なろう系アニメ『失格紋の最強賢者』第1話の感想

2022年冬のなろうアニメ『失格紋の最強賢者』第1話を視聴しました。なんか噂によると、原作ファンがアニメの改変に腹を立てているらしいですね。

筆者は原作未読なので、特に違和感はありませんでした。ツッコミどころは多いものの、なろうアニメの中では比較的悪くない出来だと思ったんだけどなぁ…。

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原作者について

『失格紋の最強賢者』の原作は、「小説家になろう」で連載されたWeb小説です。アニメ化されるくらいなので、もちろん書籍化・コミカライズ済み。

原作には、サブタイトルとして『〜世界最強の賢者が更に強くなるために転生しました〜』が付きます。

原作者は進行諸島先生。この作者について多くは知らないのですが、某なろう作家とのやり取りは有名です。

『回復術士のやり直し』の月夜涙先生が自作のアニメ化を発表した際(2019年11月)、進行先生はお祝いのメッセージを送りました。

それに対して月夜先生は、

ふっふっふっ。登ってこいここまで(ドヤ顔)」

と少々無礼とも取れる返しをしたことが知られています。

月夜先生の本心は不明ですが、ライバル視していた進行先生に対し、「先にアニメ化してやったぜ!」とマウントを取ったと解釈する人もいます。

その後、進行先生は、

「80万部おめでとうございます(称賛)」

と返信。発行部数でマウントを取り返したのではないかと言われています。

なぜなら当時、進行先生のツイッター表示名が「進行先生@失格紋200万部&転生賢者の異世界ライフ100万部突破!」だったからです。月夜先生の80万部より多いんですね。

深読みし過ぎかもしれないけど、マウント合戦が事実だとすれば、なろう作家同士の関係ってギスギスしてるんですね。怖い界隈だ……。

現在、進行先生は本作『失格紋』のほか、『転生賢者の異世界ライフ』のアニメ化が決定しています。いまや月夜先生がアニメ化本数でマウントを取ることはできなくなりました。(もし『オークさん』がアニメ化されたら話は別ですが。)

ちなみに『転生賢者の異世界ライフ』というのは、「弱すぎって意味だよな?」で有名なアレです。アレも進行先生だったんですね…。『失格紋』と同じ作者だったとはね…。アニメ化発表まで知りませんでした。

 

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制作会社について

アニメーション制作は、J.C.STAFF。

作画がすごく良いわけじゃないけど、そこそこのクオリティを最終回まで維持できる会社というイメージ。ただし、アクションやバトルが多い作品だと顕著なクオリティ低下を引き起こすことがあるので、油断は出来ない感じ。

あくまで個人的なイメージですけどね。全作品見たわけじゃないし偏見が入ってるかもしれんから真に受けないでね。

30年以上の歴史がある会社で、制作本数はかなり多いです。有名作品も数多く手がけているので、アニメファンなら、この会社の作品のどれかは見たことがありそう。

筆者がここ数年で見た作品を挙げると、『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか? 』とか、『戦闘員、派遣します!』とかですね。

今年(2022年)春から2期が始まる『まちカドまぞく』もこの会社の制作。

アニメ本編

さて本題。アニメ本編の内容に言及します。

冒頭

この作品世界の住人は生まれつき紋章を持っていて、手の甲に浮き出るという設定。

冒頭、主人公は自分の持っている第一紋ではこれ以上強くなれないことを悟り、転生することを決意します。

なろうでは気軽に転生しがですね…。命が軽いと言うかなんというか……。Web広告で「よし、転生する!」みたいな軽いノリで転生する漫画をよく見かけたけど、あれは何の作品だったかな?

原作やコミカライズ読者によると、冒頭の世界観説明や転生を決意した経緯が一切カットされてるらしいですね。

筆者はこの作品完全初見なので、めっちゃカジュアルに転生しているように見えたけど、実際にはそれなりの理由があったみたいよ。

噂によれば宇宙怪獣が攻めてきた時、迎撃できないと困るので転生したらしいですね。それはそれで意味分からんけど…。

転生後

場面は飛んで、転生後の話に。主人公は12歳。王都に向かってます。転生した主人公は声も見た目も女の子みたいだね。可愛らしい。

でも、大きな魔物を瞬殺してイキったり、鍛冶屋ですごい剣作ってイキったり、入学試験の的当て(なろう恒例イベント)で過剰な威力の魔法を放ってイキったり……。

結局いつもの調子に乗ったナローシュ(なろう系主人公)でした。可愛らしいのは声と見た目だけ。

まぁ、エグいことやっても『防振り』みたいに可愛い女の子だったら許される場合もあるからね。主人公を女の子っぽくしたのは戦略的にアリなんじゃないかな?

やることなすこと全てテンプレ通りなのもツッコミどころ。

なろう作品に触れたことのある人なら言わずとも分かると思いますが、周囲の人間はやたらめったら主人公を褒め称えます。主人公を接待するために作られた世界って感じ。

『賢者の孫』の「またオレ何かやっちゃいました?」的な、無自覚っぽい感じもキツイですね…。主人公本人は「大したことをしていない」と思っているけど、周囲の凡人基準では「とんでもないことをしている」ので驚愕して大絶賛。

ただ、本作の主人公は、本当に無自覚というわけではなく、実は分かっててやっているように見えてしまうのがなんとも…。そういう穿った見方をすると、主人公はただの嫌なやつなんだよね…。

チョロイン

金髪の子(ルリイ)がメインヒロインっぽいけど、出会いのシーンの既視感がすごい。主人公と、このヒロインの関係性は、『賢者の孫』の主人公とシシリー(水色)のそれを彷彿させますね。

お互い出会って一目惚れ。ヒロインのほうはいきなり「彼氏はいません」とか言い出すし、ちょろすぎるよマジで。

大人しく自己主張の弱いタイプで、なんというか、主人公を全肯定する都合の良い操り人形的ヒロインですね。こういう所も『孫』の水色とよく似た感じだね。

なろう系作品では、「見た目だけ」で相思相愛になる描写が横行してるけど、このジャンルを好む者の多くは、中身よりも見た目が大事という世界観で生きてるのかな?

例えば、アニメ『俺だけ入れる隠しダンジョン』5話の、ハーレム自慢大会の描写は酷かったよね。見た目が悪い女は存在価値がないみたいな描写だったね。ルッキズムここに極まれり。

「見た目が良いやつは性格も良い善人。見た目が悪いやつは性格まで悪い悪人」みたいな世界観はやめてくれよ!生きづらくなるだけだ。

まあ最近の創作物は、なろうに限らずそうなってるきらいがあるかもね。主人公サイドは美形ばっかとかね。

精神年齢の謎

主人公が照れて顔を赤らめるシーンが何度もあるけど、なんか転生したら精神年齢も若くならなきゃだめなんかね?

『世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する』のジジイも、転生したら10代前半の娘に欲情してたし…。なろう系では転生すると精神まで少年になるという暗黙のルールでもあるんか?

なろう的お約束に慣れ親しんでない人にとっては違和感がすごそう。あと、精神年齢をガキにしちゃうと転生設定活かせないのでは?

世界観の謎

世界観の不可解な点に関して。ただ、ネット上で散々指摘されているので、詳しくは書きません。特に気になった部分についてのみ手短に。

まず、なぜか無詠唱魔法が廃れてる件。主人公が教えれば学生でもすぐ使えるのに、魔族の情報操作程度で廃れるものなんでしょうかね?一応説明のシーンはあったけど、納得がいかない。

あとは魔族がいちいち回りくどい点。人間そっくりに擬態できるのに直接要人を暗殺をしたり、国の中枢に潜り込むことはせず、デマを流布するだけ。なんか効率悪くね?

ニコ動のコメントで『チャージマン研!』のジュラル星人みたいと言われてたけど、まさにその通りですよね…。

そのほか細かい部分だと、学生に紛れていた魔族の名前が「デビリス」だったのには笑いました。すっげぇ悪魔っぽい名前なんですけど…。人間そっくりに擬態しても名前でバレるやろ!

公式サイトのキャラ紹介にアルファベット表記が載ってるけど「Devilis」ですからねぇ。しっかり「Devil」が入ってるやん!(何故かキャラ一覧だと「Debilis」になってるけどね。正しい表記はどっちなのだよ!?)

もしや、『失格紋』の世界ではデビルが悪魔って意味じゃないのか?それか、魔族の工作により「デビル=悪魔」という知識が失われた?

余談ですが現実世界の日本では、親が子供に「悪魔」という名前を付けようとしたが不受理になったので、裁判所に不服申し立てを行ったという騒動があったようです…。

悪魔ちゃん命名騒動 – Wikipedia

「悪魔」に限らずキラキラネームも規制すべきでは?もはや虐待やろ?愚かな親のせいでハンデを背負わされちゃたまんないですよね。

『失格紋』1話にはこれらの他にも、不可解な点が数多くありました。設定・世界観がよく分からない。原作ファンが言うように、原作エピソードを大きく端折ったせいでそうなったんですかね?

 

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良かったところ

1話だけでの評価ですが、作画は悪くないですねぇ。あと、ヒロイン(や主人公?)の見た目は可愛らしいし、時々挟まれるデフォルメの顔もいいやん。

ストーリに関しては若干のばかばかしさを感じつつも、退屈せずに見れるのはいいんじゃない?

なろうアニメには超薄味で一切感情が動かない虚無系がありますし、ツッコミどころは少ないけど、そこまで面白くないもないというコメントしづらい作品もあります。

そういうのに比べれば、まあ、楽しめる方だと思いました。コッテコテのなろうテンプレをネタとして見る分には結構面白い。

転生の詳しい経緯や転生後の幼少期が省略されたことに怒っている人がいるようですが、原作未読の筆者としては、これくらいテンポが良いほうが見やすいです。

アニメ化する場合、細部の描写が犠牲になり世界観の把握に難が出たとしても、テンポを上げてくれたほうがありがたい。原作に忠実に描いた結果序盤の展開が鈍足になり、面白くなる前に初見の人が離脱してしまっては本末転倒です。

媒体(メディア)の違いの理解は重要だと思います。世界観などの細かい説明には文章のほうが向いています。一方、映像作品であるアニメでダラダラ世界観や設定の解説をされると退屈で見ていられません。下手をすればモノローグばかりになり、映像化する意味が薄れます。

例えば『回復術士』のアニメは、メディアに合わせた取捨選択がうまく出来ていたと思います。もし原作に忠実に映像化していたら、説明過多で冗長になってしまったでしょう。エロシーンに力を入れるため、小難しい設定の説明や魔物肉を食って能力値を上げる描写をカットしたのは英断です。

映像作品であるアニメは、小説や漫画にはない「動き」の表現が得意なので、アクションシーンを中心に抽出し、動きのないシーンを少なめにするのは間違った判断ではなさそう。それは本作『失格紋』にも言えます。

原作ファンは「説明を省略し過ぎでアニメを見ても良さが分からない」とか言いますけど、「アニメで興味を持った人が原作を読んで世界観の理解を深める」という流れでいいのでは?アニメが作られる目的って、基本は原作と漫画の販促ですし。

おわりに

約半年ぶりになろう系アニメの感想を書きました。

実のところ、前期も書こうと思っていた作品はいくつかあったのですけどね…。

2021年秋の『世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する(暗殺貴族)』は、某狐作家が原作ですし、最後まで見て感想を書こうと思っていたものの、途中で見る意欲が無くなったので書けてません。

なんというか『暗殺貴族』は、同作者の『回復術士のやり直し』と比べると、良くも悪くも普通のなろう系作品だったんですよ。

映像は良い感じでしたが、話のインパクトが弱く続きを見たいと思えなかった。テンポが悪く、なかなか話が進まないのも辛かったです。1クールで原作1巻分しか進んでないんですってね。『回復術士』は3巻終わりまで行ったのにね。

ちなみに月夜先生が、アニメ話数と原作巻数の対応表を作ってツイッターにアップしてくれたのですが、オリジナル部分以外全部1巻でした……。

これ、表にする意味ある?


高度なギャグなのかな?それともストレスか何かで精神的におかしくなっちゃったんでしょうか?ちなみに「毒虫くん」はまだ時々「MF文庫Jスレ」に現れて暴れているようです。

 

『失格紋』は2話以降も視聴を続ける予定。個人的に結構好きなタイプのアニメでした。

第2話の感想はこちら

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