癒やされる日常系ギャグアニメ『魔王城でおやすみ』感想

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2020年秋アニメ『魔王城でおやすみ』を見ました。

舞台はRPG的なファンタジー世界。人質として魔王城に幽閉された姫が安眠を得るためアイテムを集めたり寝具を作ったりするコメディ作品。城の魔族たちとの交流も描かれます。

原作は『週刊少年サンデー』で連載中の漫画作品。

萌え系の雑誌に載ってそうな印象だったけどメジャーな少年誌でした。そのためか内容もキャラ萌えよりギャグ、コメディ寄り。

ファンブックによると原作者は本作以前に女性キャラを描いたことがなかったらしい。そのことからも、本作が一般的な萌え系作品とは毛色が違うのが分かります。

女性キャラは少なく、いることにはいるけど主人公の姫以外は出番が少ない。出番が多い魔王城の幹部たちはほとんど男性です。

ただ、萌えアニメ好きが見ても十分楽しめる内容だとは思いました。日常系に近い感じで見れます。

姫の声優は水瀬いのり。チノちゃんとかレム役の人ですね。今回は気だるげな演技が良かったです。


「うるさいですね」小さくてクールなお姉ちゃんママが事務的に抜いてくれる件

全体的な感想

癒し系のアニメでした。見るとリラックスできていい気分なる。寝る前に見るのが良いかも。

ギャグはくすっと笑える感じ。ゲラゲラ笑うタイプの作品ではないです。

ストーリーは大きな盛り上がりがあるわけではなく、おとなしい感じだけど意外と退屈しません。連続で見続けても飽きが来ない魅力がある。

作画は安定しているし動きも良い。丁寧に作っていてるのが伝わってきます。

キャラやアイテムのネーミングは緩い感じ。どストレートな名前のキャラもいます。主人公からしてスヤリスカイミーンだからなぁ。『魔王様リトライ』をちょっと思い出しました。

魔物たちのデザインもファンシーだったり緩かったり。シリアスな世界観ではないから気楽に見られます。

スヤリス姫のこと

主人公のスヤリス姫(栖夜)はかなりマイペースで押しの強いキャラ。

この作品は姫の強烈な個性のおかげで成り立ってると思います。

自分が囚われの身であることを気にも留めず堂々と牢を抜け出し魔王城を探索。でっかいハサミで魔物を狩って寝具の材料にします。

ファンタジーならではのアイテムを組み合わせて安眠グッズを作る様子は見ていて面白い。

快眠のためなら努力を惜しまないし行動力がすごい。そんな姫に翻弄されうろたえる魔族たちを見るのも本作の楽しみの一つだとも思います。

姫は、さらわれた以降のほうが自由があって人生楽しそう。前は公務で忙しかったらしい。魔王城では美味しいものを食べさせてもらっているし、意外に待遇が良いんですよね。

また、話が進むにつれだんだん分かってくるのですが、この姫はやたらとスペックが高い。身体能力が高いだけでなく書類仕事もめちゃくちゃ速かった。いつも寝ている怠け者では全然なかったという。

時々怖さを感じさせる姫ですが、根は優しいことが分かるエピソードがあってほっこりしました。

それと、人を呼ぶ時「君(キミ)」って言うのが可愛いですね。身分の高い姫だし無愛想な感じのキャラだから「お前」とか言いそうだけど「君」。魔王に対しても「君」。なんかいいね。

魔族たち

魔王城の住人は、魔王含め邪悪な感じではなく、結構優しいし人間味があるのがいい。なんか可愛げがあります。だんだん保護者的な視線で姫を見るようになる展開も好き。

魔族は何らかの事情があって人間と対立しているのですが、実は良いやつばかり。終盤のエピソードで、姫も両者が敵対していることに不思議さを感じていました。

魔王城で暮らして魔族の実情を知った姫が両者を和解させる話になるのかな?原作を読んでないから先の展開は知らないのだけど伏線を張ってる感じでした。

オープニングが楽しい

本作のオープニングは傑作だと思います。

まず歌が耳に残る。視聴後一週間くらいは「ノンレム睡眠レム睡眠」の部分が事あるごとに脳内再生されました。

アニメーションもよく動いて楽しいんですよね。本を投げるところ好き。

作りが丁寧だし高い作画センスを感じました。クルッと回って手をパッと開くところとかすごくない?手描きアニメならではの快感があります。何回もリピートしたくなる出来ですよ。

最終回のこと

すごくいい最終回でした。冒険ありギャグありで楽しかったし、姫の過去エピソードを知ることも出来ました。ラストはちょっと感動的。

日常系だといつも通りの話で終わって締まらない場合があるけど、本作はきれいに一区切りついた感じ。あまりにも綺麗な終わり方だったので、アニオリかなとも思いましたが、どうなのでしょう?原作にある話なのかな?

あと、姫の母親カイミーン女王は、天然のうっかりさんに見えるけど実は真相が分かってる人なんじゃないかと思わされます。天然のフリ、騙されたフリをして状況を楽しんでいるようにも解釈できる演出でしたよ、あれは。

女王の声をやっている早見沙織は第1話からナレーションも担当していました。

もしかすると魔法のアイテムか何かで姫の様子を見ていて全部知っているのでは?メタなナレーションに見せかけて、実は遠くから見ている母のコメントだったのではと妄想してしまいます。それは流石に考えすぎかな?

おわりに

ちょっと笑えるし優しい気持ちになれるいいアニメでしたよ。

2期に期待。ぜひ引き続き動画工房に作ってもらいたいです。

原作は17巻まで出ています(2021年2月2日現在)。今回のアニメ化は7巻までらしいので、原作ストックはいっぱい残ってます。

 

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