原作が「なろうの闇」と呼ばれるアニメ『ありふれた職業で世界最強』感想・前半(1話~6話まで)

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なろう小説が原作のアニメ『ありふれた職業で世界最強』の感想です。2019年夏放送。

今回は総集編を含む第6話までの感想と、アニメの作り直しに関する疑惑について書きます。

少々アンチ寄りの感想なのでファンの方は注意してください。気分を害するかもしれません。

疑惑

アニメ『ありふれた職業で世界最強』は、放送が当初の予定から1年延期されました。話によると、スタッフを大幅に入れ替え、一から制作をやり直したようです。

監督:神谷純 → よしもときんじ

シリーズ構成・脚本:筆安一幸 → 佐藤勝一・吉本欣司(※吉は土に口)

キャラクターデザイン・総作画監督:戸部敦夫 → 小島智加

音楽:高橋諒(※変わらず)

アニメーション制作:WHITE FOX → asread.×WHITE FOX

 

この件に関しネット上では、「原作者がアニメの出来に納得せず作り直させたのではないか」と噂されていました(※詳細は後述)。

真偽は不明ですが、もし疑惑が本当なら、原作者にはかなりの発言力があるということになります。なろう外の有名作家でも、アニメを作り直させたなんて話は聞いたことがありません。

いずれにせよ、謎の決定により切り捨てられた、元のアニメスタッフが気の毒です。原作者のコメント(削除済み)から推測すると、ある程度制作は進んでいたみたいなのですよね。

既に制作が進んでいたアニメを破棄し、スタッフを入れ替え、一から作り直すというのは滅多にないことです。これまでに費やした時間や資金が無駄になります。出資者としても大損なので、そのような決定はまずしません。

それでもあえて作り直したということは、この作品が相当な金を生むということなのでしょう。

作り直しにも相当なコストが掛かるため、もし儲からない不人気作品だったら、出版社や製作委員会が作り直しを許すわけがありません。たとえクオリティが低くてもそのまま放送するでしょう。

しかし本作の場合は、追加の資金を投入し作り直しても、元が取れると考えられたのだと思います。つまり、原作に凄まじい人気があるということなのでしょう。

邪な欲望やリア充に対する怨念が感じられる内容から、本作を「なろうの闇」と呼ぶ人までいますが、書籍の売上は好調らしい。

累計で何百万部も売れているみたいなんですよね。その辺のラノベの十倍以上の部数が出ているわけですから、馬鹿にできません。

しかし「なろうの闇」とまで呼ばれる本作が、特定の層に向けたマニアックな作品として扱われるのではなく、メジャーな人気作として受け入れられている現状が不可解です。

怨念がこもっているとまで言われる小説に、救いを求めなければならないほど病んだ時代なのでしょうか? それとも何か他の魅力があるのでしょうか?

原作を読むのは怖いので、まずはアニメ版を見て噂通りの内容なのか確認したいと思います。

第1話「奈落の底の化け物」感想

まず1話をざっと見ていきましょう。

映像について

作り直させただけあって絵の雰囲気は良好。安っぽい絵柄ではないです。

キャラデザもいい感じ。女の子が可愛らしい。

キャラクターの質感はちょっと独特。輪郭線が細いのかな?それと色の塗り方が特殊なのかもしれません。若干のっぺりとしていて平面的な印象を受けました。

絵はあんまり動きません。顔のアップで口だけが動くカットが多いです。モンスターなど3DCGの部分だけはよく動きます(当たり前ですが)。

作り直しだからその分予算が減ってるのかもしれないです。話数が進むと、作画崩壊はしないまでも紙芝居になるんじゃないかと予想。

ストーリーについて

1話のあらすじをツッコミを交えて書きます。

ナヨナヨいじめられっ子南雲ハジメくんは奈落に落ちて魔物に襲われ、腕を食われてしまいました。

しかし生命の危険を感じたハジメは性格が豹変。魔物の肉を食べたらなぜか髪の色が変わって、体格も良くなって、とても強くなりました。口調もイキった感じになりました。

いきなり別人になりましたね……。どういうことなの?

そして出ました「ステータスプレート」。なろう系ってステータスオープンするのがノルマなのでしょうか? やっぱりこれもゲーム世界なの?

そしてブツブツと講釈を垂れながら銃を作ります。

イキってても喋り方とかがオタクっぽい! これが本当のイキリオタク?

なろう系主人公は、異世界に行ったらなぜか銃を作りますよね。これもなろうノルマなのかな? スマホ太郎こと望月冬夜くんもやってました。

しかし魔法がある世界といえども、銃を素人が簡単に作れるものなのでしょうか?

そもそもファンタジー世界なんだから魔法の弾を撃つとかじゃダメなのかな?なんで普通の銃なんでしょう。カッコイイから?

銃にはドンナーと命名。なにそれ、どんな…どういう意味なの??

1話総括

BGMや演出がオサレ系なので騙されそうですが、やっていることはいつものなろう系と同じ。

やっぱりパターン化されてるんですかね?敵を食って強くなる。『転スラ』序盤と似た感じでした。

でもまあ面白く見れましたよ。眠くはならないし、この先どんなイキリをやらかすのか楽しみになる内容でした。

そうそう、このアニメも、主人公が異世界へ送られた経緯を本編で描かず、OP映像だけで済ます『百錬の覇王』方式でしたね。(『百錬の覇王』は笑えるクソアニメなのでおすすめです。)

あと、時系列シャッフルがすさまじく一回見ただけでは内容を飲み込みにくい感じがしました。過去を見せたり現在に戻ったり、場面の移り変わりが激しかったです。

追記(2021/2/23)

配信サイトで久しぶりに第1話を見たら、冒頭にプロローグが追加されていました。主人公の学校生活や、異世界に召喚された経緯が描かれていて、本編が格段に理解しやすくなっています。

アニメ放送終了後のイベントで上映された映像だそうです。

放送当時、原作を読んでいない人には理解不能だと批判が出ていたので、それを受けて作られたのかもしれません。イジメっ子や香織との関係もよく分かります。

そもそもはじめから素直にプロローグを入れておけば問題はなかったのに、なぜ入れなかったのでしょうね。謎です。

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第2話「パンドラの箱」感想

主人公ハジメくんの独り言風説明から始まりました。まるで実況者。状況から思いまで全部口に出して言いますねぇ。

ハジメは相変わらず洞窟探検をしており、まだ出られないようです。出てきたモンスターをやっつけつつ移動します。

厨二病的な意味ではカッコイイキャラをやってますね。すべての言動がキザったらしい。

異世界に来た経緯

回想がありました。主人公たちを召喚したのは、魔人との戦いで窮地に追い込まれた異世界人だと判明。

でも、ひ弱な現代人を呼んで力になるのか疑問。何故か特別な力を持ってることになってるし不思議です。

スマホの力で戦う(知識チートをする)わけでもなく、異世界仕様の魔法とか勇者的装備で戦ってるし、どういう設定なのでしょう?

アニメを見ただけではよく分からないです。

あと、香織っていうクラスメートらしき女の子はやたらと主人公の事を気にかけてますね。助けられなかったことをすっごい悔やんでるみたい。過剰なまでに。

元の世界での関係性とかが分からないので、『賢者の孫』の水色の子みたいに、主人公を好きになるよう設定されたキャラに見えてしまいますよ。

どうしてそこまでナヨナヨ主人公に思い入れがあるのか分からない。

ハジメくんは奈落の底で別人みたいになっちゃってるけど、再会した時、彼だと分かるんでしょうかね。

封印を解く

ハジメは地下で謎の扉を発見。開けようとしたらモンスターが登場します。

倒したら魔石が出てきて扉にはめたらオープン。こんな簡単に開けられちゃって大丈夫なのでしょうか?

危ないものが入ってるんでしょ?ご丁寧に門番に鍵を持たせておく必要あります?鍵は他の場所に隠しといたほうがいいのでは?

扉の奥には金髪の美少女がいました~。しかも吸血鬼ですって。忍野忍を思い起こさせます。

しかし、どいつもこいつもペラペラと喋りますね。とにかく喋ってるシーンが長い印象。

吸血鬼ちゃんは自分が封印されてた理由を事細かに教えてくれました。

女の子には甘いのか、裏切られた境遇に同情したのか知りませんが、ハジメは吸血鬼ちゃんの封印を解きます。そしてユエという名前を付けてあげたらめっちゃ懐かれました。

2話まとめ

2話まで来たけれど、過剰な報復やマウンティング、謎の主人公ageが無く、単独でイキってるだけなのでまだ見れます。不快感はあまりないです。

作り直したおかげなのかは分からないけど、やっぱりキャラデザはすごくいいですね。女の子の外見は可愛いし、今回は絵もちゃんと動いてました。

ところで「なろうの闇」とまで言われる『ありふれ』の本性が現れるのはいつ頃なんでしょうか。アニメスタッフの修正が入らず原作準拠でやったらすごいのが見られそう。

ネット情報によればハジメはド外道で、気に入らない奴本人に復讐するだけでは飽き足らず、その家族まで手に掛けると聞きました。それが本当ならどこの暴君だって感じですよ。

第3話「黄金の吸血姫」感想

ハジメくんに串が刺さってるところから始まりました。でも抜けばOK。血が出てるけどなんてことなし。体、丈夫ですね。

カニみたいな巨大モンスターと戦うのですが、イマイチ盛り上がりません。

ご自慢の鉄砲ドンナーも全然効かず苦戦していると、ユエちゃんがハジメの血をチューチュー吸います。そして強い魔法攻撃をしてやっつけました。

素材が手に入ったとかでまた銃を作るハジメ。今度はライフルの「シュラーゲン」ですって。まーた厨二臭いネーミングですこと。

その後ユエに異世界に来た経緯などを説明。やっぱり説明セリフばっかじゃんこのアニメ。

あと、こっちへ来た経緯は前回他のやつが言ってたから視聴者は知ってますよ。

ハジメの境遇を知り、自分も辛いと泣いてくれるユエ。マジで主人公に都合のいい女ですね。出会ってすぐなのに懐き過ぎ。秒速で好感度MAX。やっぱりこの子もなろうによくいる主人公全肯定装置でしかないのかな…。

でもまぁ、内面はともかく見た目はとても可愛いらしいですよ。

次は植物モンスターとの戦い。ユエは寄生され操られてしまいました~。寄生されると頭に花が生えます。

でもハジメはモンスター食って耐性が付いてるから寄生されませ~ん。

やけに都合のいい耐性ですね。なんかずるい。まさにチート。

それからウイリアム・テルごっこをやって花だけ打ち抜きユエを救出。モンスターも倒してめでたしめでたし。

それにしても、いつまで洞窟探検が続くのでしょう。1人が2人になっただけでやってることはほとんど変わらないです。ワンパターンでいい加減飽きてきました。

ドン引きするほどのイキりやクラスメートへの過剰な復讐はまだなんですかね?

今の所ハジメくんはただの厨二野郎でしかないです。不快感が少ないから良いっちゃ良いのですが…。

第4話「最奥のガーディアン」感想

4話は大部分が戦闘シーンでした。

ハジメとユエは、CGで描かれたヤマタノオロチみたいな化物と戦います。

4話あらすじ

化物強いです。鉄砲パンパン撃っても効きません。苦戦します。おっきいほうの銃とユエの魔法で倒したかと思ったけど生きてました。

化物の攻撃からユエを庇ったハジメがピンチ!しんじゃいそう!

口移しで薬を注入します。ハジメふっかつ~!

しかも何故かパワーアップしてます。敵の動きが遅く見えるぜ!

爆発物で天井を落として下敷きにしてやっつけました~。

その後ちょっとだけ先生とクラスメートの場面があって終わり。

感想

……うーん、相変わらず洞窟でモンスターと戦うだけの内容ですね。ちょっと単調。いつになったら地上に出るの?

あとやっぱユエはハジメに懐きすぎじゃないですか?精神的に依存&全力で奉仕。

過程が描かれてないから不自然に見えますねぇ。速攻で昔からの相棒みたいになってるじゃん。

ユエは人間じゃないからセーフ?鳥の雛みたいなものなのでしょうか?初めて見た人を信頼しついて行く本能を持ってるのかな?

4話まとめ

ほぼバトルだけで終わってしまいました。全然話が進んでいる感じがしないです。あまりコメントすることがありません。

まだ「なろうの闇」の部分が見えてこないです。ハジメの外道行為はいつ頃見られるんでしょうかね。まずは洞窟から出ないとな。

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