各キャラについてコメント―『水星の魔女』第1クール感想Part3

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TVアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第1クール(1~12話)の感想パート3です。

パート1:ガンダム『水星の魔女』第1クールの全体的な感想

パート2:良かった点、気になった点―『水星の魔女』第1クール感想Part2

今回はキャラクターについて思ったことを書きます。ネタバレがあるので未視聴の方はご注意ください。

作品テーマを考える

それぞれのキャラクターについて語る前に、第1クールを見て感じた作品のテーマについて語ります。

第1クールを振り返ると、親子関係と子どもたちの成長・自立がテーマだったように感じます。未成年(学生)である登場人物たちが、親と対立しながら自分というものを確立し、大人に近づいていく様子が描かれていました。

ヒロインポジションのミオリネは特にそのテーマを象徴していると思います。彼女は独立心が強く、父デリングの言いなりになることを拒絶し全面的に対立。厳しい状況に置かれながらも親の圧力に屈せず、自分の意志を通そうと頑張っていました。

そんなミオリネも第1クール中盤以降、デリングの立場や苦労を知り、少しずつ彼に対して歩み寄りの姿勢を見せるようになりました。デリングの方もミオリネを管理すべき子どもではなく、対等な人間として見るようになっていったように思います。

ミオリネは本作のキャラの中では最も望ましい形で成長し、親との和解に向かっているように見えました。

また、準主人公とも言えるグエルや敵に回ったシャディクも、それぞれ違う形で親とぶつかり、良い方向であるかどうは別として、成長していました。

ただ、主人公のスレッタは全然成長していないどころか、むしろ退行しているように見えます。ここが本作のユニークな点でしょうね。主人公が最も精神的に幼く、親から自立するどころか逆に依存を強めている。

第2クールではそんなスレッタが、母親プロスペラの精神的な支配から開放され、一人の独立した人間として成長するまでが描かれるのでしょうか。

各キャラについて

ここから本題。各キャラについて思ったことを書いていきます。

なお、すでに第2クールの放送は始まっていますが、第1クールを見た段階での感想です。第1クール放送時に書いたメモを元に、現在(2023年4月)清書してアップしています。

スレッタ

本作主人公のスレッタですが、最初は心から応援できるキャラでした。しかし話が進むにつれ、違和感のある言動が目立つようになります。そして最終話で、視聴者の抱いた違和感が間違いではなかったことが明白になりました。

序盤は本当に好感の持てるキャラでした。辺境の地である水星からやってきたスレッタは、一人学園に編入します。不安の多い環境ですし、本人は怖がりな性格。それなのに勇気を振り絞り人助けをするところや、母親の言葉を思い出し逃げずに立ち向かうところが健気で泣けました。エモい。

セセリアに嫌味を言われているグエルを擁護するシーンも良かった。スレッタは彼に苦手意識を持っているのに助けに入るんですよね。なんていい子なんだと。そりゃグエルも惚れる。

ガンダムシリーズ初の女性主人公とのことですが、「これぞ理想の主人公」という感じで応援したくなりました。エアリアルに乗ると性格が変わって頼もしくなるのも良かったですね。

ただ、第1クール最終話を見てから振り返ると、それら心温まるエピソードもスレッタ自身の意志によるものだったのか少々怪しくなります。

実は第1話の時点で既にスレッタの異常性を匂わせる描写はありました。モブの女子生徒がスレッタをからかうつもりで

「その古そうなヘアバンドも、お母さんが言うから付けてるの?」

と尋ねます。しかしスレッタ当人はその意図が分からず、嬉しそうに「もちろんです」と返答。女子生徒たちは呆れていました。

ここ以外にも、最終話を見てから見返すと引っかかる描写が多いんですよね。スレッタは、ある意味純粋すぎるのか母親の教えに全く疑いを持たず、それを頼りにあらゆる物事の判断をしていたことが分かります。本人の意志がどれほどあったのか怪しい。

洗脳を思わせるような描写は最終話以前にもありましたね。第8話でミオリネと一緒に母親にガンダムのことを聞きに行くシーン。

母親の説明を聞いたスレッタは、目を見開き陶酔しているような表情を見せていました。初見ではギャグっぽいシーンだと感じたけど、どうもこれは洗脳を表してたんですね……。

最終話では母親の指示さえあれば笑いながら人殺しができるヤベー奴だったことが判明しましたし。やはり母親の言う通りに動くよう、洗脳か何かを受けていたと捉えるのが自然でしょう。

ミオリネや仲間たちの力で洗脳を解き、スレッタが一人の人間として歩き出す所が物語の終着点になるのかな?

あと、ヒロインポジションのミオリネが強情で意志を曲げないキャラとして描かれていたのは、意志が弱く母親の言いなりのスレッタと対比するためだったのかもしれませんね。

プロスペラ

スレッタの母(?)で仮面の女。謎の多い人物で、この人だけがスレッタやエアリアルの秘密を知っているようです。デリングと組んで、なにやら怪しげな企てを進めているみたいですが、現時点では詳細不明。この陰謀が物語の結末につながるのでしょうね。

謎が多すぎて語れることが少ない人物かも。プロローグに登場したエルノラと同一人物であることが本人から明かされましたが、それも真実かどうか怪しい。仮面に肉体を乗っ取られているという説もありますし、顔を他人そっくりに変更可能な世界観ですからね。

ミオリネ

ミオリネはおそらくヒロイン枠でいいとこのお嬢さん。スレッタより背が低く、並ぶと結構身長に差があることが分かります。いつも声が大きいので体格もいいと錯覚してしまいそうですが、意外と小柄なんですね……。

といっても、家電量販店の映像コーナーとかアニメグッズ店に置いてある等身大(らしき)ポップを見る限り、そこまでちんちくりんってこともなさそう。スレッタがデカいだけか?

個人的にミオリネのキャラデザは好きです。あと、クールで表情に乏しいキャラかと思いきや、意外と表情豊かに描かれているのも魅力。何かに集中している時に、口がカモメみたいになるとこが可愛かった(ω←これを上下逆にした感じ。)

あと、脚が綺麗でえち。本人もそれが分かっているのか、脚を強調するようなファッションをしています。

さてそんなミオリネですが、冷静になってみると、結構キツい性格してますよね。見た目が良いから許されている部分があるかも。

優しさを感じさせる描写もありましたが、いつも不機嫌そうで怒鳴ってばかりいる印象のほうが強い。口調も、喋る言葉も、他者への配慮に欠けていてキツすぎる。正論だったとしても言い方というものがあるでしょう。

もう少し優しく接していればシャディクが闇落ちすることもなかったのではと思わずにはいられません。

なんかミオリネって、気が強いうえ優秀で隙がないので付き合いづらそうなんですよね。凡人の場合、一緒にいても見下されている感じがして楽しくないでしょう。

スレッタが来るまで学園で孤立していたというのが公式設定のようですが、そりゃそうなるわなという感じ。

スレッタみたいな浮世離れした子じゃないと釣り合わない。普通の相手じゃ関係がもたないですよ。この二人ってよく考えればいい組み合わせだと思います。

まあ、ミオリネの置かれた厳しい立場や、哀しみ怒りはよく分かる。辛い状況でも腐らず、自分自身の力で道を切り開こうとする姿にはちょっと泣けました。

ただ、それらを考慮しても性格に問題があるように思います。これでもスレッタと出会って多少は丸くなったのかな?

あと、一見知的なキャラのようでいて、結構無謀な選択をするしゴリ押しを好むタイプなんですよね。振り返ってみれば、かなり危ない橋を渡ってきた印象。

スレッタの乗るエアリアルの機体性能と本人のはったりでなんとかしてきたけど、この方法がどこまで通じるのか心配ですよ。

例えば、機体やパイロットの数が足りるか未確定の状態でシャディクに決闘を挑んだのは軽率だったと思います。集団戦になる可能性は十分考えられたはず。グラスレーが集団戦で無敗というのは周知の事実だったようですし。

なんとか機体をそろえて勝てたから良かったですが、負けていたらシャディクの提案を飲むより悲惨な状況になっていました。会社をまるごと奪われていたわけですから。リスクを考えれば彼に譲歩していたほうが得だったかと。シャディクもそう思って取引を持ちかけたはず。

でもミオリネはギャンブラーみたいな性格だったんですね。妥協はしない。すべて手に入れるか、すべてを失うかの二択。

あれでもミオリネなりの計算があったんでしょうか? スレッタとエアリアルなら1対6でも勝てると思っていたのかも?

デリング

ミオリネの父親でベネリットグループ総裁。第1クールの登場人物の中ではおそらく一番権力を持ってる人。

序盤は敵の親玉を思わせる描写が多く、ラスボスになりそうでしたが、途中から風向きが変わりました。血も涙もない冷酷な男かと思いきや、ミオリネとの交流を通して少しずつ人間味を見せるようになります。

デリングはミオリネを道具扱いしていたわけではなかったようです。彼なりの愛情はあったし、娘のことを考えて色々決めていたみたい。

素直に愛情表現ができず、キツい言葉しか使えないため誤解を招く。彼も娘と同じく不器用なだけで根は優しいのかもしれません。まあ、やり方が良くなかったですし、当のミオリネは嫌がっていたので褒められたものではないですが。

強情さや配慮のない発言が原因で無駄に敵を増やすところもミオリネとよく似ていると思います。損な性格をしているなぁと。そこまで部下に厳しくせんでも……。

無意味に恨みを買った結果、デリングは何度も命を狙われてましたからね。最終話のテロリスト襲撃の遠因も彼の普段の振る舞いでしょう。

ところで、デリングはまさに独裁者といった様子で強権的な支配を行っていますが、どのようにベネリットグループの代表になったんでしょうね。プロローグの時点では軍人上がりでサリウスの部下だったようです。

駆け引きが上手じゃなさそうな彼がいかにトップに上り詰めたのか気になるところ。何らかのコネがあったのか、あるいは背後に大ボスみたいな人物がいて、その力で権力を維持しているのか。

あんな強引な組織運営をしながら権力を失わずいられるのには、何か秘密がありそう。第2クールで明かされるのが楽しみです。

なお、プロローグの虐殺を指揮したのはデリングのようなので、幸せな結末は待っていない雰囲気。なんか、ろくな死に方をしない気がします。今のところプロスペラと組んで何かを企てているようですが、どこかで裏切られてもおかしくないです。

素直に考えればプロスペラにとって一番の復讐対象者ですからね。

グエル

第1話の時点ではテンプレ的噛ませ犬キャラにしか見えなかったグエルですが、だんだん魅力的な人物になっていきました。

決闘でスレッタに負けたことが発端となり驚くほどの転落を見せますが、それと反比例するように視聴者からの人気は上がったと思います。

ホルダーの座を奪われるどころか、寮を追われ、学園も辞めることになったのは一見悲劇のようですが、長い目で見るとプラスになる挫折経験なのかもしれません。

もし決闘に勝利し、ホルダーとして傲慢な振る舞いを続けることができていたとしても、彼が幸せになれたとは思えません。どこかでツケが回ってきたはず。

結局父親の言いなりの人生ですから。自分が本当に望むことが分からないまま、虚しい生活を送ることになっていた可能性があります。

第1話でミオリネに「あんたはパパの言いなりだもんね」と言われ、めちゃくちゃキレて暴れたのは内心図星だったからでしょうね。初見では分からなかったけど、見返したらよく分かる。

実際グエルは父親からかなりのプレッシャーを掛けられていて、それに応えようと無理をしていました。本人もその状況に悩んでいたがゆえに、絶対に言われたくない一言だったのでしょう。

初見では単に短気で粗暴な人物という描写に見えてしまうけど、実は彼の苦悩が反映されていたのだと思います。

グエルが傲慢に振る舞ってたのは、それだけ親からのプレッシャーが大きくストレスになっていたからなのでしょうね。転落後の彼の振る舞いを見ていくと、根は優しく正義感もある王道主人公みたいな性格だったことが分かります。

個人的に好きなシーンは、正体を隠しボブとして働いていた現場の親方とのやり取りです(第9話Cパート)。本当の父親からは、あのようなねぎらい、いたわりの言葉をかけられたことがなかったんだろうなと思うと少し泣けます。あの場面のグエルは、救われたようないい表情をしていました。

それにしても、制作スタッフはちょっとグエルをいじめすぎな気がしますね。退学になるところまでは仕方ないですが、父ヴィムの乗るモビルスーツを撃墜してしまう展開はやりすぎ。

一般的に物語論で言われる「父殺し」って物理的に殺すことじゃないよね……。そういう父殺しが来るとは思ってませんでしたよ。

物理的に殺しても、精神的に乗り越えられていないと父殺しにはならない気が……。単に人殺しとしての罪を背負わされただけのグエルはまったく気の毒ですよ。

まあ、ヴィムは殺されても仕方ないような振る舞いをしてたけどね。いくらグエルに対する愛情があったとしても、彼のやってきたことは虐待に近いでしょ。

グエル本人は優しい子だったので意図せぬ父殺しに物凄いショックを受けていましたが、個人的にはあんなクズに情けを掛ける必要はないと思います。

そもそも彼はデリング殺害を何度も試みた殺人未遂犯ですからね。本作と同じ脚本家が手掛けた『コードギアス』でも言ってたじゃないですか、「撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ」と。

デリングやシャディクではなく、息子に始末してもらえたのはむしろ幸運だったのでは?

また穿った見方をすると、スタッフはグエルにヘイトが行かないよう、あえてヴィムをクズな小物として描いていたのかもしれません。視聴者が「ひとごろし~」ってドン引きしてグエルを嫌いになったら困るからね。

グエルは闇落ちせず、なんとか立ち直って活躍してほしい。彼は一度転落したことで、敗者や弱い立場の人の気持ちを理解する機会を得ました。再び立ち上がることができれば、皆から慕われる良いリーダーになれそうです。

彼には生き残ってほしいですよ。前作の某団長みたいにスレッタをかばって死ぬ展開は見たくない。ヴィム殺しはあくまで正当防衛だから許してあげてほしいよ。

あと、弟のラウダを殺めるような展開も勘弁。彼は青系の髪の毛を指でくるくるしてるから死にそうなのがね……。彼はガルマ枠ですよね。

信じていた人に裏切られて命を落とすという展開を踏襲するとしたら、グエルに始末されることになるけど、それだけは避けてほしいです。

ラウダは普段クールだけど、グエルのことになると熱くなるお兄ちゃん大好きっ子で可愛げがありました。出番は少ないけど結構魅力のあるキャラなんですよね。

グエルに殺られなくても、金髪枠という意味ではシャディクに殺られる可能性もあるのか。ラウダも生きて……。

エラン(強化人士4号)

4号は、エラン(本物)の影武者兼実験台。貧しいアーシアンの孤児を人体改造して作られた存在で、悲劇の強化人間枠。

スレッタを同類(強化人士)だと思い込み接近するも、違ったので勝手に傷ついて拒絶するという、端から見ると理解しづらいメンヘラのようなムーブをしていましたが、彼の境遇を考えると仕方ないですね。

また第1クールのキービジュアルに出ているので重要なキャラかと思いきや、第6話であっさり退場してしまいました。

その後の話では言及されることもなくなります。第1クールのストーリー全体から見ると、なんのために登場したのかよく分からないキャラになってしまった印象。

ネット上では、生存説とか、魂だけガンダム(ファラクト)のパーツとして取り込まれたという説も出ていますが、第1クール最終話時点では真偽不明です。個人的には多分生きてないと思う。

悲しいのは、エランに恋愛感情のようなものを抱いていたスレッタが、彼の中身が別人に変わったことに気づいていない点。見た目は完全に同じとはいえ、言動に違和感はないのか?

この辺もスレッタのちょっと変なところですね。流石にチャラすぎる5号には違和感を覚えたようですが、4号の末路は知らぬまま第1クールが終わってしまいました。

視聴者は最終話のハエたたきに目を奪われ4号のことを忘れてそうですし、なんか色々な意味で気の毒なキャラですよ。

そうそう、本作のテーマである親子関係に関して書いておきたいことがあります。4号は親子関係の描写がないのかなと一瞬思ったけど、よく考えればありましたね。

孤児の4号は自分の誕生日を知らず、誰かに祝ってもらったこともなかったと信じていました。しかしスレッタとの決闘の後、母親の記憶を思い出します。これが親子関係の描写と言えるでしょう。

でもあれ、実際の記憶が蘇ったわけではなく、ガンダムの謎パワーが見せた優しい幻覚の可能性も考えられるので悩ましい。

でもまあ、制作スタッフが親子関係というテーマをしっかり意識していることは分かりました。キービジュアルに出ているメインキャラ(スレッタ、ミオリネ、グエル、エラン、シャディク)の親子関係は一応すべて描かれていましたね。

シャディク

シャディクは孤児の出でありながら才覚を見出されたのか、グラスレー社CEOの養子になり、次期幹部候補まで上り詰めたチャラい雰囲気の男。モテそう。なんかハーレムみたいなものも作ってましたが、実際にはあれはハーレムではないんでしょうね。

胡散臭いと思われがちな彼を慕ってくれるのが、あの女性たちだけだったということみたい。一部を除いて恋愛感情はなさそうな感じでしたし。孤児仲間という可能性もあります。

そんなシャディクですが、SNS上の感想を見ると結構好き嫌いが分かれるキャラのようです。まあ、テロリストを手引きしてましたからね。終盤で悪役ポジションに回ったので嫌われるのも仕方ないか。

彼のせいで地球寮メンバーはあやうく死にかけ、デリングは大怪我。スレッタとグエルは「人殺し」をせざるを得なくなったわけですし。

それでも個人的にシャディクはグエルの次くらいに好きなキャラでした。チャラい外見や言動とは裏腹に、臆病で純情というギャップが良かった。

本心をさらけ出すのが怖いから飄々とした人物を演じているだけだったことが分かり、見方が変わりました。闇落ちしてしまったけど、根っからの悪人ではなかったように思います。

ただ、彼の本心は理解されず、以前から付き合いのある二人からも胡散臭い詐欺師のような人物だと思われていたのが悲しい。

シャディクって、意外と善意で動いていたと思うんですよ。寮を追い出され野宿しているグエルに声をかけたのも、利用してやろうとかいう計算づくでの判断ではなかったと思います。

純粋に、知り合いが困っているから助けたかっただけ。だけど本心が伝わらず拒絶されてしまう。株式会社ガンダムの件もそうです。ガンダムの技術は欲しかったけど、ミオリネの事業を邪魔したいわけではなかった。

第9話で彼が語った「ガンダム事業に噛めればそれでいい」という発言も決して嘘ではなかったのでしょう。でもミオリネは彼を信用していなかったので、汚い手段で会社とガンダムを奪いに来たとしか思わなかった。

グエルやミオリネの彼に対する態度を見ると、悲しくなってきますよ。どれだけ怪しまれ信用されていなかったのか。まあ彼にも原因があるんでしょうけどね。

「あと一歩、キミに踏み出せたなら」というサブタイトルの通りだと思います。ミオリネだけでなくグエルに対してもそうですが、勇気を出してもう一歩踏み出していれば、信頼を得ることができていたかもしれない。

傷つくことを恐れず、相手を信頼して本音で付き合っていれば、闇落ちせずに済んだかもしれないと思うと残念ですね。

味方になってほしかった人たちから拒絶され、過去の選択は変えられないという厳しい現実に直面したシャディクは覚悟を決め、悪の道へと踏み出してしまいました。

彼のせいで多くの犠牲者が出たわけですから、簡単に許されるはずはありません。でも救済されてほしいと思ってしまいますよ。ボタンの掛け違いで凶行に及ぶことになってしまっただけで、根っからの悪人ではなさそうですから。

とはいえ彼がハッピーエンドを迎えることはなさそうです。でも、どこかで改心して最後にいいところを見せてほしい。悪人として成敗されるような結末は嫌だなぁ……。

ベルメリア

プロスペラの元後輩で研究者。プロローグで襲撃された組織の生き残りということみたいです。現在はペイル社にて、禁忌とされたガンダムに関する研究をさせられています。

研究もやりたくてやっているわけではなく、立場上、生き残るために仕方なくといった感じ。抹殺対象の組織にいた人ですから、仕事は選べないのでしょう。

この作品では数少ない普通の感性をもった大人だと思いました。毒親みたいなキャラが多いですが、この人は穏やかな母親という感じの性格。

娘を兵器として利用するプロスペラに疑いの眼差しを向けていましたし、処分が決まった4号をなんとか助けようと涙ながらに直訴していました。

株式会社ガンダムの面々との交流シーンを見ても、思いやりがあって気配りができる人だと分かります。あくどい研究に携わってきたとはいえ、根は善良な人なんでしょうね。

なんとなくニカの将来を暗示しているキャラのような印象も受けました。置かれた立場や性格が似ています。

おわりに

取り上げていないキャラがいますが、語りたかったキャラについては書けたので今回はこれで終わりにします。

ところで第2クールはもう始まっていますが、この記事を書き終わるまで見ないことにしていました。第1クールだけの知識で書かないと内容が混乱しそうだったからです。

噂によれば、第2クールでもまだ学園での決闘が続くらしい。どうなるやら不安もありますが見るのが楽しみです。

第2クールの感想もそのうちアップする予定です。途中まで見た時点で書くか、最終回まで見てからにするかは未定。内容次第ですね。

長い記事になりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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