2期のキャラに対する不満など – 『鉄血のオルフェンズ』2期感想パート2

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『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』2期の感想は既に書きましたが、まだ書きたいことがあるのでパート2。

◆前の記事:強引な展開と不条理な結末 – 『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』2期感想

色々なアレな部分がある『鉄血のオルフェンズ』でしたが、途中までは面白かったし戦闘シーンは格好良かったのでクソアニメとして切り捨てることもできず、忘れようにも忘れられません。

もったいないアニメだなと感じます。キャラデザや声優陣の演技、作画、音楽どれを取ってもハイレベルだったのに終盤のシナリオが最低だったせいで台無しになった。

よく言われるように、高級食材の調理に失敗してとても食べられないものが出来上がった感じ。「もったいないもったいないおばけ」が出るよ。

メカデザインにしても、文句の付けようがないくらい素晴らしかったので残念です。

不満があるのは視聴者だけ?

終盤の脚本がとにかく酷いと思いましたが、そう思っているのは一部の視聴者だけかもしれません。

インタビュー記事などを見る限り、監督や脚本の人は終盤の展開が不自然だと思っていないみたいなんですよね。ただ、本当に心の底からこのシナリオに満足してるんでしょうかね?

ちなみに一部の声優からは疑問の声が上がっていたようです。

行き当たりばったりで作ったら尺が足りず仕方なくこうなった。妥協の産物がコレだとメインスタッフが考えているなら擁護も出来ます。

しかし、これがベストだと言われてしまうと批判的にならざるをえません。視聴者がこのシナリオからどんな印象を受けるか考えなかったんでしょうかね?

正直、終盤のシナリオには人情味が感じられず、特定のキャラを極めて冷酷な目で見ているという印象を受けました。

冷酷というのは言い過ぎかもしれませんが、少なくともスタッフは鉄華団やマクギリスに思い入れがなさそう。むしろ敵であるギャラルホルン側のキャラに感情移入してる感じでした。

終盤の胸糞悪い展開

終盤はとにかく視聴者の感情を逆なでするような展開ばかりでした。何の前振りもなくいきなり現れた暗殺者によって、あっさり射殺されたオルガ団長。

しかも深い理由があって暗殺されたわけではなく、「たまたま見かけたので、とりあえずやっときました!」みたいな軽いノリだったので、とても理不尽に感じました。

ろくに活躍させてもらえず在庫処分のごとく片付けられるハッシュ君や、宇宙から飛んできた巨大爪楊枝にやられる三日月と昭弘。誰がそんなシーンを見たいと思うでしょうか。

ちゃんと戦って負けたのならまだ納得できますが、ヒットマンとダインスレイヴという反則技で始末されましたからね。

それに、マッチポンプで市民を虐殺してきたラスタル・エリオンを、清濁併せ呑む大物として描いちゃダメでしょ。どんな理由があっても虐殺を正当化するのはマズいと思いますよ。

治安維持のためなら民間人を武力で弾圧してOKというのは、民主国家に住む人間の発想とは思えません。独裁国家のプロパガンダアニメじゃないでしょこれは。

ラスタルを肯定的に捉えている人は、デモ隊を虐殺する軍事独裁政権や、個人崇拝に基づく強権的な支配体制に賛同していそうで怖いです。

マクギリス一派と鉄華団を滅ぼすだけならまだしも、平然と民間人に危害を加えてますからね。擁護できませんよ。

全滅したほうがマシ

インタビューによると、当初は鉄華団を全滅させる予定だったようです。唯一生き残ったライドがノブリスを暗殺するシーンだけ入れて終わる予定だったものの、紆余曲折あって今のような中途半端な終わり方になったらしい。

全滅エンドは悲しい終わり方ではあるけど、それまでのラスタル陣営の卑劣さ、無慈悲さを考えれば筋は通っていると思います。クーデリア含め全員が死亡あるいは拘束される終わり方のほうがまだ納得できる。

敵側が急にいい人みたいになって、お情けで見逃され生き残って、希望がありそうな雰囲気で終わるのは気持ちが悪い。モヤモヤが残ります。

鉄華団残党は、戸籍を改ざんしたとはいえ顔を整形したわけではありません。ラスタルがその気になれば捕らえるのは難しくないはずなのに、普通に見逃されてますからねぇ。

百歩譲って下っ端団員なら見逃されるのも理解できますが、元副団長がクーデリアの護衛としてのうのうと暮らしているのは流石におかしいでしょ……。

 

この後は前の記事で書けなかったキャラクターについての感想を中心に書いていきます。

劣化したガエリオ

2期ガエリオはただのお邪魔虫に成り下がりました。率直に言ってうざったい。1期の彼は結構好きだったのに2期では一切共感できないクズ野郎に。

こんなことになるくらいなら1期で死なせてあげたほうがマシでした。そもそもコックピットを貫かれたのに何故生きている?

なんと彼は本来死んでいたはずだったのですが、1期放送後の視聴者の反響や一部のスタッフに好かれていたことが原因で設定が変更され、生きていることになったらしい。

それってどうなんでしょう…。そんな簡単にシナリオを歪めないでほしかった。

こいつが出しゃばらなければ、無能化されたマクギリスでもラスタルと相打ちくらいにはなっていたでしょう。

2期ガエリオはまるで別人ですよ。チャラいように見えて正義感が強く熱い心を持っていた彼が、冷めた人間になってしまったのにはガッカリ。正義感を失って個人的な復讐だけしか考えられなくなっている感じがします。

アインの二の舞ですね。嫌悪していた阿頼耶識システムを使ってアインの脳と合体しちゃってるし。

さらに気になるのは戦闘がアイン任せな部分。自分の力で復讐しなくて良いのか? 危なくなると「アイン頼むぞ」って……情けない。勝てれば手段はどうでも良いのか?

これは、他人をあてにせず己の力のみに執着するマクギリスとの対比かもしれないけど、一人では戦えない腑抜けにしか見えません。どう足掻いても自力ではマクギリスに勝てないと諦めていたのか?

正義感がない

一番痛いのは彼の美点である正義感や実直さが無くなっているところ。コロニー編でギャラルホルンの腐敗に怒っていたガエリオはどこに?

視聴者に好かれていたのは1期の主人公みたいなガエリオ。こんな別人みたいになって復活しても嬉しくないですよ。

2期の彼は、ギャラルホルン腐敗の象徴のようなラスタルの手下になっていて、彼の不正に不快感を示す様子もありません。眼の前で悪事を働いていても全然気にならないどころか、自分もモビルスーツに搭乗しその悪事に加担しています。

救ってもらった恩義があると言ってはいるけど、恩人なら悪いことしてもOKってことかい? その程度の倫理観しか持ってなかったのか?

本来ならマクギリスばかりに執着せず、ラスタルも葬るべきなんだよなぁ。直接命を奪わなくても不正を暴露して失脚させるとか。1期の彼ならそうしてもおかしくないと思いました。

やっぱり1期ラストで死んだのだな彼は。見た目だけガエリオで中身は別人。好意的に解釈するなら一命はとりとめたものの脳の一部が壊れたということなのでしょう。

大局が見えておらず私怨でマクギリスを倒すことしか眼中にない小さい男よ。1期終盤に見せた主人公っぽさの欠片も残っていなかった。

エピローグでは精神崩壊した妹のことを気にも留めていない様子で女とイチャイチャ、ヘラヘラしてるしクズぅ…。肉食ってる場合じゃないだろ!

鉄華団壊滅から何年も経過しているのに車椅子で病院暮らしというのも謎です。半身不随になっているとしてもずっと病院にいる必要はなくないか? 貴族なんだし家で介護を受けるのも余裕でしょうに。

もしやアルミリアに会いたくないから病院にいるのか。妹の夫だったマクギリスを殺めた負い目があって逃げてんのかな? だとすると情けないお兄さんだなぁ……。

棚ぼたジュリエッタ

ジュリエッタはギャラルホルン版三日月。「ラスタル様に拾ってもらったから何でも言うこと聞きます」なんだよな。絶対の信頼を持っていてラスタル様様。ラスタル様の言うことは全部正しい。カルトの教祖と信者のような関係。

三日月よりは主体性がありそうだけど、基本ラスタルのことは疑いません。ラスタルのやる悪事は良い悪事だと思っているフシがある。

終盤ではラスタルの手下として鉄華団を圧倒的大群で囲んでボコります。「非情であっても通さねばならぬ大義がある」なんて言ってるけど、これも見方によっちゃ思考停止。本当に大義なのかそれは?

彼女に限らず鉄血の登場人物には善悪の感覚がぶっ壊れているやつが多い。

ジュリエッタは「他者に理解できぬものであろうと人にはそれぞれ大義がある」と言うけど、他者には分からない大義って独善と何が違うんでしょうね?

彼女は「大義」という立派な言葉を使っているものの、実際には「自分たちが善で敵は悪だから殺して構わない」という短絡的思考で動いているようにしか見えませんでした。

(まあ、それは鉄華団、アリアンロッドどちらも同じですけどね。)

そのくせエピローグで、「鉄華団は悪魔ではない。誰よりも人間らしかった」と言っちゃうし、何なのよ! 鉄華団と深く交流したわけでもないのに話す内容が飛躍しすぎ!!

ジュリエッタが考えて喋っているのではなく、制作陣の言わせたいことを言わされているようにしか見えませんでした。

しかもこの人、大したことをしてないんですよね。ラスタルの命令でチョコチョコっと前線に出ただけ。主体性もないしはっきり言って傍観者に近い立ち位置。

それなのに爪楊枝が刺さって絶命寸前のバルバトスにとどめを刺しただけで英雄扱い。ギャラルホルンの次期リーダー候補。なにこれ…?

そもそも彼女は戦士であって政治ができるキャラじゃないでしょ? 蝶を食べるようなやつだぞ。

一部スタッフのお気に入りだから優遇されたという真偽不明の説がありますが、これを見せられるとあながち嘘でもないのかなと思ってしまう。どう見てもリーダーの器じゃないよ。

そんな感じで好きになれないキャラでしたが、イオクに対する蔑むような目つきだけは好きでしたね。

残機たくさん

ジュリエッタもガエリオも謎の優遇を受けてる気がします。敵側なのに主人公補正がついている。

しかも残機多いですよねこの2人。残機というのはモビルスーツの予備という意味ではなく、魂のストックのこと。ゲーム的な意味で。

ジュリエッタは三日月に負けて血まみれになっていたのにケロッと復帰。ガエリオは1期のコックピット攻撃で明らかに死んでいたけど復活。

スタッフに愛されているから、アクションゲームのキャラみたいに残機がなくなるまで何度でも蘇るんでしょうね。

それに引き換え鉄華団サイドの命の軽いこと軽いこと……。

火星の女王?

棚ぼたと言えばクーデリアも。2期では特に何もしていないのにエピローグで火星連合の議長になっていました。オルガがあれだけ足掻いてもなれなかった火星の王にあっさりなっちゃうのも、結末の理不尽さを際立たせていると思います。

自分の力じゃなくてテイワズの支援とラスタルのお情けで火星の代表になってしまうとはね……。

ただこれは見方によっては悲劇。神輿として担がれただけという可能性もあります。

後ろ盾に見放されたら失脚することになるし、不本意なこともやらされているのかもしれません。結局のところ汚い大人が勝利する話なのですかね、鉄血って。

スケープゴートのイオク様

イオクは無能な働き者。自分のやってることの意味が分かっていない。極悪人ラスタルの手先として、正義とは正反対のことやってるのにそれが理解できていません。

腐敗に加担してるのに自分は正義を行ってるつもり。家柄だけで脳みそ空っぽ。部下の名無しモブのほうが賢いという。

身代わりとして犠牲になった部下のために涙を流せるから、根は悪いやつではないのだろうだけど、いかんせん頭が悪すぎます。マトモな教育を受けていない鉄華団員にも劣る脳みそなので、家柄がなければ誰にも相手されなかったでしょう。

彼はメンタリティもお子ちゃまなんですよね。加えてアホなのになぜか人望だけはあるという。子供みたいな純真さが魅力なのかな?

でもある意味で気の毒なキャラだと思いますよ。ただ嫌われるためだけに生み出されたような感じ。そして視聴者のヘイトを一身に背負って悲惨な最期を遂げました。

ところで、イオクと直接的な因縁の無かった昭弘が、イオクの名前を聞いて激昂するのは不自然でしたね。確かにタービンズ壊滅は彼のせいなんだけど、ちょっと飛躍しすぎですよね。

「イオクを始末したい」&「昭弘を活躍させたい」という制作側の都合が合わさって、若干違和感のあるシーンが出来上がったのでしょうな。マクギリスの無能化然り、ストーリーの都合でキャラ設定や言動を捻じ曲げるのはやめてほしい。

そもそもイオクは、バエル戦でやられていれば綺麗な終わり方だったのになあ。仲間のための囮として役に立って逝けたのにね。

でもバエルソードのコックピット攻撃が微妙に身体から逸れて生存。何故外したマクギリス!?

メタ的に見ればスタッフが外させたのでしょうけど……。

制作陣に無理矢理延命させられ、最終回でペシャンコにされたイオク様は本当に哀れですよ。憎むべきはイオク様ではなく設定とシナリオを考えたスタッフでは?

イオク様は雑なシナリオを無理矢理先へ進めるために利用され、嫌われ者にまでされてしまった被害者かもね。

オルガ死亡シーンの何がいけないか

オルガ死亡シーンのおかしな点は散々指摘されていますが、特に気になった所を挙げます。

唐突で暗殺の必然性がないところ

何の伏線もなく取って付けたように暗殺されたのがいけない。以前から命を狙われていたとかなら分かるけど。

暗殺された理由もふわっとしていて納得できません。ノブリスに命令されてやったわけもなく部下のモブが独断でやったって一体……。

メインキャラ死亡エンドという結論ありきで、制作陣は最終回までにオルガを始末しときたかった。でも劇的な最期にするには尺が足りないから、サクッと簡単に片付けられるヒットマンを出しただけなのでしょうね。

実際3分くらいで済んでるしカップラーメン並にお手軽でしたね。任侠もののオマージュというのは単なる言い訳に過ぎないと思います。

暗殺されたのは第48話のラスト。ここでお片付けしないと残り2話しか無いからなあ。やはりスケジュールの都合で雑に始末された感じか……。

手当しないところ

誰も応急処置しないところも疑問。それで助かるかどうかは別として、まだ辛うじて生きている段階なのに涙を流して見ているだけというのは不自然ですよ。

即死ではなく、ヨタヨタ歩いてペラペラ喋れるくらいの元気はあったわけだし。

団員たちはまるで彼の死を受け入れているかのような態度でした。あれだけ撃たれたらダメかもしれないけど、なんとか助けようと悪あがきはするでしょ。大切な団長なんだし。それがないから変なのよね。

鉄血世界の医療技術は現実世界より進んでいるようですし、コックピットに攻撃を受けて血まみれのジュリエッタが生き残ったという前例もあります。

助かってもらっちゃまずかったんですよね、シナリオ的には。また展開上の都合でキャラの行動が歪められたのか……。

音楽で誤魔化すところ

声優の迫真の演技とED曲「フリージア」のおかげで感動的なシーンのように見えてしまうけど、冷静になって考えるとアホらしい最期でした。

撃たれた後立ち上がってヨタヨタ歩きだすのは滑稽。変なポーズで倒れるし、倒れた後も血が前に進んでいくという寒い演出は個人的に嫌い。これで視聴者を感動させられると思ったのかな?

これならラフタのように即死だったほうがネタにされなくて良かったような……。オマージュしたという任侠ものには、こんな下手なお涙頂戴はないでしょ?

主要キャラが死んでしまう展開は仕方ないとして、もっと丁寧に描けなかったのでしょうか。

昔の映画(例えばアメリカン・ニューシネマ作品とか)には、主人公が銃撃されて死亡エンドというのがよくあるけど、鉄血と違って安っぽくないし心に残るものがあるんだよなぁ。

ヒットマンにやられるにしても銃撃戦をしっかり描くとか出来たでしょうに。

なぜこんなあっさり雑に退場させたのでしょうね。スタッフがもう少し工夫してくれたら、オルガも壮絶な最期を遂げられたのかもしれないのにもったいない。

「止まるんじゃねぇぞ…」というセリフ

「俺は止まんねぇからよ、お前らが止まんねぇかぎり、その先に俺はいるぞ! だからよ、止まるんじゃねぇぞ…」

どうにでも解釈できる意味不明なセリフですね。ネット上ではネタにされていますが、それ以前に何を伝えたいのか要領を得ない遺言でした。なんでこんなセリフを言わせたんでしょう。

無茶をして団員の命を危険に晒すよりも、安全策を取って生き延びることを優先すべきだったと、終盤でオルガはやっと気付いたのにね。

それなのに「止まるんじゃねぇぞ…」ってなんなんだよ。今までの調子で危険を冒して先に進むことを推奨しているみたいじゃないか。脳筋の団員にそう解釈されてもおかしくないですよ。

「その先に俺はいるぞ!」っていうのも、無茶をして命を落としたらあの世でオルガに会えるみたいなニュアンスを感じてしまう。団員を死地へ向かわせるおそれのある罪深い発言なんだよな。

1期ラストのように生きろ生き残れ、お前たちは死ぬんじゃねぇぞ、と言うべきだったんだよ団長は。そうすればライドが道を誤ることはなかったかもしれない。

オルガは本心では団員に平穏な生活を送ってもらいたかった。復讐の鬼になって危険な道を歩んでほしくはなかったはず。

まあ、突然撃たれたから、そんなことを考える余裕がなかっただけかもしれませんけど。

それでもオルガは魅力的

雑な死亡シーンですが、仲間をかばって命を落としたという点だけは評価できます。仲間のためなら自らの命も差し出せるオルガ・イツカという人物をよく表している。

この判断は組織のトップとしては失格で、部下を盾にしてでも生き残るべきだったのだろうけど、それをしないのがオルガの魅力だと思います。

汚い奴や非情な人間ばかりの鉄血世界では珍しく、彼は綺麗な心を持ち情に厚かった。オラつく所とか、頭が悪くて行き当たりばったりな所はどうかと思うけど憎めない人物なんだよな。

「火星の王になる」なんて大それたことを言っていたけど、権力欲のある人ではありません。自分が火星の王になることで仲間を幸せにできると思ってたからそこを目指しただけ。

私利私欲で動いていたのではなく仲間の幸せを第一に考えていた。人格的には素晴らしいから、もう少し頭が良ければ優秀なリーダーになれたのでしょうけどね。

頭の切れる参謀役がいれば良かったのだけど、ビスケットが亡くなってからは周囲が脳筋だらけになってしまったからなぁ。相棒の三日月は武闘派で、彼を過激な方向へと誘導するし。色々環境的に気の毒な人物でもあります。

ネットでは「情けない」とか言われて叩かれてたけど、終盤に仲間を逃がすため悪あがきする団長も好きでしたよ。

おわりに:鉄血まとめ

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』全体の振り返りです。

残念ながら、文句なしに面白いと思えたのは1期の13話まででしたね。これから見ようと思う人で、時間のない人、期待を裏切られるのが嫌な人はそこで止めておくのが無難かなと思います。

確かに1期は後半も含めて評判が良いです。14話以降も面白いことには面白いですが、雑な展開や胸糞悪いシーンなど粗も目立つようになります。それでもまぁ、2期に比べれば十分見られるし、次が気になる展開ではありました。

2期前半に関しても、ちょっと暗くてパッとしない話が多いものの一定のクオリティは保たれていました。とはいえ、最終回視聴後に振り返ってみると、本筋とは無関係のどうでもいい話が多かったのですが。

ここで尺を無駄遣いしたせいで終盤が残念な出来になったような気もします。モビルアーマーは、散々もったいぶっておきながら後の話に一切関係しませんでした。強いて言うならパーツがバルバトスに流用されただけ。

後半というか終盤は擁護できません。バエルが出る43話あたりから展開がシッチャカメッチャカになります。突っ込みどころ満載。キャラの言動がおかしくなり、在庫処分のごとくサクサクと雑に人が死んでいくという胸糞展開に。

思わせぶりに張っていた伏線も、投げっぱなしで一切回収されませんでした。そして最終回のエピローグで無理矢理ハッピーエンドっぽくしておしまい。うーん酷いなコレは。

とはいえ、暇で他に見たい作品がない人は見ても損はないと思います。2期終盤もネタとして楽しむことはできますし。

ただ、真面目に面白いものを期待して見るとガッカリする可能性が高いので要注意。

視聴前は「粘着アンチやオルガネタを見てやってきた人が、過剰に叩いているだけかも」と思っていたけど、全然そんなことはなかったですね。叩かれても仕方ない要素が多かった。

キャラクターや世界観が好きだった人ほど、終盤の展開を批判したくなるでしょうね。2期終盤は1期から積み上げてきたものを全てぶち壊す展開でした。多分意図的にやったのでしょうけど。

優れた部分も多いですが、結構大味な作品なので、心に残る良質なアニメを見たい人は他を当たったほうがいいかもしれませんね。

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