復活可能設定について擁護
異世界で死亡しても数十秒で復活するという設定について書きます。
この設定のせいで緊張感がなくなっているという批判も目にしますが、個人的にはそうは思いません。ただ単に不死身というわけではなく、しっかり制約が存在するからです。
まず、異世界に召喚されたプレイヤー全員が同時に死亡すると復活できず、現実世界でも死んでしまいます。
また、復活直後に再度死亡するような状況(魔物に食べられる、極寒の池に沈む等)でも復活は不可能です。
これら制約のおかげで緊張感のある展開が作れるようになっています。
ほとんどのプレイヤーが復活不能な状態になり、生き残った最後の一人が仲間のために必死で頑張るというドラマチックな展開を描くことも可能です。
さらに全員死亡するとアウトという制約のおかげで、プレイヤーたちは運命共同体になります。性格に難のあるキャラたちが力を合わせる動機にもなっていました。
このような理由から、復活可能というのは緊張感を損なう悪い設定ではなく、むしろ物語に良いバランスをもたらしていると思います。
逆にこのような救済措置がなく、「一回死んだらゲームオーバー。現実でも死亡」という設定だったら、それこそ「俺TUEEEE」のチート無双をするか、ご都合主義の連続で強引にクリアするしかなくなってしまいます。
救済措置がないデスゲーム系作品の一例として、最近見たアニメ『究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら』を挙げます。
これは超リアルなVRゲームのクリアを目指す話なのですが、ゲーム内で死ぬとゲーム機が壊れリトライができないという設定でした。(死なないので厳密にはデスゲームじゃないですが…。)
さらにそのゲームには現実世界の身体能力が反映されるので、現実で鍛えている格闘家でもない限り、魔物などの敵を倒すことができません。要するにゲーム的な主人公補正や救済措置が存在しない世界設定です。
その結果として、『フルダイブ』の主人公は裏技と言う名のご都合主義や、謎の根性論で難局を切り抜けるしかなくなっていました。
ゲーム世界で雑魚キャラという設定の主人公を生き残らせようと思ったら、かなり無理のあるご都合展開にせざるを得ないです。
ギャグに全振りした作品ならいいのですけど、シリアスさのある作品でそれをやられると白けます。
逆にご都合主義を廃してリアル路線でやると、主人公がすぐ死んで物語が終わってしまいます。そんな話、誰も見たくないでしょう。
そういうわけで、「死亡しても復活可能だけど全員同時に死亡したらアウト」という設定は、かなりいい感じのバランスだと思うんですけどねぇ~。
キャラにチート能力を持たせず、初期ステータスが低い状態から始めても話が成立させられますし、ご都合展開を回避することも可能です。
上手に活かされていたと思うんだけどなぁ…なんで受けなかったんでしょうね?不思議ですねぇ~。
エンディングがおしゃれ
低予算感のある本編に対し、EDの映像からは上質な印象を受けました。柔らかい色調と幻想的な雰囲気がとてもいいです。
何かを思い悩んでいるような登場人物の姿と音楽が相まって、物憂げでちょっと切ない感覚を呼び起こさせる素敵なEDでした。
あと、このEDを見るとやっぱり本作のテーマは少年少女の内面の問題なのだろうなと感じます
おわりに
プロモーションの失敗や微妙なおまけ要素のせいで評価を落とした作品ですが、肝心のストーリーは悪くないと声を大にして言いたい。
本編以外の部分での失敗が重なった結果、過小評価されることになったのは非常に残念です。作画も言われてるほど酷くないですよ。
本編を見ておらず、ネットの評判だけで駄作だと決めつけている人も少なくないのでは?登録者数10万人以上の有名アニメ系YouTuberが酷評してましたし…。
興味を持った方は風評に惑わされず、本編を見て確認してほしいです。3話くらいまで見ればネットで言われているほど酷い作品でないことは分かるはず。
「基本はシリアスでキャラのバックグラウンドも重い。しかし時々唐突にギャグが入る」というノリは独特で好き嫌いはあると思いますが、酷評されるほどダメな作品ではないと思います。ハマる人は結構ハマると思いますよ。
第2シーズンも始まったので、この機会によろしければどうぞ。
余談:お気に入りのキャラについて
ここからは萌え豚の自分語りコーナーです。ちょっとキモいことを書くのでご注意ください。下ネタもあります。
本編とはほぼ関係ない内容なので、興味のない方は別の記事を読んでいただけると嬉しいです。
一人目のプレイヤーである金髪ロングの美少女、新堂衣宇ちゃんのキャラデザがどストライクでした。ひじょーに可愛い。現実パートの制服もいいけど、異世界パートの魔術師衣装も最高ですね。
明るくてリア充っぽい雰囲気とは裏腹に、重い過去を背負っているという設定もいいですねぇ…。
ただ、魔物に食われるシーンが地味だったのはちょっと残念でした。願わくば、もっと痛そうに食われてほしかったです。苦悶の表情が見たい(リョナラー並感)。異世界では痛覚が弱められているという設定なので仕方ないんですけどね。
この子が酷い目に遭っている所を妄想すると、お○ん○んがイライラしますよ。
ところで本作に限りませんが、クラスメートの美少女が異世界に召喚され、コスプレみたいな格好になるというシチュエーションはいいですね~。
なろうアニメ『ありふれた職業で世界最強』もそういう意味では好きでした。異世界の吸血鬼やウサギ娘よりクラスメートの香織(コスプレver.)が可愛いと思った。
こういうシチュエーション萌えって、何か名前が付いてるんでしょうかね?
あと、金髪ロングのツリ目キャラは昔から好きです。例えば『きんいろモザイク』の九条カレンちゃんも大好きですね。エロ漫画の身体の部分だけ模写して顔をカレンちゃんにすげ替え、色々酷いことをするという落書きをしてましたよ。
最初に衣宇ちゃんのデザインを見た時、声優はカレンと同じく東山奈央さんかなと思ったのですが違いました。金髪ロングでこういう性格のキャラは東山さんに違いないという謎の先入観があったんですよね。
東山さんの演じた金髪ロングキャラには、カレンの他にも『ばくおん!!』の鈴乃木凜や、『ニセコイ』の桐崎千棘がいます。また、金髪ではないけど、『咲-Saki-阿知賀編』の新子憧も人気。
ネットの一部では、〇〇交際してそうなアニメキャラを演じることが多い声優と言われています。最近の○交キャラランキングでは声優別得票数で内田真礼さんに抜かれてますけどね。
さて、話を戻して新堂衣宇を演じている声優さんですが、久保田梨沙さんです。筆者は『おちこぼれフルーツタルト』の関野ロコ(ブロ子)役で名前を覚えました。ブロッコブロッコ~♪
本作のメインキャラは若手中心で、サブキャラに中堅~ベテランをキャスティングする方針みたいです。第1シーズンには斎藤千和さんが出演していました。
第2シーズンには大変人気のある、竹達彩奈さん、悠木碧さん、早見沙織さんが出るので声優ファンの人も楽しめるかも。
男性声優では『鉄血のオルフェンズ』のオルガ団長役で有名な細谷佳正さんや、三木眞一郎さんが出ますね。
第2シーズンの感想も全話見てから書くことになると思います。