ろ~る8「私のユーシャ様~!」
前回の話で仲良くなったファイとローナ姫。冒頭で姫にハンバーガーを分けてあげてました。
ユーシャたちの反応を見るに大食いのファイが食べ物を分けるのは珍しいみたい。一緒に野生体験をしたおかげでかなり距離が縮まりましたね。
自作自演
ユーシャに勇者らしい活躍をさせたいローナはマオ先生に相談。しかし、ひよっこのユーシャに勇者クエストはさせられないと拒否されます。
そこで財力を使ってマオを買収しようとするローナ。一度は断るマオですが、出された金塊に目がくらみ買収されてしまいました。このくだり好きです。
魔王が復活して姫がさらわれたという芝居を打つことに。魔王城まで建設している姫は凄い。なんでも好き放題できるいい身分ですね。
ユーシャ達が魔王城に来る場面では、姫のサイコパス的な側面がよく出てました。マオよりよっぽど魔王的。
勇者らしい戦いを見たいからという理由で、ユーシャ達に危険なトラップを仕掛けたり、凶悪な敵に挑戦させたりしたいと考えています。
姫にはユーシャたちが大怪我をしないようにするという配慮がなく、手加減しているマオにご不満な様子。
芝居にすっかり騙され、命がけで姫を助けたいと思ってるユーシャたちを玩具扱いしてますねぇこの人。姫様怖いです!
でもまぁ最後に自分がやってることに気づいて謝ったからいいんですが。無自覚に怖いことする人ですねぇ。狂気を感じました。
今回は中身が濃くて面白かったです。毎回これくらいの内容をやってくれたらいいのですが。脚本は4話(鯖魚人と邪神が出る回)の人でした。
ろ~る9「秘祭!カルタード祭り~!」
この回はやばいです。体感一時間。6話くらいから面白くなってきたなーと思ったら、また極端に刺激のない回が来ました。
カルタードの謎が明かされる話なのですが、うっすら狂気の混じったとりとめのない展開が眠気を誘います。
村へ招待
カルタードはタルカ族という妖精みたいな生き物が住む村で作られていますが、部外者は村に入れません。しかし、メイはタルカ族の一人と仲良くなり、村で行われる秘祭に招待されます。
他のユーシャパーティーメンバーも付いていくことを許可され、穴から村に侵入。
村ではカルタードが木になっていました。(実のように枝に付いてる)
カルタードが人工物ではなく天然物だったとは驚き……。もろに農作物じゃないですか。カードが木から生えるって尋常じゃないですね。
このアニメ世界観がふんわりしすぎですよ。「ゆるい」という域を超えている。もう酔った人が考えたような雰囲気です。キマってる。
ゆるすぎる
しかも今回は全編通して意識が朦朧とした状態で書かれたようなストーリー。ふわふわしすぎてます。
現代のアニメ視聴者はリアルの生活で疲れ果てていて、ストーリーものを見る気力が残っていないなどと言われていますが、ここまでとりとめのない話にする必要ありますかねぇ。
もう少し起伏のある内容でもいいだろうと思うんですが。
過度の疲労で精神崩壊寸前の人間に見せるために作ってるのかな? ってくらいの刺激のなさ。
そこに何故か唐突に打ち込まれる下着シーン。お色気要素もあるんだこのアニメ……。まぁ、最初から衣装の露出度は高かったけれども。
日常系ってなんだ?
今回はマオちゃん先生が出ませんでした。絵は相変わらずいい感じ。でも内容が薄いという……。
何なんでしょうねコレ一体。日常系のカテゴリーに入れていいのでしょうか?
脈略がなく、幻覚か悪夢を見ているような回でした。 まさに「山なしオチなし意味なし」。
日常系は好きだけど、こういうのを求めてはいないです。
ろ~る10「雪山の夢~!」
ユーシャパーティーが雪山で遭難する話です。
薬草を摘んでくるだけの簡単なクエストで、今の時期吹雪は起こらないとマオちゃん先生も言っていたようですが、実際には猛吹雪で身動きが取れません。
これマオが心変わりして再びユーシャ抹殺を企てたのかと勘ぐってしまいますよ。気候が分かんないなんてことある? 季節外れの大雪ってことなんですかね?
眠ると死んでしまうので夢を語り合うのが前半の内容です。
省エネ?
絵的には結構省エネ回だなぁと思いました。作画の手間をしっかり削減。
止め絵の回想&妄想シーンが多く、前の話数の使い回しも。キャラクターが出るカットも顔のアップばかりで口くらいしか動きません。その割にちゃんと面白く見られるので、見せ方上手なんでしょうね。
あと省エネとは違いますが、顔の表現がなんか独特でした。目が点とか、吹き出しに顔とか、タコみたいな口とか。
ネタの繰り返し
メイのカルタードネタはいい加減しつこく感じてしまいます。別の方向でキャラの掘り下げをしてほしかった。カルタードに熱中してるのは十分わかっているから……。
ファイの空腹ネタも同じことの繰り返し。1クールのオリジナルアニメなのにネタ切れ感がありました。
引き出しが少ないというかなんというか。もう少しキャラ設定に厚みがあればよかったのですが……。
せっかくのオリジナルアニメなのに残念です。キャラクターデザインや映像、音楽は素晴らしいのにもったいない。
夢の中へ
後半はパーティの夢の世界(妄想の世界)にセイラが入り込む話。カルタイーターというモンスターに夢を見せられているので普通の方法では起こせません。寒いので眠ると凍死してしまいます。
1人だけ目を覚ましたセイラはカルタードの力で3人の夢の世界に入り込みます。このパートはカオスな内容で面白かったです。
モンスターは心の底から願っていることを夢として見せます。
幸せであるなら夢でも構わない、現実に帰りたくないと言う3人に、夢で願いを叶えても虚しいだけと破壊を試みるセイラ。なかなか示唆に富むシーンでした。
あと、考察要素がほんの少しありました。ユーシャたちには魔王を倒そうとしてどこかへ飛ばされた記憶の断片が残ってるみたい。やっぱりあの後の世界なんですね。
ろ~る11「ファイナルデッドエンド~!」
冒頭、モンスターと戦うユーシャパーティ。いつも通りのテンプレ掛け合い。
「ドヤァ」や「カルタード3枚で竜巻」をワンパターンだなぁと思いながら見ていましたが、ユーシャたちは自分たちが強くなっている自覚があるようです。
実際に強モンスターのグリフォンを倒してました。
4人は強くなったから勇者向けのクエストがほしいとマオちゃんに言いますが、信じてもらえません。しかしローナがレアカルタードでユーシャパーティの活躍を録画していました。
ご褒美としてマオの家に遊びに行くことに。
マオが料理を振る舞ってくれます。なんと魔法を使って一瞬で作成。その魔法がサブタイトルの「ファイナルデッドエンド」。料理魔法の名前だったんかい……。
見た目は美味しそうなのですが、自然界に存在しない味の激マズ料理。体が動かなくなるほどヤバイ。無理やり食わされたチビちゃんは、食ったものをゲロゲロ吐き出してしまいます。
どんだけ食ってんだこいつ。神様がたくさん出る某有名劇場アニメで見たようなシーンですねぇ。チビちゃんも神に近い存在ですよね。邪神まで食べてしまいますし。
口の中からかつて魔王に仕えていたメイドゴーレムも出てきますが、記憶を失っているみたい。
マオはゴーレムの記憶が戻ったら自分の正体がバレてしまうと恐れますが、姫が記憶を戻すカルタードを使ってしまいました。
ゴーレムの様子に変わりは無いようですが、なんとユーシャパーティの記憶が戻ります。
ユーシャたちは魔王戦で呪文を噛んだせいで過去へ送られてしまったことを思い出しました。タネ明かしですねぇ。やっぱり過去に飛ばされてたのか。
マオ(魔王)が記憶を保持していたのに対し、ユーシャたちは記憶を失っていたというだけで、どちらも過去に送られていたようです。
タイムトラベル?
しかし、単純に過去に飛ばされたっていうわけではないと思うんですよね。だって過去の魔王や過去のユーシャパーティがいないんですよ。
単純なタイムトラベルでは無く、自分たちのいない並行世界の過去に飛ばされたかと考えたほうが納得がいきます。あるいは自分たち以外の世界が巻き戻されたとか。
次が最終回
マオは覚悟を決め自分が魔王であることを明かし、姫を誘拐。シリアスな感じに終わりました。次が最終回なので話を終わらせに来ましたね。
おそらく次回はマオちゃんが救われる話でしょうねぇ。ユーシャが主人公のように見えますが本当の主人公はマオちゃん。彼女が勇者に倒され続けるという因果から開放される話になると予想。
ろ~る12「エンドロールのその先は……」
ついに最終回。
マオが救われるという点は予想通りでしたが、想像以上のハッピーエンド。とてつもなく長い年月続いた因果(もはや呪い?)を断ち切るというスケールが大きい結末でした。
正直これまで微妙な回もあったけど、最終回はこれ以上ないってくらい綺麗にまとまっていて、作品全体の評価が上がりました。希望に満ちた終わり方で少し目頭が熱くなりましたよ。
シリアスな流れですが深刻になりすぎない素晴らしいバランスでした。
※以下、重大なネタバレがあるので、未視聴の方は注意
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魔王と勇者の謎
最終回なので世界観の謎の説明もありました。
魔王は何度倒されても復活し、その度勇者に倒されているという設定は以前から明かされていましたが、それには裏がありました。
完全復活した魔王は勇者では太刀打ちできないほど強いです。そこで誰かが完全体になる前に無理矢理復活させ、十分な力を持たない状態の魔王を勇者に倒させていたのだそうです。
つまり代々の魔王は自力で復活したわけではないということ。意外ですね。
そして、誰が仕組んでいるのかわからないけれど、魔王の復活と同時に勇者も誕生するという運命になっています。
何代も掛けて徐々に魔王の力は削られていき、今回の魔王(マオ)は倒されたらもう復活しないというところまで弱体化しているようです。
ユーシャがマオを倒したら永遠のお別れに。倒さなかったらナラル島が滅びる。
さぁ、どうする……というのが今回のメインテーマです。
チビちゃんの謎
チビちゃんはやっぱり凄い存在でした。時空を超えることも可能で創造神クラスかもしれないとのこと。また、前回の冒険ではいなかったけれどいつの間にかパーティに加わっていたようです。
やっぱり正体はエンディング映像や過去に飛ばされるシーンに出たあのドラゴンでした。
ただ、可愛らしい姿になった理由ははっきり説明されませんでした。ほとんど神のような存在なので自由自在に姿を変えられるのかな?
また今までに何回かローナ姫がマオの正体を見破っているような台詞がありましたが、実際にはちっとも正体に気づいておらず、本に載っていた台詞を思わせぶりに言ってみただけだったようです。
ところで謎が一つだけ残りました。
第1話冒頭の魔王戦は何だったんでしょうね。あのときは過去に飛ばされていません。更に一周前の出来事ということなのでしょうか?その点だけがスッキリしませんでした。
未来は白紙
ラストシーンもすごくよかったです。ローナ姫が新しい勇者物語の本を持ってくるのですが、中身は白紙。装丁に凝っていたらそれだけで満足してしまったようです。姫様らしい。
それを見てユーシャは「私達のこの先はまだ真っ白だから、何だってなれるよね!」と言います。
これはオープニング曲の歌詞「まだ白紙の一文字目」と重なりますね。なんかこのラストだけで傑作に見えます。
それと同時に「バック・トゥ・ザ・フューチャー Part3」ラストシーンでのドクの台詞、
「人間の未来はすべて白紙だっていうことさ。未来は自分で作るのだ。君らもいい未来を作りたまえ」
を彷彿とさせます。
タイムトラベルつながりですし、影響受けてるかもしれないですね。ちなみに「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズは本当に名作なので、まだ見たことがない方にはぜひ見てもらいたいです。
全話視聴後の感想
主人公はマオ?
「えんどろ~」をストーリーものとして捉える場合、マオが主人公の物語として見たほうが理解しやすいと思いました。
問題が解決し救われるのはマオですし、悩みや葛藤があるのも彼女だけ。
一言で言えば、孤独だったマオが優しくしてくれる人達に出会って救われる話ですね。ユーシャたちはほとんど成長しないし、のほほ~んと日常を楽しんでいるだけでした。
過去に飛ばされる前の冒険はユーシャたちが主人公だったけれど、飛ばされてからは主人公がマオに交代していると考えたらスッキリしますね。あくまで個人的な解釈ですが。
極端なことを言うと、マオに関わらない話は見ても見なくてもラストにほぼ影響がありません。
日常系+α
「えんどろ~」は物語性のない日常系として見ることも出来ますが、マオに注目すると王道の物語をやっています。2つの要素がいい感じに組み合わされていると思いました。
「日常系」+「ファンタジー」という謳い文句でしたが、「日常系」+「マオが救われる物語」と見ることも出来ます。マオ関連の話は本当によくできていたと思います。
一方で日常回は当たり外れが大きかったです。つまらない回は本当に時間が長く感じました。テンプレ異世界ものを見ているかのような虚無感です。
好みの問題もあるので楽しめる人もいるのでしょうが、個人的には駄目でした。他の日常系作品ではお目にかかれないほど内容が薄く、見るのが辛く感じる回がありました。
キャラの掘り下げのこと
あと、気になったことが一つ。
ユーシャパーティメンバーはあまりキャラ立ちしてないと思います。カルタード好きとか、大食いとか分かりやすい特徴はあるものの、それ以上の掘り下げがなかったのはちょっと残念でしたね。
キャラのバックグラウンドや思いがよく分からないので、感情移入しにくいですね。対するマオちゃんはすごい掘り下げや内面描写があったんですけどね。やっぱ主人公はマオちゃんなのかなぁ……?
おわりに
なんだかんだと文句を言いながら見てきましたが、終わり良ければ全て良し。今はいい作品だったなぁと感じています。
来週からはもうマオちゃんやユーシャパーティのみんなと会えないと思うとなんか寂しいですねぇ。
カルタードネタがワンパターンだとdisってたくせに、実はメイちゃんも好きだったんだなぁと……。もう「ドヤァ」が見れないのは寂しいですね。