一件落着:アニメ『ヤマノススメ サードシーズン』10話から12話の感想

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『ヤマノススメ サードシーズン』10話から12話の感想を書いています。

12話でウジウジ話は終了。すっきりハッピーエンドになりました。ただ山要素が薄いのが少々残念です。

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10話「すれちがう季節」

絵の構図や演出が独特でした。例えばこういう絵が面白い。

©しろ/アース・スター エンタ―テイメント/『ヤマノススメ サードシーズン』製作委員会 第10話より引用

でもこれと言ってイベントの無い回ですね。ひなたの心理描写中心。正直薄いんじゃないでしょうか?あんまり中身がないですね。

一人立ちあおい

あおいとひなたは、4話でカラオケに行ったクラスメイト3人から、休日遊びに行かないかと誘われます。

ひなたは親と映画を見に行くのでパス。あおいは3人と池袋へ遊び行くことに。ひなたは、あおい一人で大丈夫かなと心配します。

あおいはクラスメイトから「前は暗くて近寄りがたかったけど最近は明るくなったね」と言われます。

一方ひなたは、スマホに送られてくる写真を見たり、3人と楽しそうに喋っているあおいを見かけたりして複雑な心境になります。自分に依存していた昔のあおいとは違い、今や一人で他人と楽しく遊べるようになっている。

成長して自分の元から離れたあおい。それが良いことだとは思いつつもやりきれなさを感じているんですよね。

本心ではベッタリ依存していて欲しかったんでしょうね。「私だけのあおいだったのに、他人に取られてくやしい」みたいな思いもあるかも。

これは恋なのでしょうか?それとも、すっかり成長して手が掛からなくなった子供を見て寂しさを覚える親心に似たものなのでしょうか?

繰り返す必要性に疑問

今回の内容に文句はありませんが、それはそれとして、同じ内容を書くのに話数を使いすぎな気はします。成長したあおいを見てひなたが悩むのは前もやったじゃん。

15分アニメで1クールしか無いのにこの話を入れる必要性を感じないんですよね。

単なる繰り返しになっています。山も一切関係ないし、大きな出来事もない。無意味に尺を捨てているようでもったいなく感じてしまいますよ。

11話「ぎこちない縦走」

楓さんに誘われて4人(あおい、ひなた、ここな、楓)で縦走をする話です。目的地は瑞牆山(みずがきやま)と金峰山(きんぷさん)。漢字の読み方が難しい。

ただ山は完全に背景と化していてうんちくも何もないんですよね。どこにあるかもわからないし、難易度も不明。キャラクターに焦点が当たっていて山は単なる舞台になってるという。

いつの間にか作品のコンセプトが変わってないか?

怒るひなた

ひなたがエラく怒っています。モヤモヤした思いを持っていたのは分かるけど、どういう過程を経て怒りになったのか良く分かりません。

あおいがここなちゃんと一緒に準備したり、一緒に寝たりしたのに嫉妬したのかな?

とにかくご機嫌斜めで、トゲトゲしていて感じ悪いです。遅刻したあおいを凄い剣幕で叱り付けたり、登山中ペースメーカーのあおいを追い越して勝手に先に進んでしまったり。

ひなたがメンヘラと化してますよ。でも病んだ女の子が感情をむき出しにしてるシーンって萌えるわ。今回のひなたは最高にかわいい。

©しろ/アース・スター エンタ―テイメント/『ヤマノススメ サードシーズン』製作委員会 第11話より引用

怒られたあおいが「えっ!?」て表情を曇らせるところも素敵。

©しろ/アース・スター エンタ―テイメント/『ヤマノススメ サードシーズン』製作委員会 第11話より引用

今回はひなたが勝手にこじらせてるだけだから、あおいが謝れば解決というような単純な問題ではないです。あおいにはどうすることも出来ないからホント困っちゃうよ…。

アニオリ中心の3期

こういう展開自体は好物だけどちょっとキャラを曲げ過ぎかなぁ…。原作にはこういうメンヘラシーンは無かったみたいです。

ひなたがウジウジする話を何話も使って引っ張ってるのもアニメオリジナルなんですって。

ちょっとびっくりですね。なぜそういう展開にしたんでしょう。軽い喧嘩をしながらも楽しく山登りをしているところが見たいのにね。ここまでガチ病みにする必要はあったのかなぁ?

一人作画の時と同じ違和感です。なんか今期は思ってた『ヤマノススメ』と違う。スタッフの作家性やオリジナル要素が前に出過ぎて、素材の良さを損なっている気がしなくもないです。

オリジナルの百合系作画アニメでやってくれるなら大歓迎なのですが。

12話「ともだち」

ひなたがウジウジする内容で引っ張り過ぎだし、話数を使いすぎだと思っていました。もっとしっかり山登りを描いてくれと3期を割と批判的に見てたんですよね。

でも今回のあおいのセリフ「あんたを一人でほっとけるわけないでしょ!」でやられてしまいました。

ひなたの驚きつつも嬉しそうな顔がもうたまらん。

©しろ/アース・スター エンタ―テイメント/『ヤマノススメ サードシーズン』製作委員会 第12話より引用

あぁ~なんかすごく尊い。途中で切らなくてよかったわ~と。あおひなは最高!もっとイチャイチャしてほしい。

このやり方はずるいです。今まで散々微妙な話を見せてガッカリさせといて最後に素敵な話をドーンと出す。終わりよければ全て良しの言葉通りスッキリしてしまいました。(ただし最終回は次の13話)。

ひなたがヤキモチを焼いてたことを素直に告白するのがいいですね。

あおいも「いちばん大事な友達はひなただよ」だって。いいねぇ~(ニヤニヤ)。幸せな話だぁ。仲直りした二人がほんとに楽しそうでよかったです。

それは友情か?

でも二人には微妙に認識のズレがあると思います。ひなたがあおいに向ける思いは友情を通り越し、もはや恋愛感情に限りなく近い。じゃなかったら嫉妬でここまでウジウジしないよ!

一方あおいはひなたを大親友と思っている感じ。同性にそういう感情を抱くという発想自体がなさそう。どんなに好きでも恋愛にはならない。

ひなたは小学生の頃あおいと離れ離れになって以来、ずーっとあおいのことを想い続けていたのだからストーカーっぽいヤバみがあります。

一方あおいの方は高校で再会しても「誰だっけこいつ?」だったからなぁ。ひなたが病む素地は以前からあったんですよね。

冷静になって気になった所

冒頭の料理シーンからひなたの機嫌がほとんど直っていた所がちょと気になりました。

前回めっちゃ険悪だったのになぁ~。演出の関係もあるかもしれないですが、前回とは全く空気が違っていました。もはやこの時点で半分解決してるような雰囲気だったんですよね。

次:アニメ『ヤマノススメ サードシーズン』13話感想&3期各話の評価と不満点

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