アニメ『ポプテピピック』感想:クソアニメってなんだろう?

今更アニメ版『ポプテピピック』を視聴。dアニメストアでまとめて見た。

『ポプテピピック』は2018年冬アニメだから放送終了から半年以上経っている。『ゆるキャン△』と同じ時期にオンエアされていたみたい。放送中は『ゆるキャン△』に負けないくらい話題になっていた記憶がある。

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実は敬遠していた

でも実のところこのアニメ敬遠してたんですよね。なぜかと言えば原作漫画に良いイメージがなかったから。

原作をちゃんと読んだことはなかったけど、色んな所を煽ったり叩いたりして笑いを取るトゲトゲしい作品だと思っていた。炎上狙いの過激な漫画っていうイメージ。ネットで有名になった精神病患者を笑い者にしているとか聞いたし。

それ以外にも漫画の絵がSNS等でよく煽りに使われてるし、中指立ててたりするし、キャラクターの絵が独特で憎たらしいし、イキったオタクや中学生が好きそうな漫画だし、全くと言っていいほど良い印象がなかった。

豆腐メンタルなので、攻撃的で毒のある作品は気持ちよく見られないんですよね。ちょっと嫌な気分になる。

まあ偏見持ってるだけで実際のところそういう煽り要素は一部でしかないかもしれないのだけど。

OPがきっかけ

なぜ気が変わってアニメを見ようと思ったか。それはOP映像がとても凝った作りで面白そうだったから。

このOPは神風動画の制作。『ジョジョの奇妙な冒険』1部から3部のOPアニメを作った会社として知っていた。ジョジョのOPも何度も繰り返し見たくなる映像。

そういうことで1話から見てみたのだけど開始数秒で困惑。神風動画のOPではなくアイドルアニメみたいなの(星色ガールドロップ)が始まった。見るアニメを間違えたかと。

© 大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード『ポプテピピック』1話より引用

ヒロイン役、小倉唯の声はやっぱり凄い癒やし効果があるなあなんて思いながら見ていたら、画面を破って中指立ててるアイツ(ポプ子)が出てきた。ああ、やっぱり間違ってなかったなぁと。確かに『ポプテピピック』だった。

出だしから普通じゃないアニメだと主張してる。もう意味不明でなんでもアリの奇妙極まりない作風だった。次回予告は回が進んでもずっとアイドルアニメのままで笑える。

短編アニメ集

本編は神風動画をはじめ、色々な制作会社が作った短編をつなぎ合わせて12分にしてる。要するに短編集的なもの。

各短編はどれも超個性的、「SUSHI食べたい」のPVを作ったAC部のシュール極まりない「ボブネミミミッミ」。これは滅茶苦茶な本作の中でも特にインパクトが強い。絵が雑なんてもんじゃないし話もわけわからん。

© 大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード『ポプテピピック』2話より引用

AC部の参考動画:

その他にも、フランス人アニメーターに自由に作ってもらった3Dアニメとか、レトロゲーム風の映像とか多種多様なものが見られる。原作マンガを元にしたような話もあるけど分量としては少なそう。キャラクターだけ使って好き勝手やってる。あとパロディがやたら多い。

恋愛ものや任侠ものが流れたり、実写があったり、公式がBB素材を提供したりと変なアニメ。伝説のクソゲー「デスクリムゾン」とのコラボまである。

フェルト人形になったポプ子とピピ美が踊るPV風映像が大好き。これはかなり手間がかかってると思う。ストップモーションで動かしてる。少しずつ少しずつ動かして撮影した静止画をつなげて動いているように見せる手法だから大変だ。

数分の動画にどれだけの時間がかかったのだろう。こういう所からも滅茶苦茶な内容だが決して手抜き作品ではないことが分かる。

© 大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード『ポプテピピック』2話より引用

それにしてもフェルト人形にすると憎たらしさがなくなって可愛い。癒やしだ。これ大好き。

再放送

24分のアニメなのに12分で完結してEDが流れるところがミソ。24分の枠のうち後半は再放送という形だった。

でも全く同じ内容を繰り返すわけではなく、声優が変わっていたりフランス語に字幕がついたりする。再放送なので基本的にほぼ同じ内容なのだが。

声優が変わっているくらいなのに2周目も飽きない不思議。たぶん理解不能な内容だから大丈夫なのだろう。納得してないから、消化できてないから繰り返せる。そしてなんかよくわからないけど次の回が見たくなる。

疲れている時に見ると変な笑いが止まらない。ヘッヘッヘッ…。

完全に理解は出来ないものの、同じ内容を続けて見ると新しい気付きがある。ああそういうことだったかと。他のアニメでも繰り返し見ることで発見があるかもしれない。同じ話数を連続して見るという新しいアニメの見方を教えてもらった。

冒頭でも書いたがOP映像は充実感が凄い。とても濃い。快感のある映像で何度も見たくなる。完成度の高いOPを何回も見てもらうため再放送を入れているのか?と一瞬思った。たぶん違うだろうけど。

言うほどクソアニメか?

公式がクソアニメ宣言をしていたけど全然クソアニメではなかった。丁寧に実験的なことをやった感じ。作画の手抜きとか、脚本の破綻とかそういったクソさは一切なく、むしろクオリティの高さを感じさせるアニメだった。OP映像とかフェルト人形のダンスとか非常に手が込んでいる。

まぁ、全12話と言っても半分は再放送で正味6話分だから労力は普通のアニメの半分程度で済んでいるのだろうけど。そこを手抜きと見るか、質の高いショートアニメを2回流しただけと見るかによって評価が変わりそう。

殴り書きみたいな「ボブネミミッミ」。これを取り上げクソアニメ扱いする人もいるが、崩れた絵こそAC部の作風だから少なくとも作画崩壊では無い。内容に関しても狙ってやっているシュールギャグをクソ扱いするのは何か違うと思う。ただ好き嫌いは人それぞれだし、人を選ぶ作風ではあるけれど。

クソアニメってなんだろう?

スケジュール足りませんで絵がボロボロになったり、脚本が破綻していて展開が不条理だったり、ウケると思ってやったネタがことごとく滑って痛々しかったり、個人的にはそういうのがクソアニメだと思う。制作サイドの意図していたものや視聴者が期待していたものから、アニメの内容が大きく乖離するとクソになる。

例えば視聴者を感動させようと「止まるんじゃねぇぞ…」をやったら大笑いでネタにされたとか、人気作品の原作者が10年以上かけて考えたシナリオが酷すぎる作画のせいで台無しになったとか、原作の魅力を理解せず杜撰な改変を行ったせいで全く別物になったとか、そういうのがクソアニメだと個人的には思う。

意図した通りのものが完成し予定通りの反応が返ってきたらそれは大成功で良作。クソアニメっぽい何かを目指して制作され、評価されている『ポプテピピック』はただの良作アニメ。クソアニメって狙って作れるものじゃない。偶然の産物だと思う。

クソアニメを意図的に作るなら

偶然の産物であるクソアニメを意図的に作るというのは矛盾しているようにも思える。それでも自然な感じのクソアニメ(天然ものに近いクソアニメ)を作りたいと考えるなら、制作者自らがコントロールできる部分を減らすといいと思う。制作者の意図が内容に反映されないようにする。

具体的には海外の無名制作会社に丸投げする。そして少ない予算&短い納期で真面目に面白く作るよう要求。決してクソアニメを作るよう依頼してはいけない。ろくでもない物が返ってきたら成功、面白いものが出来上がったら失敗。

それでもある意味博打だ。無名の制作会社であっても質の高いアニメを作り上げる可能性がゼロではない。また、出来が悪くてもイマイチ突き抜けていない中途半端な駄作になるリスクがある。上手く分類できないけど単純に面白くないアニメとクソアニメは違うと思う。

また、低予算はクソアニメを誕生させるきっかけにはなるけど、『てーきゅう』みたいに低予算でも面白いアニメはある。金や時間が無くてもアイデアと工夫でなんとか見られるものを作っちゃう凄い人もいるんだよな。

反対に某ロボットアニメのように潤沢な予算と優秀なスタッフ・キャストを揃えても脚本が駄目駄目だとクソアニメが出来上がってしまうし難しい。

上でちょろっと個人的なクソアニメの定義みたいなものを書いたけど、よく考えてみると当てはまらない作品もあるしクソアニメがなんなのか分からなくなってきた。一筋縄ではいかない。奥が深いぜクソアニメは。

あとがき

アニメ版『ポプテピピック』はバカバカしい内容をクソ真面目に作った感じだった。また、当初のイメージと違って意外と毒気が少なく嫌な気分にならずに楽しめるアニメだった。

真剣に見るのではなく、だらーっと眺めるのに良い。バリエーション豊かな短編集だから飽きが来ないし、OP映像はネタ抜きにクオリティが高い。

日常系とは全然方向性が違うのだけど、ストレスがなくて疲れている時に頭を空っぽにして見られる所が共通している。本作の場合、わけが分からなすぎて逆に頭を使わない。そしてなぜだかニヤニヤできる。そこが良い。深い意味やメッセージ性がない、中身がないというのは良いことだ。

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