ひなたの愛は重い:アニメ『ヤマノススメ サードシーズン』7話から9話の感想

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2018年夏アニメ『ヤマノススメ サードシーズン』7話から9話の感想です。

※4話から6話の感想はこちら

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7話「働かざるもの、登るべからず!?」

なんか心に来る回でした、見るのがキツイ…。終盤まで見てから振り返ってみるとサードシーズンはこの回から方向性がおかしくなったように思います。

寂しい休日

7話はひなたがぼっちな休日を過ごす話。あおいを誘うのだけどバイトが忙しくて来られないと言われます。

ひなたはあおい以外に友達がいないのかな?学校ではクラスメートとつるんでたけど、プライベートで交流があるのはあおいだけなんでしょうか?明るくて友達多そうなのにね。なんか闇が深い…。

ひなたは、あおいと一緒に回るはずだったプラネタリウムやクレープ屋を一人で回ります。

あおいが隣にいるつもりで虚空に話しかけたひなたは、彼女がそこにはいないことに気づき表情を曇らます……。

なんというか、まるで親友の死を受け入れられない人の物語を見せられているようでしたよ。無理やりテンションを上げて楽しもうとしているひなたは見ていて辛い。

はたらくあおい

一方のあおいは学生バイトなのに働きすぎじゃないでしょうか。朝から日没後の閉店まで勤務。休日がまるっきり潰れてしまうようです。帰宅後風呂でぐったりしてたぞ。

この子バイトと山登りばっかりで勉強のほうは大丈夫なのでしょうかね。前の回で母親に勉強しろってキツく言われてたし。

あおいのバイト先の洋菓子屋に、ここなさんの母親が登場するシーンがあったのですが、ポンコツっぽく描かれてるのが辛い。

ちなみに原作ではあおいに心の声で馬鹿にされていたようです。

ここな母はシングルマザーなんでしょうかね?今回の描写を見る限り要領の良い人ではなさそうだから、かなり苦労してここなさんを養ってるんだろうな。

このアニメはストレスフリーの日常系とは違うんですね。気楽に見られる作品が好まれるご時世だから、『ゆるキャン△』みたいに大ヒットすることはなさそう。あれは極限までストレスフリーなアウトドアものでした。

うーむ、7話には辛気臭い要素を一気に詰め込んできましたね。

8話「ふたつの約束」

今回は妙に絵がいいです。特にキャラクターの表情の描き方が絶妙。今期ちょこちょこあった手抜き回が嘘みたいに気合が入っていて背景の小さなモブもちゃんと動いています。

前は同じような登校シーンで主人公二人の目が点でした。話数によって絵の丁寧さが極端に違いますね、今シーズンは。話数によって波がある。

ご機嫌斜めのひなた

珍しくひなたが拗ねています。かわいい。前回あおいに構ってもらえず寂しく一人デートしたのが尾を引いてる感じ。

あおいにベタぼれしてるから相手してもらえなくて堪えたのでしょう。ひなたは明るく能天気なように見えてガラスのメンタル。繊細そうに見えるあおいのほうが内面は割と大雑把だったりします。

普段は明るいひなたが見せる憂いの表情がたまらないですね。グッとくる。

ひなたはあおいと一緒に赤城山に登ろうと計画していたのだけど、あおいは先にほのかちゃんと遊ぶ約束をしていました。

素直にあおいと一緒に行きたいと言えば良かったのに感情がこじれていて言えません。

あおいが予定を変えて赤城山に行くよと言ってもひなたは遠慮します。でもあおいがもうひと押ししていれば受け入れていたらしい。面倒くさい子ですね…。

『ヤマノススメ』はこういう人物の描写が良いと思います。視聴者に奉仕するために作られた人間味のない萌えキャラが横行する昨今、ちゃんと人間的な部分を持っているキャラというのは貴重。

めんどくさかったり腹黒かったりしてもいいのです。完璧人間ばっかじゃつまらない。

花柄の黒電話

ひなたはここなちゃんを誘って赤城山へ。それにしても、電話の取り方からここなちゃんの育ちの良さが分かりますね。ハキハキした声で「はいっ!青羽です!」って。

家は貧乏だし母親は頼りない感じだったけどしっかり育てられてるんですね。これまでのエピソードからも愛情を沢山注いで育てられているのが分かる。

ここなちゃんの家の電話機は花柄カバーで可愛い感じ。でも今どき黒電話を使っているのは謎。逆に入手が難しそう。電源不要のプッシュ式電話機も2000円以下で売ってるのにな。貧乏ネタでここなちゃんを弄りたいスタッフの悪ノリのような気が。

9話「それぞれの景色」

二人の温度差

ここなちゃんと赤城山に登るひなたですが、やっぱりあおいのことが気になるみたい。ひなたにとってはあおいが世界の中心。

対してあおいのほうは、ひなたに執着しておらずほのかちゃんとエンジョイしてます。あおいにとってのひなたは友達のうちの一人という扱いのようです。

結構温度差があるんですよね。1期1話のあおいはひなたの存在自体を忘れていたくらいですし。

パワースポットを訪れたあおいが願い事に書いたのは無事富士山に登ること。みんなでご来光を見たいんだって。「ひなたと」見たいのではなく「みんなで」なんですね。

あおいは別の女(ほのか)に浮気して富士山に誘います。二人っきりで温泉に入っていたし、これを知ったらまたひなたが拗ねちゃうよ…。あおいはひなたの重い愛を受け止めることができるのでしょうか?

帰りの列車で

ひなたとここなちゃんが乗っている帰りの列車にあおいも乗ってきます。

あおいはここなちゃんにお土産を渡すのですが、ひなたの分はありません。さらに、ほのかと楽しく遊んだ話をあおいに聞かされ表情を曇らすひなた…。

あおいが成長しちゃって自分と一緒じゃなくても楽しめるようになってしまった。前はひなた以外に友達がいなかったのに。

ひなたはあおいにもっと依存して欲しかったんでしょうね。自分だけを見ていてほしかった。

「別にいつも一緒でなきゃいけないわけじゃないし、お互い楽しかったらそれで…」なんて自分を納得させようとしてるけど、本当はいつも一緒にいたいんだよね。

いいね~これ。愛の深さを感じます。ちょっと病んだ感じになってるのもいいね。あおいはノンケっぽいけどひなたはガチで百合系な雰囲気がある。

暗く沈むひなたほんと愛おしい。いつもの明るいひなたとのギャップに萌えます。もっと悲しむ顔を見せてくれ!立ち直らず、ずっとウジウジしていても構わない。

あおいがほのかと訪れたのが温泉街だったのは不倫旅行のメタファーという説をネットで見ました。なるほど、そう言われればそんな気がします。

裏側に色々な意味が隠されていて深みのあるストーリーですね。

次:10話から12話の感想

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