予想外に闇が深かったアニメ『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』第7話から最終回までの感想です。2019年夏放送。
なんか、すごくニッチな性癖を持った人にしか喜ばれないようなネタが多い、謎のアニメですね。近親もの好きってそれほどいないと思います。
第7話「学祭の主役は学生だ。それはただ制服を着ている人も含まれてしまうのだがな…。」感想
冒頭、真人一行が当たり前のように混浴してるのですけど、もう一切抵抗がないんですかね…。少々不気味。
まだまだ学園の話が続きます。もういい加減、次の街に行ってほしい。学園モノをやるのなら、異世界というかファンタジーゲーム世界に来た意味がないのでは?
そもそも異世界ならではのシチュエーションが少ないですよね。
母親と一緒に冒険したり学園生活を送ったりする言い訳を作るため、舞台をゲーム内にしただけかもしれません。現実世界でやってたらもっと異様で気持ち悪い感じになりそう。
今回は学園祭です。ミスコンでワイズが低評価だったのが解せません。性格に難があるかもしれないけど外見は普通に可愛いだろ?
可愛い子ぶって滑るっていうネタなのでしょうけど、あんまり面白くないしちょっとかわいそうでした。個人的には、わざとらしい所もなんか可愛げがあっていいと思うんだけどな…。
一方、無理してるメディを真人たちが気遣って、自分たちは友達だよと言うシーンは救いがあっていい感じでした。とはいえ、しょーもないネタが続いていただけに、唐突にいい話を持ってこられても違和感がありますね。
毒親絡みのエピソードは無駄にシリアスで闇が深いし、場面ごとに雰囲気がチグハグだからどんな気分で見れば良いのか分かりません。メディママが娘を物理的に虐待するシーンはほんと洒落にならない。
ふざけた内容との落差が大きすぎて感情が付いていかないですよ。なんで無駄にリアルで胸糞悪いシーンを入れるんだろう。奇妙な作風ですね。
今回の真々子は真人との絡みが少なかったから不快感なく見られました。
模擬店で食堂のおばちゃんみたいなことをして学生に懐かれていたのは微笑ましかった。普段からこれくらいの距離感でやってりゃいいのに。いつもは実の息子相手にベタベタし過ぎで若干キモいです。
第8話「言わなきゃ伝わらないが、言ったらかなりの確率でぶつかる。厄介だよ、親子。」感想
ドラゴン化したメディと戦う話。あんまりな内容でした。ただ、メディママの変顔だけは面白かった。
真々子が大人しくなってるのが不思議です。前は「なめられたら負け」とか言って冒険者ギルド破壊してたじゃん。
それなのに今回は好戦的なメディママに対し、冷静に淡々と説得を試みています。そんなキャラでしたっけ?
最終的にメディが母親を受け入れ、いい話みたいに終わったけど、ちょっと展開が強引すぎる気が…。メディママは改心したというより真々子の能力で洗脳されたようにしか見えない。
後に魔法の杖がメディママの感情を増幅していたことが判明。全部杖のせいにして丸く収めようとしているけど、ゲームに入る以前から虐待まがいの教育をしてたのは紛れもない事実でしょ。
純粋に子供のことを考えて厳しく教育したから許されるみたいな話になってたけど、子供が嫌がってたら虐待でしょうがそれは!
ワイズ母のときも思ったけど、悪質度の高い毒親は現実世界に返さず、ゲーム世界にずっと閉じ込めておいたほうがいいのでは?
なんか毒親に甘いですねこのアニメ。簡単に許しちゃダメでしょ。
幼少期からの長期間の虐待で人格を歪められてしまうと、そう簡単に元に戻るもんじゃない。子供はトラウマで一生苦しむかもしれないのに、親はちょこっと反省したらOKってそりゃないわ。
真面目に親子問題を描く気はあるんでしょうかね?描く気がないなら変にシリアス話を入れず、ずっとギャグでやればいいのに…。なーんか中途半端な作品ですねこれ。
キャラクターは立っていて良いのですが、テーマがフワフワしていて何をやりたいのかよく分かりません。母親を性欲の対象として扱うような描写は気持ち悪いですし、ギャグも親子問題も中途半端。
「現実では満たされないオタクの欲望を満たす」という一点に注力している純なろう系作品のほうがまだ理解できますよ。そんなに面白くはないですけどね。
第9話「おっと、こんなところにスイッチ床があるぞ。まあ踏まないけど。いや踏まないから。」感想
タワーダンジョンに行く話です。やっと学園編が終わったぜ。
メディが腹黒で怖い…。こんなキャラでしたっけ?毒親に反発して悪態ついてたわけじゃなかったのかな?普通に性格悪そう。
塔では新しいネタキャラ、アマンテが登場。聞かれていないことまで全部喋ってしまうおバカちゃんです。親に反抗する子どもたちのグループのリーダーらしい。なぜか真々子を警戒しています。
この子もお色気要員っぽいですね~。露骨なサービスシーン多し。
ダンジョンは大人数じゃないと攻略できない事が分かった真人一行は、ギルドを作って人を集めることにします。
ギルドの建物がボロボロだったので修理するため、DIYショップで買い出し。
留守番中の真々子の胸を揺らすな……。
今回は普通に見れました。日常ものっぽい雰囲気でまあまあ面白い。毒親回はホントきつかったです。
第10話「お母さんと一緒ギルドは千客万来!……って、招かれざる客ばっかかよ!」感想
刺客がギルドを襲う話。
まあ出落ちというか先が読めてしまう展開なんだけど、つまらなくはなかったです。8話以前と違い、見ていて不快感がないのがいい。チャーハンうまそう。
混浴作戦会議を恥ずかしいと思うアマンテの感性はまともだと思いますね。
たくさんのママさんたちをパーティーに加えてダンジョンに出発したけど…っていうところで終わり。
特に突っ込みどころもなかったです。初めからこういう作風だったら見やすかったのになぁと思います。キャラは立ってるからやりようによってはもっと面白くなっただろうに。
毒親との確執みたいな重い要素を中途半端に入れたせいで、ギャグなのかシリアスなのか良くわからない変な雰囲気になって白けました。個人的には、ほのぼの冒険もののほうが好みです。
第11話「受け止める勇気。慈しむ心。あと全身鎧。それが母親に必須の……ん? 鎧?」感想
塔に入りました。
大きなレジャーシートを敷いて皆でご飯食べるシーンは遠足みたいで楽しそう。
真々子のチート能力は皿洗いや洗濯にも使えるとはね。すごく便利。
アマンテはアホに見えて意外にスペック高そうです。家事対決も真々子がチートじゃなければ勝てていたような。
また真々子のお色気シーンがありました。何度も同じことを書いてるけど、そういう性癖が無いから全然嬉しくない。ただ今回はシラーセ含めみんな下着になってましたね。
つまらなくはなかったけど、やっぱり茶番っぽい。なんかねぇ、あんまり出来のいい話ではないですねぇ。正直チープでテキトーさを感じてしまうストーリーです。このチープさをを楽しめるかどうか…。
次で終わりです。アマンテとの最終決戦になりそう。平常運転でそんなに盛り上がらないまま終わる気もしますね。
第12話(最終回)「その願いは叶えないでくれ、と強く願った。だが願いは叶えられた。」感想
同季(2019年夏)の『異世界チート魔術師』と違い、まあまあ楽しめる最終回でした。
偽真々子の大群が襲ってくる悪夢のようなシーンは良かったです。
メインは予想通りアマンテとの最終決戦でした。
アマンテは意外に強い。おバカキャラだし散々自滅する所を見せられてきたので、雑魚というイメージが染み付いていたけど、実際にはかなり強力なスキルを持っていて真人たちは苦戦。
最終回なだけあって手に汗握る戦闘でいいじゃんと思っていたら、結局真々子のチート的能力で強引に勝利。相変わらず解決法がいい加減すぎる!
しょーもないですよ、ほんとしょーもない。最後ぐらい真面目にバトルしてくれよと。
このアニメは終始こんなノリでしたね。わざと軽くてチープな展開にしてるのかな?
でもまぁ終盤は不快感がなかっただけマシですが。
全話視聴後の感想
終盤(9話以降)はそこそこ面白かったのですが、序盤と毒親編は見るのが辛かったです。
真々子のお色気サービスシーンをゴリ押ししたり、無駄にリアルな毒親を登場させたり、どの層を喜ばせようとしているのか分かりません。
親子問題がテーマなのかもしれませんが、そこまで真面目に書く気がないように思えてしまう。ワイズやメディと毒親がまるで和解したかのように描かれていましたが、本質的には何の解決にもなっていないと思いました。
真正面から問題に向き合わず、有耶無耶にして終わらせた感じでスッキリしない。
あと少々毒親に甘い感じが。考えすぎかもしれませんが、子供のほうが我慢しろみたいな価値観が感じられました。
非常にゆるい世界観でテキトーに冒険。真々子チートや茶番で問題解決。お色気シーンもたくさん。それなのに笑えないレベルの毒親を出して親子問題を語ろうとする。
ギャグとシリアスのバランスが悪く、困惑させられました。どういう態度で鑑賞すれば良いんでしょう?
全体的に何をしたいのかよく分からない作品という印象です。シリアスなテーマを扱っておきながら、中途半端なギャグテイストでお茶を濁すのはいただけません。
シリアス展開を入れるのなら、せめてその展開が終わるまではシリアスでやり通してほしかった。反対にギャグメインで行くなら、もっと笑える感じの毒親を出せば良かったのになと思ってしまいます。
パーティーメンバーやアマンテなど、みんなキャラが立っていて魅力があっただけに、シナリオの適当さがちょっと残念ですね。もっと楽しい冒険が見たかった。