『ヤマノススメ サードシーズン』最終回13話の感想と3期各話の評価記事です。
サードシーズンには色々と言いたいことがあるので不満点の項で詳しく書いてます。
前の記事:10話から12話の感想
13話「秘密だよ?」
あおいが体力づくりのためペットボトルを背負い一人で天覧山に登ります。そこへここなちゃんがタイミングよく登場。
あおいはひなたの誕生日が近いことを忘れていたけど、ここなのおかげで思い出し、ひなたを喜ばせようとプレゼントを考えます。
最終回なのに盛り上がりがなく微妙でした。内容が薄いので眠くなる。これなら12話で終わっていたほうが綺麗だったような…。
でもあおいの妄想シーンは面白かったです。満面の笑みでトントン肩たたきしたり、ひなたがおじいちゃんになったり。
あと、設定が前回(12話)と変わっている気がするんですよね。今回のあおいは2Lペットボトルを二本背負っただけでフラフラしていました。
12話では、自分とひなた二人分の荷物を抱えて余裕で歩いてたような…。友情パワーは凄いってことでしょうか?
各話数の個人的な評価
最終回まで見たので各話の面白さを5段階で評価します。あくまで筆者の主観です。客観的な評価ではありません。個人的にもう一度見たい内容かどうかという点も考慮。
第1話 筑波山で初デート!? | ★★★★★ |
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第2話 登山靴ってすごいの? | ★★★★★ |
第3話 飯能にアルプス!? | ★★★★★ |
第4話 クラスメイトと遊ぼう! | ★★★★★ |
第5話 思い出を写そう! | ★★★★★ |
第6話 コーヒーってなんの味? | ★★★★★ |
第7話 働かざるもの、登るべからず!? | ★★★★★ |
第8話 ふたつの約束 | ★★★★★ |
第9話 それぞれの景色 | ★★★★★ |
第10話 すれちがう季節 | ★★★★★ |
第11話 ぎこちない縦走 | ★★★★★ |
第12話 ともだち | ★★★★★ |
第13話 秘密だよ? | ★★★★★ |
平均すると★3.1くらい。つまらなくはないけど凄く面白いというわけでもない。未視聴の人に強くおすすめしようとは思わないけど、暇つぶしに見る分には十分楽しめると思います。
原作やアニメ1期2期を見たことがない人のほうがすんなり受け入れられそう。これまでとは大分方向性が違っているので。
◆各話感想リンク:1話から3話 4話から6話 7話から9話 10話から12話
今シーズンの不満な点
うーん…。やっぱりサードシーズンはセカンドシーズンに比べて完成度が低いように感じてしまいます。シナリオが十分練られていないように思えたし、全体的に急いで作ったような印象を受けました。
スケジュールが実際どうだったのか素人の筆者には分からないので、あくまで印象論なのですけどね。
そういった事情抜きにしても、正直退屈な話が多かったし全体的に薄味でした。以下、具体的に不満点を挙げていきます。
繰り返しが多い
今期は似たようなシチュエーションの繰り返しが多いように思いました。
ネタが無いのでしょうか? その割には原作を利用せずアニメオリジナルの話ばっかりだったので、何をしたかったのか分からないです。
また、最終回のここなちゃん登場場面は3話の飯能アルプスと全く同じ状況。あおいが一人で山に登っていると連絡したわけでもないのにタイミングよく現れるんですよね。
一度だけならここなが人知を超えた力を持っているかもしれないと思わせる良いシーンなのだけど、繰り返されるとご都合主義にしか見えなくなります。
「ほのかと兄貴」や「楓とゆうか」の掛け合いも毎回同じような内容でうんざりしました。
兄貴が恥ずかしい話(真偽不明)をバラし、ほのか顔を赤くしてやめてと怒る。楓がサボろうとしているとゆうかが勉強しなさい!と叱る。
いっつもコレ。人物描写が単調です。もう少しひねりが欲しかった。
山要素が薄い
これが一番不満なところ。山のアニメなのに山を脇役にしちゃダメでしょ。
2期までと違って山の楽しさが全く伝わって来なかったのがとにかく残念です。女の子の日常を見るだけのアニメじゃないのですよ『ヤマノススメ』は。スタッフはそのことを忘れてしまったのでしょうか。
タイトルにあるように山を勧めてくれないと困ります。初心者向けの登山入門アニメという面もあるのですから。日常系プラスαの強みを持っているのに、それを生かさないのは勿体無いです。
3期では山のうんちくや豆知識、初心者向けの解説がほとんど無かったんですよね。3期の山はほぼ背景でしかないです。
「ギスギスノススメ」とか「ユリノススメ」と揶揄する人の気持ちも分かります。人間関係にしかスポットライトが当たっていなかったので、山が無くても成立するんですよね今期は。
2期は本当に見るだけで山に登りたくなるような内容だったのにね。視聴者に「楽しそう、自分もやってみたい」と思わせることに成功していました。あの頃の『ヤマノススメ』はどこへ行ってしまったの?
映像と展開の違和感
完全に好みの問題なのですが、絵柄や演出の癖が強い話数があり、違和感を感じて話に集中できませんでした。
作画技術が凄いと評価している人もいるけど、個人的にはこのアニメに求めているのはそういうものじゃないよと思った。
また、全体の構成と尺の使い方にも違和感があります。2期と違い、1クールしかないにも関わらず、ひなたがウジウジするだけの内容を何話も使って繰り返すのは変な感じ。
ひなたが情緒不安定になるエピソードは原作に無くアニメオリジナル。にもかかわらずその鬱々とした展開を引っ張るものだからネット上でも賛否両論でした。
ひなたの性格が変わりすぎとか、百合同人誌みたい、公式でやる内容ではないという批判も。
ギスギス話を入れたとしても2話ぐらいでスパッと解決させていれば、登山要素も時間を掛けて丁寧に描けたと思います。
あとがき
山要素が薄かったり、原作を改変してメンヘラ百合的な展開に走ったり、アニメーターの作家性を前面に出すような作画をしたり。今期はこれまでの『ヤマノススメ』とは別物になっていました。
『ヤマノススメ』のキャラクターを使ったオリジナル作品っぽい。二次創作感があります。
もし4期があるのなら原点を思い出して山の楽しさを描くアニメにして欲しい。セカンドシーズンの完成度が非常に高かっただけにサードシーズンの出来には不満が残ります。