この記事は、2021年冬アニメ『回復術士のやり直し』第一期の前半(第一話~第六話)のあらすじと感想をまとめたものです。
以前公開していた各話感想記事の前半6話分をまとめ、AIの力を借りて一つの記事として再構成しました。
ネタバレがあるので未視聴の方はご注意ください。
作品概要
アニメ『回復術士のやり直し』の原作は、月夜涙先生によるライトノベルです。
これは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載されていた、いわゆるなろう系の異世界ファンタジー小説で、書籍化とコミカライズが行われています。
書籍版は大手レーベルである角川スニーカー文庫から出ています。
ちなみに原作には『回復術士のやり直し ~即死魔法とスキルコピーの超越ヒール~』というふうに副題が付きます。
勇者たちから虐待されていた主人公ケヤルが時間を巻き戻し、万能なヒール能力を使って勇者たちに復讐を企てるという内容の作品です。
では、各話のあらすじと感想に入りましょう。
第一話「回復術士は、やり直す!」
あらすじ
物語は主人公ケヤルが悪夢や不思議な声に悩まされている場面から始まります。
彼はその声に導かれ精霊に遭遇。全てを見通す眼を授かり、失っていた記憶を取り戻し、現在が二周目の世界であることを悟りました。
場面は一周目の回想シーンに飛びます。【癒】の勇者である主人公は、強力なヒール(【回復】)能力を使えるものの、副作用で激しい苦痛を味わうため使用を拒んでいました。
そこで他の勇者たちは主人公を薬物依存にして、意識が朦朧とした状態でヒールを使わせていたのです。同時に凄惨な虐待も行われていました。
しかしある時、主人公は薬物耐性を獲得し正気を取り戻します。さらに、ヒールした人々の能力をコピーすることで自身の能力を強化していました。
魔王を倒した彼は勇者たちに復讐するため、賢者の石を使い時間を巻き戻しました。
場面は二周目に戻ります。主人公は勇者の能力に目覚め、復讐対象者であるフレア王女と再会。王国に仕えるため王都へ向かいます。
城内ではメイドとの官能シーンが描かれますが、地上波放送バージョンでは画面が黒くなったり静止画になったりするので、直接的な描写を見ることはできません。
主人公の初仕事は片腕を失った剣聖クレハにヒールを使うことでした。腕の再生に成功し感謝されますが、能力の副作用で倒れてしまいます。
フレアはそんな彼を「使えないクズ犬」だと軽蔑。実は意識があった主人公は、これで二周目でもためらうことなく復讐できると喜ぶのでした。
気になった点
まずは気になった点から
精霊について
精霊がなぜ、どのような理由で主人公の前に現れたのか、二回見てもわかりませんでした。精霊が能力をくれた理由も不明です。
時間を巻き戻した理由
主人公が魔王戦で疲弊したフレア王女に復讐せず、時間を巻き戻した理由がわかりません。
そもそもフレアを除く復讐対象者はすでに死亡していました。時間を戻すと彼らを生き返らせることになってしまうのですが、主人公はそれで良かったのでしょうか?
官能シーンのための設定
主人公と性交を行った者は自身の能力の限界を超えて強くなれるという設定が示されました。これは官能シーンを入れる口実としての設定にしか見えないですね。
あと、ただのメイドがなぜ強くなりたいのかよくわかりませんでした。戦うメイドなの?
被虐シーンの意図
主人公が虐待される展開が、マゾヒストを喜ばせる要素として入れられているのか、単に復讐の口実づくりのために入れられているのか、作者の意図が気になりました。
ヒールがなんでもあり
ヒールは【回復】だけの能力ではなく、相手の能力をコピーする【模倣】や、触れた相手を即死させられる【改悪】として使うこともできるそうです。
さらに【略奪】のヒールを使えば経験値をこっそり奪えるんですって。万能すぎてもうわけがわからない。ヒールという言葉の意味がわからなくなります。
良かった点
声優ネタ
精霊の声が、虎柄ビキニの宇宙人役で有名なベテラン声優さんでした。
なろうあるある
評価すべき点じゃないかもしれませんが、相手のステータスを見られる眼を手に入れるところなんて、なろうあるあるで笑えました。
以前は「ステータスオープン」に強い違和感があったのですが、なろう系アニメを見すぎたせいで今では普通に受け入れられるようになりました。
なんだか怖いです。なろうのお約束に脳が慣らされてしまっている。
フレア王女の罵倒
表では優しい対応をして主人公の能力を利用しつつ、裏では見下して人間扱いしていないというクズっぷり。
本来は胸糞悪い展開なのですが、なぜかフレアのゴミを見るような目に興奮しちゃったんだよなぁ……。
心の底から蔑んでる感じがたまらん。高貴な女性から罵倒されるのってなんかいいですね。
第一話まとめ
突っ込みどころは多いものの、意外と興味をそそられる一話でした。エロゲみたいなノリの話なので人を選ぶとは思いますが。
第2話「回復術士は、フレア王女を壊す!」
あらすじ
主人公ケヤルは、フレア王女の前でヒールの使用を嫌がる演技をし、意図的に彼女の罠にはまります。
毒入りの紅茶を飲まされた彼は牢獄に入れられ、薬漬けにされて虐待を受けるなど、凄惨な状況に置かれます。
この苦痛の日々を経て、主人公は復讐のためのステータスを上げ、フレアに対する復讐を実行に移します。
彼は近衛騎士隊長レナードに変身してフレアの部屋に侵入。彼女に暴行を加えた後、記憶を消去して別人に変えることで復讐を果たします。
フレアの死亡を偽装し、レナードに王女殺しの罪をなすりつけた主人公は、別人と化したフレアを連れ城から逃亡するのでした。
気になった点
自ら苦痛を再体験
主人公は一周目の記憶を持っていて、これから起こることも知っています。
それなのに効果的な対策を講じず、自ら罠にはまり、前回と同じ苦痛を再体験してるんですよね。一体どういうことなの!?
確かに復讐の準備として、熟練度を上げたり能力をコピーしたりする必要があることは語られています。
だとしても、そのために6ヶ月間監禁されて虐待を受け続けるというのは辛すぎるし、割に合わないと思いました。
やろうと思えば、他の方法で能力を向上させることもできたはず。せっかくやり直したのだからもっと賢く立ち回るべきでしょう。
未来の出来事を知っているというアドバンテージを活かし、一周目の悲劇を回避するのがやり直し作品の醍醐味だと思うのですけどね。
結局一周目と同じ展開を繰り返して、再度苦痛を味わうのなら何のためにやり直したのかわからん!
そもそも一周目の魔王戦で疲弊したフレアを攻撃すれば復讐は完了していたのにね。
実は主人公はマゾヒストで、虐待されるの楽しんでいる変態なのでしょうか? もう一回いじめられたかったから世界をやり直したってこと?
嫌がっているフリをしてるだけで本心では喜んでいるのかもしれませんね。展開が腑に落ちないので変な方向に深読みしてしまいますよ。
主人公が頑丈すぎ
拘束され長期間虐待を受け続けたにも関わらず、主人公は障害を負ったり衰弱したりすることなく、比較的健康なまま生き延びていました。
これは主人公が回復術士だから生き残れたということでしょうか? 自分で自分をヒールしていたということなのかな?
虐待描写は胸糞が悪くなるようなものですが、主人公の異様な頑丈さにはどこか滑稽味があります。
フレアの処遇
主人公はフレアの指を一本一本折ったり、暖炉で熱した鉄棒と主人公のどちらがいいか選ばせたりと過酷な復讐を行います。ここまではまだわからんでもない。
その後、彼女の記憶を消去しフレイアという名前の従者にするのですが、ここが謎。
時間を巻き戻し、六ヶ月の虐待に耐えてまで復讐したかった相手ですよ。そこまで憎んでいた相手を愛人のような存在に変え、連れ歩くという発想が理解できませんでした。
記憶を残したままフレアとは似ても似つかない別人の姿に変え、薬漬けにして連れ回し尊厳を傷つける……みたいなこともできそうなのですが、やらないみたいです。
主人公の中ではこれでフレアを屈服させたことになっているのでしょうか? 記憶と性格が変わっているのだからもはや別人だと思うのですが。
良かった点
フレアに調教されるシーン
主人公が男たちに犯されるシーンでは一切興奮せず、ただ胸くそ悪いだけでしたが、フレアに調教されるシーンは良かったですね!
犬の真似をさせられたり、頭を踏んづけられたり、気持ち悪いと罵られたり……美少女に痛めつけられるシーンは見ていて興奮します。
フレアへの復讐シーン
非常に暴力的で人を選ぶ内容でしたが、リョナがいける筆者としては大満足でした。
追い詰められると急にしおらしい態度になって許しを請うフレアですが、いまさら善人ぶっても主人公は騙されません。
悲鳴を上げてはいけないゲームを仕掛けた主人公は、フレアの指をポキポキと折っていきます。
散々主人公に酷いことをしてきたフレアが今度はやられる側に回り、涙を流しながら苦痛に耐えているシーンはたまらなかった。
怯える声や、悲鳴、嗚咽……。フレア役の声優さんの演技は真に迫るもので素晴らしかったです。
第二話まとめ
メインターゲットであるフレア王女への復讐が完了しました。
リョナラー的には大満足の復讐シーンでしたが、冷静になって振り返ると相当悪趣味な描写でしたね。一般の視聴者はドン引きでしょう。
リョナやSMが好きな人なんて少数派でしょうし……。
第三話「回復術士は、奴隷を買う!」
あらすじ
前回ケヤルからケヤルガに改名した主人公は、フレイアを連れ王都を去ります。
一周目の回想シーンがあり、主人公が勇者たちから受けた虐待が描かれます。勇者たちは、暴力と変態行為で主人公を苦しめます。
場面は二週目に戻り、自由都市に着いた主人公は水に毒が入っていることを発見。解毒剤を作って商人に売り金を稼ぎます。
その後、奴隷商を訪れた主人公は、何かを憎んでいる様子の獣耳少女セツナを気に入り購入しました。
気になった点
やっぱり万能なヒール
今回は体内で作った抗体をヒールで増殖させ薬を作っていました。もう何でもできますね。ヒールってなんだよ……。
奴隷購入の謎
これ、なろう系作品ではあるあるですが、お約束以上の意味を感じられないシーンでした。
倫理的にアレなのは中世風異世界が舞台なので置いておくとして、この段階でわざわざパーティの人数を増やす意味なくない?
主人公のはいざという時肉の盾にすると言っていますが、万能のヒールを使える主人公にそんなものが必要だとは思えません。
前回フレアの記憶を消して従者にしたのも理解に苦しみましたが、単になろう系のテンプレートを踏襲してハーレムを作るための布石だっだのでしょうね。
今回の奴隷購入も、なろう系ファンの期待に応えるため、メタ的には必要なシーンなのでしょう。
そもそも主人公の万能ヒールがあれば、金を払って買わなくてもそこらへんで行き倒れている人をヒールして、好みのハーレム要員が作れそうなものですが……。
称賛マシーンフレイア
元フレアのフレイアは、主人公にとって非常に都合のいいヒロインになっていました。主人公を全肯定してヨイショしまくります。
なろう系ではこういうタイプのヒロインをよく見かけますね。
あと、主人公がうなされているところを見て心配そうにするなど、記憶を消されただけなのに別人みたいに優しくて純粋な子になっているんですよね。
前回、主人公がフレアの記憶を消して嘘を吹き込む描写がありましたが、性格まで書き換えていたのでしょうか?
良かった点
狂気の回想シーンが笑える
回想シーンでは、三人の勇者たちが主人公を虐待する様子が描かれました。
フレア王女とのバター犬プレイや玉潰しシーンは、マゾヒストの視聴者なら楽しく視聴できるかもしれません。
しかし、【剣】の勇者ブレイドと【砲】の勇者ブレットのシーンは完全に狂気の世界でした。
女騎士のブレイドはレズビアンで男嫌い。フレアと変態プレイをしていた主人公に嫉妬して暴行を加えます。
さらにフレアを間接的に舐めたいという理由で主人公の口の中を舐め回すも気持ち悪くなって嘔吐。自分からやったのに、吐いたことにキレてまた主人公に暴行します。
ゲイの大男ブレットは主人公を殴って犯します。さらに今死ねばずっと可愛い顔のままだと意味不明なことを言い首を締め、その後泣きながら謝ります。本人は愛して可愛がっているつもりなのが怖い。
実際には主人公が勇者たちから酷い目に遭わされる胸糞シーン集なのですが、度を越した異常者ばかりなのでギャグっぽく見えてしまいました。
第三話まとめ
なんか今回は箸休めの回だったのかな? とりあえず仲間は増えましたが、話は進んでいません。
(次のページに続きます)