リョナ要素はおまけ…アニメ『ゴブリンスレイヤー』感想(10話~12話)

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2018年秋アニメ『ゴブリンスレイヤー』、10話から最終回の12話までの感想です。

いよいよクライマックスなのですが、あまりスッキリしない終わり方でした。最後まで見ても世界観が良く分からない。

あと、第1話で受けた印象と他の話数の雰囲気があまりにも違いすぎて、若干騙されたような感覚が残ります。

前の感想リンク:1話から6話  7話から9話

第10話 まどろみの中で

前にガイコツモンスターを倒していたモブ勇者(涼宮ハルヒのパチもんみたいな外見の子)たちが魔神王を倒したらしいです。このアニメはちょこちょこモブの話を挟んできますが、何なのでしょうね。意図が分からない。

親方の謎理論

ゴブリンスレイヤーは武器屋に行きます。鎧の修理とスクロールの調達を依頼していたみたい。それはいいのですが、ゴブスレ退店後に親方が言った言葉の意味が分からずモヤモヤが残りました。

武器屋の弟子みたいな若者が、ゴブスレは音の出る鎧よりミスリルの鎖帷子をつけたほうがいいし、スクロールより魔剣のほうがいいのではと言ったのですが、それに対して親方は、

ゴブリン相手に伝説の魔剣を嬉々として振り回すやつはただのマンチキンよ。やつは自分が何をしてるのか重々分かってるのさ

と反論。ドヤっていましたが意味が分かりません。

ゴブリンを馬鹿にすると痛い目に遭うぞという描写を今まで散々やってきたのに、強い武器を使って戦うのはイカンの?

親方はゴブスレと付き合いがあるのにゴブリンの脅威を認識できず、1話の素人冒険者みたいに舐めてかかっているということなんでしょうか?

そもそも、ゴブリン相手に魔剣を使ったらマンチキンなのに、スクロールはOKというのも意味が分かりません。本作のスクロールは、目の前の空間を海底とつなぐことができるようなチートアイテムですよ。親方がどうしてそういう認識になるのか謎すぎる。

この作品には腑に落ちない描写が多いんですよね。

前回の回りくどい小麦粉粉塵爆発など、ゴブスレの謎行動にも実は深い理由があるのかもしれませんが、自分には理解できませんでした。原作では説明されているのかも。

日常回ばっかり

10話もただの日常話でした。ヒロイン達と仲良くご飯食べたりするだけ。ストーリーものとして見ると少々中身が薄い印象です。あまり刺激がなく、眠気をもよおしそうになりました。

このアニメ、1クールしかないのに事件の無い日常回が多いです。原作ストックがないのかと思ったけど、小説は放送時点で8巻まで出てるみたいですし、スピンオフもあるみたい。展開を遅くする理由が分からないですね。

漫画版をベースに作っているからストックが足りないってことなのかな?

余談:アニメ業界はやばい?

次回は総集編(特別編)だという発表がありました。制作が間に合ってないのか?

アニメ業界は大変なんですね…。ここ数年、酷い作画崩壊をする作品が増えたように思います。今期(2018年秋アニメ)では『いもいも』が話題になっています。

明らかにアニメ本数が多すぎだもんなぁ。現場が疲弊しているのでしょう。上の人間は粗製乱造でも利益が出ればいいと思ってるのかな?

現場と視聴者は置いてけぼり。前からアニメ業界の問題は指摘されていたけど、いよいよ国産手描きアニメに終わりの時が近づいてる感じがします。嫌ですねぇ。

あまりにも労働環境が酷いせいで、後継者が十分な人数育っていないという話も耳にします。個人的にこの点が一番痛いと思います。作れる人がいなくなっちゃおしまいですよ。

一部の大手制作会社は手描きアニメを作り続けられるけど、残りは3DCGアニメと外国産になってしまうのかなぁ。悲しいです。

第11話 冒険者の饗宴

ゴブスレは足跡を見てゴブリンの大群が牧場を襲うことを察知。牛飼娘に牧場から避難するよう言います。しかし、牛飼娘は断固拒否。あれこれ屁理屈をこねて逃げようとしません。

見ていて呆れましたよ、頭がおかしいんですかね牛飼い娘は。過去のトラウマが原因で病んでるのかな?

ゴブスレが帰って来られる所がなくなるからどうのこうのと言いますが、感情的すぎる意見で全く納得がいきません。

それ以前に牛飼娘の牧場は無防備すぎませんか? 前から思っていたけど、ゴブスレさんの見回りだけでどうこうなるレベルじゃない。

あんな郊外の牧場に二人だけって、ゴブリン以外から襲われる危険もあると思うのですが……。今まで無事だったのが不思議ですよ。やっぱり世界観がよく分からない。盗賊とかはいないのか?

お人好しばかり

ゴブスレは襲撃から牧場を守るべく冒険者ギルドに助けを求めます。でも冒険者は報酬がないと動きません。ゴブスレは自分の持つもの全てを報酬にすると言います。

槍使いに、「なら俺が死ねっつったらどうすんだよ」と問われるゴブスレ。

答えがなんとも意外で、自分が死ぬと泣くかもしれない者(牛飼娘)がいる、泣かせるなと言われたから自分の裁量では命をあげられないとのこと。

うーん、変なやつですねぇ…。そんな答えで納得させられると思ってるのでしょうか?

でも槍使いは一杯奢るだけで協力してくれるらしい。ゴブスレの本気度が分かったからですって。

まあ、槍使いがお人好しなのは前にも描写されてました。遠くの街までわざわざ小麦粉を届けてくれたもんね。

いつものパーティメンバーはもちろん、不思議な喋り方をする魔女も加勢。さらに受付嬢がゴブリン一匹につき金貨一枚の依頼を出してくれたので大人数が集まりました。

なんかいいやつ多いよなぁ、ダークファンタジーと言いつつ非常に優しい世界。

ゴブリンと合戦

後半では、冒険者たちが大集合しゴブリン軍団の襲撃から牧場を守ります。例の魔女はえらくハイスペでした。ゴブリンを眠らせたり、矢の弾道を曲げたり。

槍使いとモブ冒険者たちは、先を尖らせた丸太を使って槍ぶすま。狼に乗ったゴブリンが突撃してきて串刺しになります。

余談になりますが、このシーンを見て『百錬の覇王』のファランクスを思い出しました。

『ゴブスレ』では直前まで槍を隠していたので敵が突っ込んで来るのも分かるけど、『百錬』では槍を構えてるのが見え見え&棒立ちなのに敵が突っ込んで自滅していたのでシュールさが凄かったです。あれは酷いアニメでしたね…。

さらに今回は巨大なゴブリン(ホブやらチャンピオン)が沢山登場します。

たかが牧場を襲うのに過剰なまでの戦力を出してくるのね。冒険者が来ることも知ってたのかな? メチャクチャ手強いぞゴブリン!

冒険者たちが合戦をしている頃、ゴブスレは一人森の奥にいる親玉(ゴブリンロード)を狩りに行っていました。

それにしてもゴブスレの目が赤く光るのはどういうことなんでしょう。魔法か何か特殊な力を秘めてるのでしょうか? 地下で死にかけたときも目が光ってすごい力で反撃してましたよね。

これで雑魚扱い?

ゴブリンの強さがよく分かる回でした。雑魚扱いされているのが不思議ですよほんとに。

統率の取れた大軍で襲ってくるモンスターを雑魚扱いする人間の思考が理解できません。どうなってんのよ…。

ゴブリンは船や狼に乗って襲ってくるし、毒ガス(毒性は低そうだったけど…)まで使えます。もちろん飛び道具も使いこなします。巨大なのもいます。にも関わらず、普通の冒険者は相手にしない最下級モンスター扱い。

この世界の住人は神様か何かによって思考が捻じ曲げられているんでしょうかね? ゴブリンスレイヤーと仲間たち以外にはゴブリンの驚異が認識できないようにされているという設定なのかな? 原作を読んでいないのでよく分からないです。

第12話 ある冒険者の結末

牧場防衛戦の続きです。単独で森へ入ったゴブスレは、先回りしてゴブリンロードを迎え撃ちます。一対一の切り合いで優勢に戦いを進めるかと思いきや、結構押されている模様。

ロードは指揮官タイプで戦闘能力は低いと思いきや、実際には殴り合いも相当強いみたい。ボロボロにやられるゴブスレさん。

調子に乗って単独行動するからこんなことになる…。追い詰めたと思ったら返り討ちにされ絶体絶命のピンチというのは、主人公として結構情けないのでは?

古代遺跡の回でも思ったけど今まで生き残れたのが不思議。運だけは強いのかな?

トドメを刺されちゃう!というタイミングで都合よく女神官ちゃんが登場。プロテクションで助けてくれました。最近見かけないなと思ってたけどゴブスレの後をつけていたのね。

なんと意外にも事前に打ち合わせをしていた模様。それなら足並みをそろえておかないと…。一人で先行しすぎ。

プロテクションで動けないゴブリンロードにとどめを刺したゴブスレさん。でもあんまりかっこよくないぜ。ヒロインの助けがなかったらやられてたじゃん。

無茶をしないでと泣く神官ちゃんに「信頼していたからな」とゴブスレ。いい話みたいになってるけど、来るのが少しでも遅れていたら真っ二つにされてたぞ。色々と詰めが甘い感じ。

宴会

ゴブリン軍団との戦いは冒険者側の勝利で終了。後半は日常パート。

また例のハルヒ勇者たちが出てきて「お祭りに行けるのはゴブリン殺しのおかげ」と謎のゴブスレage。コイツらなんだったんだろう一体。最後まで謎の存在でした。

冒険者ギルドのシーンに移って宴会。ゴブスレは兜を外し素顔を見せ、冒険者たちからチヤホヤされて終わり。イケメンだったのかな? なお、顔に変なものが取り憑いていたりはしなかった模様。

一応めでたしめでたしの終わり方だったけど、すっきりしないぞ。ストーリらしきストーリーが無い日常系みたいな内容だったし、世界観も謎。モヤモヤしたまま終わってしまいました。

それにしてもゴブスレさんなぜかモテモテだったなぁ。なろう系のチートハーレムに近い雰囲気を感じてしまいましたよ。でも女の子は可愛かったので萌えアニメとしては満足です。

最終話まで見た感想

第1話を見てヤバイのが来たなと思ったけど、蓋を開けてみれば全然リョナアニメではなかったです。予想外に平和な内容で拍子抜け。ダークファンタジーとして売り出すのは、ちょっと違うんじゃないかなぁ。

とはいえ、キャラクターには魅力がありました。不思議な喋り方の魔女さんはすごい美人ですね。ミステリアスだしいい感じ。

女性キャラだけじゃなく、リザードマンやドワーフも良かったです。男だけどなんか可愛げがあって好感が持てました。男性キャラが主人公の引き立て役にとどまらず、しっかり個性的を持っているところはテンプレなろうと違う点かも。

ストーリーはあってないようなもの。意外にも、日常系やなろう系スローライフものに近い作風だと思いました。冒険者の日常って感じ。戦闘シーンはありますが、最終的に倒すべき強敵がいるわけでもないし、雑魚狩りハーレムの繰り返し。

あと、アニメを見ただけでは世界観がよく分からなかったです。

萌えアニメとしては評価できるけど、シリアスなストーリーものとしては微妙かな。ご都合主義を感じさせるシーンが多かったですし。

主人公には魔王のような強敵を倒すといった大きな目標がなく、コブリン狩りが第一の目標であるためスケールの大きな話になりようがない。日常系的な展開になるのは必然ですね。

まとめ

本作はベースの部分で流行りのなろう系チートハーレムものと共通しているものの、王道ファンタジーに寄せているのでなろうっぽさが軽減されています。結果として、より広い層に受け入れられる作品になっていると思われます。

異世界ものが好きな人なら自然に受け入れ楽しむことができますし、なろう系が苦手な人にとっても見やすい作品でしょう。序盤のリョナは人を選びそうですが、その後は比較的平和で万人受けしそうな内容でした。

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