TVアニメ「ぱすてるメモリーズ」感想:ごちうさ回もあるパロディアニメ

2019年冬アニメ『ぱすてるメモリーズ』の感想です。『ごちうさ』のパロディがあると聞き、ネタとして見てみたのですが予想外に面白いアニメでした。

作品の舞台はアニメや漫画などオタク文化が衰退し、ただのオフィス街になってしまったアキハバラ。作品紹介を見た時は現実のアキバのことかなと思ったけど、現実以上にひどく衰退してました。

ゲーセンやメイド喫茶がなくなりアニメショップなんかもほとんど残っていない架空の世界みたいですねぇ。漫画雑誌次々廃刊、アニメが0本とか相当やばい。

©FURYU/「ぱすてるメモリーズ」製作委員会 第1話より引用

現実のアキバは電気街の要素は減ったもののオタクショップは健在ですね。街にアングラ感無くなったのは寂しいけど。

主人公は客の全然来ない喫茶店(元アニメショップ)のアルバイトの女の子みたいです。髪の毛がピンクで名前は泉水(いずみ)。

©FURYU/「ぱすてるメモリーズ」製作委員会 第1話より引用

あれ、このポーズ、どっかで見たことあるぞ…。

スポンサーリンク

第1話「うさぎ小屋本舗へようこそ、です」

第1話は、泉水たちがお客さんの読みたがっていた『うさぎさんカフェへようこそ!』という漫画を探す話。

©FURYU/「ぱすてるメモリーズ」製作委員会 第1話より引用

この漫画って完全に『ご注文はうさぎですか?』がモデルですね。どストレートなパロディが来た。

原作2巻の表紙が元になっているみたい。ただ構図は同じだけどキャラが違ってます。千夜とシャロの所がリゼとチノ(っぽいキャラ)になってる。ココアっぽい人はそのまま。

「俺たちのごちうさを侮辱しやがって!」と怒る人もいそうですが、こういう露骨なパロは結構好き。変な笑いが出てしまいます。

本編の話に戻ります。

オタク文化が衰退した世界なので、『うさぎさんカフェ』も過去の漫画で既に絶版。アキバで漫画を扱っているお店も全部で6箇所しか残ってないみたい。店員の女の子たちが手分けして探すけど、なかなか手に入りません。

SNSで情報を求めているけど、大人気の作品だったのに誰も反応せず。「やっぱりみんなの思い出から消えちゃったのかな…」とつぶやく泉水。なんか切ない…。

異世界行くの?

そんな感じで、架空の未来から過去のオタク文化を懐古する日常系アニメだと思っていたのですが、ラストで衝撃の展開に。魔法陣のようなものから別の女の子達が現れます。ウイルス退治(?)から帰ってきたらしいです。

©FURYU/「ぱすてるメモリーズ」製作委員会 第1話より引用

突然ファンタジー要素が出てきましたねぇ。前振りも何もなかったです。メッチャ唐突。

『うさぎさんカフェ』の作品世界にもウィルスが発生したらしく、泉水たち3人はさも当たり前のことであるかのようにウイルス退治に出発。

どういうことなの…?

ウイルスが世界からオタク文化を消しているという設定は見ていて分かったけど、どういう理屈で物語の世界に入れるんでしょうね。説明一切なし。

キャラが多すぎ

まだ第1話なのに、ぞろぞろと10人以上のキャラが登場しました。公式サイトのキャラ紹介を見ると主人公サイドには12人の女の子がいるようです。4つの学校から3人ずつで12人。

©FURYU/「ぱすてるメモリーズ」製作委員会 第1話より引用

本編ではろくにキャラ紹介がされなかったので顔と名前が一致しません。羽川翼そっくりな外見の子と「にゃんぱすー」って言いそうな子は印象に残ってるけど、他に誰がいたのか全然覚えていない…。

主人公と一緒に作品世界へ旅立った2人だけ知っていれば大丈夫なのかな?

キャラが異様に多いのは、原作がスマホゲーム故の事情かもしれないですね。キャラゲーだと登場人物が無駄に多い。

スマホゲーのアニメは、原作無視で好き放題作られることが多いので期待しています。

シナリオが一本道じゃなかったり、ストーリ性の薄いゲームだったりすると、まとめようがないのでオリジナル要素が入ってユニークでぶっ飛んだ内容になりがち。ありきたりじゃない作品になりそうで楽しみです。

カオスな作品になりそうな雰囲気ですが、同時になんともいえないノスタルジーが漂っているのが良かった。少し未来の人たちから見た古き良きオタク文化への憧憬みたいなものがあって、心動かされました。

大事な物、好きだったものが失われていくのを止めたい、大切な思い出を取り戻したいというテーマは悪くないと思います。

第2話「ご注文は?と言われても……」

タイトルからも分かるように、『ごちうさ』パロディだということを隠す気ゼロ。積極的に本家に似せてきた回でした。

魔法陣みたいなものが出てきて『ウサギさんカフェ』の世界に入り込む主人公たち3人。ファンタジー衣装になってて可愛いらしい。変身前に着ていた喫茶店の制服は野暮ったい感じでしたが。

©FURYU/「ぱすてるメモリーズ」製作委員会 第2話より引用

完全に『ごちうさ』世界だこれ…。

©FURYU/「ぱすてるメモリーズ」製作委員会 第2話より引用

『ごちうさ』アニメ第1話のパロディ。主人公たちが入り込んだのは、本家で言うとココアが木組みの街にやってきてラビットハウスに向かうシーン。構図がそっくりだし、BGMまで似せていました。ここまでやるかと感心。

でもウイルスのせいで登場人物はうなぎに変えられているという…。

チノちゃんみたいな子の頭に乗っているうなぎは「チョッピー」。笑うわこんなん。ちなみに偽チノちゃんはなぜか胸が大きくなっています。

©FURYU/「ぱすてるメモリーズ」製作委員会 第2話より引用

コーヒー占いをやったりと、『ごちうさ』を知ってる人はニヤニヤせざるを得ない展開。元ネタを知らない人が見てもつまらないかもしれませんが。

©FURYU/「ぱすてるメモリーズ」製作委員会 第2話より引用

チノが「チナ」、ココアが「カカオ」のようです。このパチモノ感が最高。「モビルフォース ガンガル」の「ズク」や「ゲルグ」と同じくらい好きですね。

このあと主人公たちがウイルスを退治して作品世界は元通りに。

©FURYU/「ぱすてるメモリーズ」製作委員会 第2話より引用

現実世界に戻ってみると、どんなに探しても見つからなかった『うさぎさんカフェ』1巻が手に入っていました。ウイルスを倒すことでSNSにメッセージが届き、近くに住んでいる人が譲ってくれたそうです。

カフェにはお客さんが増えて、『うさぎさんカフェ』を読みたかった女の子は喜んでくれてめでたしめでたし。最初のエピソード、すなわち『ごちうさ』パロ回は2話で完結って感じですね。

しかしウイルスがどういう存在なのか相変わらず謎。作品世界だけではなく現実世界にも干渉するのかな? 1話冒頭でアキバが影に覆われていたような…。

パロディがいっぱい

今回は『ごちうさ』のパロディでしたが、オタク文化をパロディ化して笑うというのが本作のコンセプトのようです。

サポートキャラの喋るうさぎのぬいぐるみ、ねじれウサギというのがいるのですが、こいつは女児向けアニメに出ていてもおかしくないようなキャラ。

ウイルスを率いる敵のお姉さん摩耶も特撮とかによくいる悪の女幹部っぽい。さらに負けたら吹っ飛んで星になります。いろんなもののパロディやお約束を集めてできたアニメだなと。

これからどんな作品のパロディを出してくるのか楽しみになりました。

追記:2話配信停止、円盤収録中止

2019年3月18日に公式から驚くべき発表が。まさか無いだろうと思っていたことが現実になってしまったようです。以下に引用します。

「ぱすてるメモリーズ」Blu-ray&DVD及び配信に関し、ぱすてるメモリーズ製作委員会の判断により、一部内容を変更させて頂くこととなりました。 皆様にご迷惑を、お掛け致します事を深くお詫び申し上げます。

変更後の内容は以下の通りです。

〇配信:第1話の配信停止と、第1話修正版2019年3月26日以降よりの配信。
〇配信:第2話の配信停止日。 2019年3月25日23時59分迄
〇Blu-ray&DVD:全3巻の発売中止
〇Blu-ray:Blu-ray Boxの発売

発売日:2019年6月5日(水)
構成:Blu-ray BOX全1巻
収録内容:第1話、第3話~12話+映像特典

TVアニメ「ぱすてるメモリーズ」[ぱすメモ]公式サイト より引用

ごちうさパロディ回のうち、第2話が配信停止され円盤にも収録されないことになったようです。TV放送を録画した人以外は見られない幻の2話になってしまいました。

第1話は修正でなんとかできたけど第2話はダメだったんですね。全3巻予定だった円盤はBlu-ray BOXのみに。

権利者に怒られた?

これは権利者から苦情が来たと見ていいでしょうね。自主規制だとするとこのタイミングは遅すぎます。

H文社なのか製作委員会の他社なのか知りませんが、ケチですよねぇ。こんなロクに円盤も売れないであろう弱小作品に対して文句言う必要あります?話題にもならずそのまま忘れ去られて終わりでしょうに。

『ごちうさ』はファンの多いドル箱作品なんだから、どーんと構えておけばいいのに印象悪いっすね。パロディされるのも有名税みたいなもんですよ。それにパロディされたからって本家の売上が下がるわけでもあるまいし。

原因を推測

ネットを見ると、風景がトレスだったからアウト説があります。でも、本家アニメも実在するコルマールの街をほぼそのまま背景として使ってるんですよね。

それに1話が修正(一部差し替え)なのに対して2話は丸ごとお蔵入りとなると、単なる背景の問題ではないと思うんです。背景は静止画なので、差し替えにもさほど手間は掛からないはず。最悪、問題のある背景を黒塗りにすれば済むわけですし。

やっぱり怒られたのは話の内容だと思います。チノちゃんたちに似たキャラを出して、似たような構図で似たような展開を見せたことが逆鱗に触れたのでしょう。

寛大な心を求む

自分は『ごちうさ』ファンだったけど、この件で若干イメージ悪くなりましたよ。『ごちうさ』ってコンテンツは、過剰に権利にうるさい企業が管理してたんだなぁと。そんなとこに金落としたくねぇなぁと。

権利の主張が最終的に、同人も認めない、摘発するってところまで行かなきゃいいのですが。

日本のオタク文化って、お目溢しというか権利者の寛大さで成り立ってる部分があると思うんですよね。ガチガチに権利を保護しましょうと言い出すと、逆にコンテンツ産業を衰退させることになりかねないです。

(余談ですが、製作委員会方式のせいでアニメがつまらなくなった説は一理あると思う)

許してやれよ

今回の件は悪乗りが過ぎたとは言っても、個人的には許容すべきパロディの範疇に収まってると思ってます。目くじらを立てるほどのものなのか疑問です。同人誌みたいな二次創作ではないし、海賊版では決して無い。

ただ「ぱすメモ」側は事を大きくすると面倒なので大人しく引き下がったんでしょうね。このアニメってスマホゲーの宣伝でしかないですし、作画を見るに大して金もかけてないっぽい。こだわりが無いからあっさり切れるのでしょう。

しかし、某ネズミのD社ばりに権利にうるさいですね。うるさいですね……。

次のページ:3話から6話の感想